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2022年03月26日発行
柳画廊

『メトロポリタン美術館展』

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       今の美術業界を考える(その919)

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メトロポリタン美術館展        2022年3月26日
                      
 白日会を見に行った際に、新国立美術館で開催していたメトロポ
 リタン美術館展を拝見してきました。今年はニューヨークのメトロ
 ポリタン美術館が大規模な改修工事をしているために、貴重な作品
 を貸し出してくれたようです。

 多くの日本人がニューヨークに行くと、メトロポリタン美術館に
 いって、実際の作品を拝見していると思います。改めて、その作品
 の一部を日本で拝見することで気が付いたことがいくつかありまし
 た。

 あの、巨大なお城のようなメトロポリタン美術館で大量の作品を
 拝見したときの圧倒的な威圧感は全くありませんでした。日本の
 こじんまりとした企画展示室で点数も65点ほどの作品を拝見する
 わけですから、あっさりと拝見することが可能です。

 その中で、構成としてはイタリアルネッサンスから印象派の作品
 までを紹介しており、副題に西洋絵画の500年とあるとおり、
 西洋絵画の歴史の500年を作品を通して拝見するようなしたて
 となっておりました。

 日本というフィールドで、改めて西洋美術を拝見すると、先日、
 サントリー美術館で正倉院宝物という展覧会を拝見したせいか、
 歴史の重みが薄っぺらく感じてしまいました。日本の宝物は正倉
 院が何度も修復をしながら保存しているもので1300年という
 歴史の重みがあるわけです。当然、その時のままのものは少ない
 わけですが、文化としての歴史の重みの違いを感じました。

 また、あらためて西洋絵画の歴史とメトロポリタン美術館の歴史
 を考えると、日本が長く鎖国していたところから、一挙に西洋文化
 が日本に流れ込んできたのが明治の時代です。1870年に開館
 されたというメトロポリタン美術館は、日本が世界に向けて目を
 向け始めたころに開館されています。
 さらに、その後は中国だけでなく文化的にも西洋と東洋の交流が
 さかんになり、ジャポニズムが世界中に流行するわけですが、
 私達、日本人はもうそろそろ西洋の方が文化的に進んでいるという
 価値観から脱却する時代であり、あらためて西洋の価値観は東洋
 の価値観から学びなおしを始めている時代なのだと感じています。

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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