2023年03月11日発行
柳画廊
『山種美術館』
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今の美術業界を考える(その968)
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山種美術館 2023年3月11日
今回は山種美術館のご紹介をしたいと思います。丁度、本日より
5月14日まで「富士と桜〜北斎の富士から土牛の桜まで」という
展覧会が開催されます。
山種美術館とは色々とご縁がありまして、最初に美術館にお伺いした
のは、まだ茅場町に山種美術館があるころでした。山種美術館は
山種証券という証券会社のオーナーが作られた美術館ですので、会社
の近くというか一部に美術館を作られていたのだと思います。
こちらの美術館は日本画の収集で有名でして、当時から素晴らしい
横山大観の数々と、速水御舟の「炎の舞」が大好きで、自宅が近所
なため、度々伺っておりました。
その後、場所を三番町に移され、少し遠くなったので、美術館に行く
足も遠のいておりました。そんな時に、当時の美術館館長のお嬢様で
いらしゃる(現・館長)山崎妙子さんが大学の先輩だということを
知り、慶應を卒業されてから芸大に行き、速水御舟の論文を書かれて
いらっしゃることを、美術業界の先輩から伺っておりました。
当時、館長でいらした山崎富治さんは、アークヒルズクラブのメンバ
ーでもあり、メンバーズパーティなどで、ご挨拶をさせていただいて
おりました。お嬢様が速水御舟の勉強をされていること、将来は美術
館運営に興味を持たれていらっしゃることなどを、富治さんから伺い、
たまたま、大阪の義父ともご縁があるということで、一緒に三番町の
山種美術館に伺い、富治さんから妙子さんをご紹介いただきました。
そうすると、不思議なもので、経営者の勉強会で山崎妙子さんとご一
緒する機会ができたり、大学時代の仲良しが山崎妙子さんと同じサー
クルにいたというご縁で、一緒にご飯を食べるようになりました。
そして、先日も山種美術館にお伺いすると、若手作家も応援している
ことを知り、知り合いの日本画家を山種美術館が応援していることを
拝見して、嬉しく感じておりました。
美術の仕事をしていると、焼きもちと嫉妬が渦巻く世界ではありますが、
人とのご縁を大切にしていると、それがつながっていくのが面白いと感じて
います。はたから見ると、ずるいと思われるような恵まれた環境にいると
感じる方も、その人なりに見えない所で努力をされており、見えない所
で、必ずそれに値する苦しい思いもされているのだと思います。
美術の仕事は華やかに見えるだけに、その部分だけがクローズアップされ
ますが、その分、厳しい思いをされていらっしゃる方が多いのだと確信して
います。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075
今の美術業界を考える(その968)
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山種美術館 2023年3月11日
今回は山種美術館のご紹介をしたいと思います。丁度、本日より
5月14日まで「富士と桜〜北斎の富士から土牛の桜まで」という
展覧会が開催されます。
山種美術館とは色々とご縁がありまして、最初に美術館にお伺いした
のは、まだ茅場町に山種美術館があるころでした。山種美術館は
山種証券という証券会社のオーナーが作られた美術館ですので、会社
の近くというか一部に美術館を作られていたのだと思います。
こちらの美術館は日本画の収集で有名でして、当時から素晴らしい
横山大観の数々と、速水御舟の「炎の舞」が大好きで、自宅が近所
なため、度々伺っておりました。
その後、場所を三番町に移され、少し遠くなったので、美術館に行く
足も遠のいておりました。そんな時に、当時の美術館館長のお嬢様で
いらしゃる(現・館長)山崎妙子さんが大学の先輩だということを
知り、慶應を卒業されてから芸大に行き、速水御舟の論文を書かれて
いらっしゃることを、美術業界の先輩から伺っておりました。
当時、館長でいらした山崎富治さんは、アークヒルズクラブのメンバ
ーでもあり、メンバーズパーティなどで、ご挨拶をさせていただいて
おりました。お嬢様が速水御舟の勉強をされていること、将来は美術
館運営に興味を持たれていらっしゃることなどを、富治さんから伺い、
たまたま、大阪の義父ともご縁があるということで、一緒に三番町の
山種美術館に伺い、富治さんから妙子さんをご紹介いただきました。
そうすると、不思議なもので、経営者の勉強会で山崎妙子さんとご一
緒する機会ができたり、大学時代の仲良しが山崎妙子さんと同じサー
クルにいたというご縁で、一緒にご飯を食べるようになりました。
そして、先日も山種美術館にお伺いすると、若手作家も応援している
ことを知り、知り合いの日本画家を山種美術館が応援していることを
拝見して、嬉しく感じておりました。
美術の仕事をしていると、焼きもちと嫉妬が渦巻く世界ではありますが、
人とのご縁を大切にしていると、それがつながっていくのが面白いと感じて
います。はたから見ると、ずるいと思われるような恵まれた環境にいると
感じる方も、その人なりに見えない所で努力をされており、見えない所
で、必ずそれに値する苦しい思いもされているのだと思います。
美術の仕事は華やかに見えるだけに、その部分だけがクローズアップされ
ますが、その分、厳しい思いをされていらっしゃる方が多いのだと確信して
います。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075