メールマガジン/ブログ - 最新情報

2022年10月01日発行
柳画廊

『ボストン美術館展(芸術 x 力)』

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その946)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ボストン美術館展(芸術x力)     2022年10月1日
              10月2日まで  東京都美術館
              
東京都美術館で開催しているボストン美術館展にいって参りました。
ボストン美術館は日本美術が充実していることで知られており、
私も何度も伺ったことがあります。しかも、ボストン美術館の美術
品は明治の時代に岡倉天心がおさめたものも多く、その後、岡倉
天心がボストン美術館で働いていたこともあり、敷地内に天心園と
名前のついた日本庭園もあるほどです。

今回のボストン美術館展のテーマは「芸術 x 力」ということで、
歴史的に美術品が権力者の権力を世間に知らしめるために利用され
た事実や、権力を持った方がお金とともに求めたものが美術品
であるということを作品を通して伝える展覧会となっています。

本来2020年のボストン美術館150周年記念行事の一環として
東京都美術館が計画していた展覧会がコロナの影響でずれてしまい
2022年に実施されているということです。

今回、ボストン美術館から来ている作品は日本のものだけでなく、
エジプト、ヨーロッパ、インド、中国の作品がきており、その中
には、宝石から陶器、刀といったものも含まれた60点の作品展示
となっています。

その中で、私が面白いと興味を持ったのは吉備大臣入唐絵巻という
巻絵でした。美術品からも日本と中国との交流の深さを感じること
ができ、多大な影響を受けていることが美術品を通して理解できま
した。

それと同時に、収集された作品たちの多くが、その時代にアメリカ
という国は存在しておらず、自分の国がない時代の世界中の美術品を
集めているということでした。しかし、アメリカという概念も、その
土地には古くから人(インディアン)は住んでいて、彼らにも文化は
あったけれども、収集展示は行っていないということだと思います。
別の角度で考えると、今の中国は毛沢東の時代に建国されたのが今の
中国であって、それまでの中国大陸にあった国は、今の中国とは違う
国である(民族も)ということです。

美術を通して権力とか、国などを考えてみると、色々な真実が美術品を
通してその時の権力者の思いが伝わるのだと思います。その意味で、
今回の展覧会は、世界中の歴史の真実について考える良い機会となりま
した。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075