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2022年10月22日発行
柳画廊

『竹内栖鳳』

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       今の美術業界を考える(その949)

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竹内栖鳳              2022年10月22日
山種美術館  没後80年記念        12月4日まで
              
 山種美術館で開催されている、没後80年の竹内栖鳳展を拝見して
 まいりました。このコラムを書いていて良いのは、ネタにつまると
 「美術館にいって参ります」と業務として美術館に伺えることです。

 経営者なのですから、気にしないで外に出ればよいのですが、何故
 かサラリーマン時代の名残で、オフィスにいないことに罪悪感を
 感じています。しかし、苦しい時期も乗り越えて、改めて経営者の
 仕事は画廊にいることではなく、数字を作ることだと確信しています。

 さてさて前置きが長くなりましたが、「西の栖鳳、東の大観」と
 言われるほどの実力者であった竹内栖鳳の展覧会でしたが、流石
 の一言でした。京都画壇を代表する一人であり、1864年に生を
 受け、日本が明治にはいり大きく変化していく中で、日本文化の
 中心にあった竹内栖鳳の生きざまは、今の画家にも大きく影響を
 与えていると確信しています。

 竹内栖鳳が36歳の時に、パリ万博にも作品を出品し、視察を兼ね
 て7ケ月をかけてヨーロッパを旅行し、その中でターナーやコロー
 などから大きな影響を受けたと言われています。

 当時の日本は、欧米に追い付け追い越せの時代であり、絵画といえば
 西洋絵画がもてはやされた時代で、黒田清輝のようにヨーロッパで
 学び、西洋絵画を描く画家がちやほやされた時代です。その時代に
 日本画というものを再定義した日本画家のひとりが竹内栖鳳なのだ
 と思います。

 彼の才能は若い頃から評価されており、「けものを描けば、その匂い
 まで表現できる」と言われたほどの実力があり、その言葉を実感でき
 るのが、今回の展覧会のチラシやポスターにも使われている「班猫」
 (重要文化財)だと思います。

 現代の私達が、その作品を拝見しても、動物や魚、植物などを観察する
 目が優しく、竹内栖鳳の感動やその時の気持ちまでもが表現されている
 ようで、けものの匂いだけでなく、自分の気持ちも絵の中に表現できる
 画家なのだと思います。

 機会があれば是非、足を運んだ見てください。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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