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2022年06月04日発行
柳画廊

『お金の未来』

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       今の美術業界を考える(その929)

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お金の未来               2022年6月4日
              山本康正・ジェリー・チー 共著
                      講談社現代新書

タイトルが気になって、この本を手に取ってみました。 お金を
哲学すると、非常に奥が深く、以前にこちらのコラムでも紹介いた
しましたが、「エンデの遺言」ミヒャエル・エンデ著の本が、非常
に秀逸で読み応えがあり、その本がきっかけで私はビットコインを
購入したのを覚えています。

今回の本は、そもそも今、私たちが使っている中央銀行が発行して
いる‘お金’というものは160年くらいしか歴史はなくて、日本
では、それまで小判とか金とかお米がお金として長く使われて
おりました。思えば、年貢米といって農民はお米で税金を支払って
おり、その歴史は非常に長く続いておりました。

今、話題になっている仮想通貨ですが、これがお金の未来の全て
だとは思っておりません。しかし、年貢を納めていた頃も、お金と
いうか納税の機能の一部をお米が担っていたわけです。ですから、
未来のお金の一部を仮想通貨が担っていく時代になるのは、間違い
ないと、この本を読んで確信いたしました。

まず、驚いたのは2021年9月にエルサルバドルという国が、国
の法定通貨としてビットコインを採用したということです。その
背景としては、多くの先進国と違って、エルサルバドルの国民の多く
が銀行システムに含まれておらず、銀行口座自体の普及率が低い事
や海外からの送金が多くてその手数料が高いこと、そもそも自国の
通貨がなく主権を持たない米ドルを使わざるをえなかったことなど、
複合的な理由があります。

銀行口座を持たずに暮らす世界、そうなると銀行の視点や口座を整備
するよりビットコインを法定通貨にしたほうが、早くて便利だという
事なのだと思います。エルサルバドルと同じような状況にある新興国
において、こうした動きがみらるようになると予想しています。
中央集権である、中央銀行による通貨と、分散型のビットコインという
お金の仕組みですが、どちらもなくなることは考えずらく、共存していく
未来が見えてきていると思います。

完璧なお金というものはないわけですから、お米が通貨の代わりをして
いたように、これからも仮想通貨だけでなく、新しいお金の代わりをする
ものが出現してきても不思議ではないと思っています。
 
                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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