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2022年08月20日発行
柳画廊

『日本人の真価』

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       今の美術業界を考える(その940)

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日本人の真価             2022年8月20日
                 藤原正彦著   文春新書
                      
 「国家の品格」を書かれた藤原正彦さんの新書で、サブタイトルが
 ‘この国は再生できる’とのことで拝読いたしました。この方の
  本業は数学教授であり、長年、お茶の水大学理学部教授を歴任
 されておりました。

 前にかかれた‘国家の品格’の中で書かれた言葉の中で、数学の
 天才が育つ環境として子どもの頃に美しい景色をみて育つことだ
 という言葉が非常に印象的でした。

 今回の著書にも私の心に響く言葉がいくつもありました。その一つ
 に「これからが、これまでを決める」という言葉で、今の私の信条
 にぴったりです。欧米の価値観ですと、過去の延長線上に未来がある
 となるので、逆の価値観になり、「これまでが、これからを決める」
 になるわけです。東洋的な価値観になると、これからの生き方次第
 で、今までの人生の意味を変えることが出来るというものです。

 また、ロシアとウクライナの戦争が起きている今、藤原さんご本人
 が3最の時に母親がひとりで子ども3人を連れて日本に戻ったときの
 記憶が、今のウクライナの難民の姿に重なるのだそうです。
 そして、これからの日本を考えた時に、中国とロシアに囲まれて
 いる日本の環境は、かなり厳しい状況だと思います。

 その中で、今は経済至上主義への懐疑が始まり、お金では測れない
 ものの価値が見直される時代になると確信しています。そういう意味
 で、芸術やスポーツ、文化、教養、道徳、基礎科学などの、お金では
 測れないものの価値が見直されると藤原さんは提唱されています。

 私達、日本人が大切にしている価値観として美意識と武士道精神が
 挙げられておりますが、中国やロシアという国では全く評価されない
 価値観でもあります。世界が豊かになってきていると同時に、SNS
 などにより、あっという間に情報が拡散される時代です。
 悪いことも拡散されますが、面白い事、感動したことも拡散されていく
 時代です。ウクライナが国力とは相反して、多くの国が応援しているのは
 SNSやニュースによりリアルタイムに状況が報道されることにあると
 思っています。

 国というレベルでの情報発信は、まだまだの日本かもしれませんが、民間に
 よる情報発信が日本を守る時代になってきているのかもしれないと、藤原
 正彦さんの本を読んで思うようになりました。
 

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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