2023年01月28日発行
柳画廊
『黒と白展』
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今の美術業界を考える(その962)
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黒と白展 2022年1月28日
ヴァロットン 三菱一号館美術館 1月29日まで
画廊の隙間の時間を見つけて、最終日の近くに三菱一号館美術館
で開催しているヴァロットン展を拝見してまいりました。木版画
で、黒と白のポスターが気になっていて、必ず行こうと思っていた
展覧会です。
スイス生まれのヴァロットン氏は、1865年から1925年
にパリで活躍された画家です。黒一色のその世界は独特の世界
観をもち、同時代に活躍されたロートレックや日本の浮世絵など
にも影響を受けたのは間違いないと思います。
今回の展示は、三菱一号館が映像なども導入し、ヴァロットンの
作品がデザイン性に富んでいるということと呼応するように展示
の方法も普段とはちがって、デザイン的というか個性的な展示を
されておりました。
掘り出された人間ドラマと書かれているように、描かれている男女
のシーンはなまめかしく、人間模様を想像させるような作品が多く
残っています。
もうひとつ、私が興味をもったのは、このヴァロットンの作品には
多くの画家やデザイナー、漫画家なども影響を受けているのでは
ないかということです。非常にデザイン的な作品をつくる彼の作品
を拝見していると、なぜか‘のらくろ’の漫画を思い出しました。
黒と白の世界にデザイン性とストーリーを感じさせるヴァロットン
の世界は、非常にインパクトが強く、昨年からこの展覧会には
いかなければとずっと思っておりました。
美術の世界は理屈ではなく、何か心にひっかかり気になるという事が
非常に重要で、私にとって全く知らなかった作家ではありますが、
今回、三菱一号館でご縁をいただき、これから色々とヴァロットンの
情報が入ってくるようになるのだと思います。
もしかすると、このように展覧会を拝見してコラムを書くことで、近い
将来、ヴァロットンの作品を購入する機会もでてくるかもしれません。
それが画商という仕事の面白いところであり、ご縁と知識が仕事に繋
がる楽しい世界だと思っています。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075
今の美術業界を考える(その962)
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黒と白展 2022年1月28日
ヴァロットン 三菱一号館美術館 1月29日まで
画廊の隙間の時間を見つけて、最終日の近くに三菱一号館美術館
で開催しているヴァロットン展を拝見してまいりました。木版画
で、黒と白のポスターが気になっていて、必ず行こうと思っていた
展覧会です。
スイス生まれのヴァロットン氏は、1865年から1925年
にパリで活躍された画家です。黒一色のその世界は独特の世界
観をもち、同時代に活躍されたロートレックや日本の浮世絵など
にも影響を受けたのは間違いないと思います。
今回の展示は、三菱一号館が映像なども導入し、ヴァロットンの
作品がデザイン性に富んでいるということと呼応するように展示
の方法も普段とはちがって、デザイン的というか個性的な展示を
されておりました。
掘り出された人間ドラマと書かれているように、描かれている男女
のシーンはなまめかしく、人間模様を想像させるような作品が多く
残っています。
もうひとつ、私が興味をもったのは、このヴァロットンの作品には
多くの画家やデザイナー、漫画家なども影響を受けているのでは
ないかということです。非常にデザイン的な作品をつくる彼の作品
を拝見していると、なぜか‘のらくろ’の漫画を思い出しました。
黒と白の世界にデザイン性とストーリーを感じさせるヴァロットン
の世界は、非常にインパクトが強く、昨年からこの展覧会には
いかなければとずっと思っておりました。
美術の世界は理屈ではなく、何か心にひっかかり気になるという事が
非常に重要で、私にとって全く知らなかった作家ではありますが、
今回、三菱一号館でご縁をいただき、これから色々とヴァロットンの
情報が入ってくるようになるのだと思います。
もしかすると、このように展覧会を拝見してコラムを書くことで、近い
将来、ヴァロットンの作品を購入する機会もでてくるかもしれません。
それが画商という仕事の面白いところであり、ご縁と知識が仕事に繋
がる楽しい世界だと思っています。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075