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2022年11月12日発行
柳画廊

『地球がまわる音を聴く』

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       今の美術業界を考える(その951)

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地球がまわる音を聴く        2022年11月12日
                          森美術館
              
 ネットで予約して、六本木の森美術館にいって参りました。久し
 ぶりに伺うので、事前予約をしないと入れないかと思い、ネット予約
 をした上で、伺いました。久しぶりに伺う、森美術館は同時開催で
 ‘ベルサイユのばら’と‘富樫義博展’が実施されており、その観客
 が非常に多く驚きました。

 サブタイトルの、‘パンデミック以降のウエルビーイング’という
 言葉に惹かれて、本展覧会を伺いました。展覧会のタイトルになって
 いる‘地球がまわる音を聴く’というのはアーティストのオノ・ヨ
 ―コさんのインストラクション・アートからの引用です。意識を
 壮大な宇宙へと誘い、私たちがその一部に過ぎないことを想像させ、
 新たな施策へと導いてくれる言葉です。

 今回の展覧会は2020年以降、目に見えないウイルスによって日常
 が奪われ、私たちの生活や心境が大きく変化しました。このような
 状況のなか、さまざまな芸術表現がかつてない切実さで心に響いて
 きます。この展来会では、パンデミック以降の新しい時代をいかに
 生きるか、心身ともに健康であるウエルビーイングとは何かを、現代
 アートに込められたさまざまな視点をとおして考えています。

 本展覧会は、芸術家がこのパンデミックをどのように捉えたのか
 を拝見することができ、改めて芸術家の仕事とは今の社会を自由な
 発想で表現することなのだと再確認させてもらいました。特に、現代
 アートという分野においては、自分の考えをビジュアルで表現して、
 ノンバーバルコミュニケーションで直感的に相手に伝えるものですから、
 後で、横のキャプションを拝読して納得する作品も多く見受けられ
 ました。

 私が個人的に興味を持った作品はミルストーンという作品でドイツの
 ヴォルフガング・ライブという作家が制作した作品です。白い大理石の
 上に、毎日、新鮮な牛乳を載せるという作品です。人の手を加えることで
 作品を維持するという考え方が、日本の伊勢神宮の遷都に通じるものが
 あるということです。永遠ということを考えた時に、一般的に西洋人は
 、作ったものを修復して古いままのものを良しとしますが、パンデミック
 の後だからかはわかりませんが、日本人のように、人の手を介して、同じ
 状態を維持し続けることで永遠を実現させる感性が西洋人にもあることが
 今回の展覧会での新しい発見でした。

 

                         
                      文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075