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2022年07月16日発行
柳画廊

『絶対悲観主義』

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       今の美術業界を考える(その935)

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絶対悲観主義             2022年7月16日
              楠木 建 著  講談社+α新書
                      
 一ツ橋ビジネススクールの教授である楠木先生の著書を読ませて
 頂きました。楠木先生とは、社長の親しい方からのご縁と、古く
 はアークヒルズクラブでメンバー同士ということで色々な所で
 ご一緒させていただいております。

 この本のタイトルにもなっておりますが、この絶対悲観主義という
 考え方は、仕事をしていく上で、特別の才能のない普通の人である
 ならば、「自分の思い通りにうまくいくことなんて、この世の中に
 はひとつもない」という前提で仕事をすることが、長い仕事人生
 の中で、重要な考え方だということを書かれています。私もその考
 え方には同意しています。

 まず、大いに賛同したのは、「成功体験の復讐」という概念です。
 ビジネスの世界でもスポーツの世界でも芸術の世界でも、同じ
 だと思うのですが、若い頃の成功体験が、その後の人生において
 「過去の成功体験から抜け出すことが出来なくて苦しむ」という
 ものです。楠木先生の考える、絶対悲観主義による回避の仕方は、
 「これは成功と呼べるほどのものではない」という考え方です。 
 人生において、「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉の通り、
 幸福と不幸は背中あわせです。マイナスからのスタートは、その後
 の人生において、多くの事が良く見えるという意味で幸せなスター
 トと考えることができるのだと思います。

 また、この本の中で第12章に 痺れる名言 という章があり、非常
 に感銘する言葉が多くでておりますが、その中で秀逸だったのが、
 アンドリュー・カーネギーの「笑い声のない所に成功はない」という
 言葉です。この言葉には、心の底から共感しています。また、成功
 だけでなく、スポーツにおいても「笑い声のない所に勝利はない」
 と心から思っています。少し前の日本の価値観には、笑う事は少し
 だらしがないようなイメージがありましたが、今は違うと思います。
 何より、医学の世界でも「笑うことが健康に良い」ことが立証されて
 いる時代ですから、笑う事の大切さをもっと多くの人と共有したいと
 思っています。

 多くの事を学ばせていただいた本ですが、著者に対する価値観の共有
 というものを改めて感じました。仕事の仕方に対する姿勢や、生き方
 に対する姿勢というものに共感することが多く、これからも楠木先生が
 本を書かれたら読んでみたいと思わせる1冊でした。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075