メールマガジン/ブログ - 最新情報

2022年11月26日発行
柳画廊

『展覧会 岡本太郎』

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

       今の美術業界を考える(その953)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
展覧会 岡本太郎          2022年11月26日
               東京都美術館 12月28日まで
              
 上野の東京都美術館で開催している岡本太郎展を拝見してまいり
 ました。銀座柳画廊の目の前の数寄屋橋公園の中に、岡本太郎
 生誕100周年(2011年)を記念した「若い時計台」の作品
 がありますし、何より私の子どもの頃には、「芸術は爆発だ!」
 という言葉とともに、よくテレビにも出演されていた岡本太郎
 さんを身近に感じておりました。
 
 しかしです。画商として28年働いておりますが岡本太郎さんの
 作品を扱ったことは残念ながら一度もありません。何故ならば、
 岡本太郎さんは作品は売るものではないという考えをお持ちの方
 だったようです。自分の作品が個人のお客様の手元にいくと、
 その人にしか見てもらえないものになってしまい、多くの方の眼
 に触れる機会が減ってしまうため、美術品は公共のものであると
 いう考え方から、パブリックアートというか、公園とか壁画とか
 多くの人の眼に触れるところの仕事を好んでされていたと伺って
 います。

 また、工業デザインの走りでもあり、展覧会の中でも展示されて
 おりましたが、ネクタイのデザインから工業品のデザインなども
 されていたようです。

 今回、岡本太郎さんの人生と作品の全貌を拝見して、バラバラに
 あった知識がひとつのものに繋がった気がしています。職業を聞か
 れると「人間だ!」と答えるような、一見理解しがたいものが、
 非常に奥深い意味を持っている言葉であり、岡本太郎さんの言葉
 を集めたものや、著書なども何冊か購入させていただきました。

 漫画家の父親と、歌人で小説家の母を持ち、慶応の幼稚舎から芸大
 に進む恵まれた環境で、18の時に親の都合でフランスのパリに行き、
 そのまま第二次世界大戦前のパリに10年間一人で暮らしていた
 そうです。
 芸術家としては恵まれた環境の中、戦争にも駆り出され、戦後の日本の
 価値観の大きな変化の中で、表現者として正直に純粋にパワフルに生きた
 方なのだと思います。

 改めて岡本太郎さんの本当の姿にこの展覧会で出会えたようでとても嬉しく
 思っています。これから買い込んだ、岡本太郎の著書、言葉などなど、彼の
 生きた時代背景から、もっと深く、岡本太郎さんを研究しようと思います。
 この展覧会が私にとって、岡本太郎さんとの出会いになったことに感謝と
 ご縁を感じています。


 
                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
03-3573-7075