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2022年08月13日発行
柳画廊

『長崎の郵便配達』

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       今の美術業界を考える(その939)

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長崎の郵便配達            2022年8月13日
                   銀座シネスイッチにて
                      
 初日に銀座シネスイッチにて川瀬美香監督の‘長崎の郵便配達’
 というドキュメンタリー映画を拝見してまいりました。
 この物語は全て実話で、長崎で被爆された郵便配達の少年が一生
 をかかけて、戦争反対、核爆弾の根絶といった活動をしていた
 内容をイギリス人のピーター・タウゼントという方が書籍にされ、
 その書籍をもとに川瀬監督が映画化したものです。

 多くの偶然と出会いが重なり、出来たドキュメンタリー映画ですが、
 今、ロシアがウクライナに核の脅威を見せつけている中で上演されて
 いることに必然性を感じています。

 誰もが、戦争は反対であり、核爆弾の利用は地球を一瞬で人間の
 住めない場所にしてしまうことを多くの人は知っています。それで
 あるにもかかわらず、戦争はなくならず、核爆弾もなくなりません。
 人間は忘れる動物なのでしょうか。

 この映画は、長崎で起きた実話とリアルな映像と生き残った人物の
 証言をもとにリアルに私達に核の脅威を伝えています。77年前
 の出来事ですから、実際に被爆された方は殆どお亡くなりになられて
 います。人の記憶というのは本当にいい加減なものです。

 だからこそ、この映画に意味があると思っています。この映画の元
 となった小説を書かれたピーター・タウゼントという方は英国の
 空軍大佐であり、ローマの休日のモチーフとなったイギリス王女
 との恋愛でも世界的に有名だった方です。

 このピーター・タウゼントの娘さんであるイザベル・タウゼントさん
 と著書を読まれて、欧州まで会いに行った川瀬美香監督との出会いが
 この映画を生み出しました。

 映像は非常に美しく、情緒あふれるものに仕上がっておりますが、伝
 えるべきメッセージはしっかりと伝わっていると思います。私達は過去
 に起こった本当の事実を、なるべく一次情報として経験されたご本人の
 口から伺うことが大切で、そういう意味では、このドキュメンタリー
 は77年前に起きたことを丁寧にその当時の映像、新聞、写真などを
 交えながら正確に伝えているものだと思います。

 世界で戦争が起こっている今、改めて多くの人がこの映画をご覧になる
 ことを期待しています。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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