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2022年07月23日発行
柳画廊

『祇園祭』

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       今の美術業界を考える(その936)

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 祇園祭                2022年7月23日
                      
 3年ぶりに開催された祇園祭を拝見しに伺いました。京都が大好き
 な友人が、毎年、ホテルオークラのスイートルームをとられていて
 そのお部屋から、祇園祭の山鉾巡業を涼しい中で拝見できるという
 有難いお誘いを受けて日帰りでいってまいりました。

 もともと暑いのは大の苦手で、熱中症になりやすい体質のため、
 祇園祭は一生いけないものだと思っておりましたので、大変嬉し
 かったです。

 基本的にお祭りというものは大好きで、自分でもお祭り女だと思っ
 ています。人がたくさん集まって、わいわいすると良いことがあると
 信じています。

 そもそも、祇園祭とは何ぞやというと、1100年前に京都で疫病
 が流行したため、疫病を鎮めるため、神泉苑にて66本の矛をつくり
 疫病の退散を祈願したのが始まりだそうです。
 まさしく、コロナの終息を願う今、祇園祭とご縁ができたのは、私
 にとって意味があったのかもしれません。というより、もともと
 人類にとって疫病との闘いは長い歴史があり、たまたま私が生まれ
 育った時代に、疫病もなく、戦争もない時代であったのが、ここに
 きて疫病は流行するわ、戦争はあるわで、人類は科学が進んでも、
 精神的には進歩しておらず、歴史は繰り返すという言葉通りの事が
 起こっているのだと感じています。

 多くの日本人が京都が好きなのは、そんなところに所以があるのでは
 と感じています。科学技術が進んで、誰もがスマホを持ち、ネット
 検索することで、多くの情報を簡単に得ることができるようになった
 現代ではありますが、データはあってもそれを読み解き、現代社会に
 生かすための知恵がまだまだ足りないのだと感じています。

 そうした中に、京都という町にくると、日本の歴史がつまっていて、
 祇園祭ひとつをとってみても1100年もの歴史があり、疫病を収める
 為と言いながら、政治利用されたり、応仁の乱の時代に中断されたりと
 復活して継続するためには、京都に住む人たちの思いど努力がそこには
 隠されているのです。

 国も同じだと思うのですが、アメリカのように歴史のない国が国作りを
 するのは、ある意味で易しいことかもしれません。みずほ銀行のシステム
 が苦しんでいるのも、過去の多くの銀行のシステムを引き継ごうとして
 いるからだと思います。全てのことに通じているのは、過去とどのように
 向き合って、どのように未来を作っていくのかということです。

 美術の世界も、過去が多すぎて、現代アートとの折り合いをつけるのが、
 今、難しくなっているのかもしれません。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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