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2023年05月13日発行
柳画廊

『有田巧フレスコ画展』

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       今の美術業界を考える(その977)

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 有田巧フレスコ画展          2023年5月13日
       銀座柳画廊にて開催中     5月27日まで
               
 銀座柳画廊で第3回目となる有田巧先生の個展を5月12日より
 開催しています。フレスコ画というのは、壁画の手法でして、
 画廊で展示するためにはストラッポという非常に面倒な手間を
 かけて壁をはがしてキャンバスに移しています。

 その工程は銀座柳画廊の公式YouTube で公開しています。今回も
 有田巧先生の取材をしてユーチューブ公開を予定しています。
 このフレスコ画の魅力はなんといっても画面のマチエールだと
 思っています。マチエールとは、画面の風合いというか、絵肌の
 調子というフランス語です。

 油絵具で描いた時の凸凹の感じや、水彩絵の具で描いた時の、
 画面の風合い、そして日本画でみられる画面の感じをガラス越し
 ではなく、生で見た時に違いを感じられると思います。特に油
 絵具ですと、絵具がたっぷり塗られて凹凸があったり、スーパー
 リアリズムの作家たちによる油彩画は、画面の表面はとてもなめ
 らかなものになっています。

 そうした中で、フレスコ画というのは最も日本画に近い絵肌をも
 っており、細かな砂壁に顔料を含ませたような雰囲気を持ってい
 ます。実際にフレスコ画というものはイタリアの教会の壁画として
 拝見された方が多くいらっしゃると思いますが、絵画としての歴史
 は古く、油絵よりも歴史があるために、多くの絵描きさんがチャレ
 ンジされていると思います。

 実際に絹谷幸二さんも若いころはフレスコ画を描かれておりましたが
 最近はもっぱらアクリル画を描かれています。本場のイタリアでも
 フレスコ画を描かれる作家はほとんどいないと伺っています。

 そういう意味においても有田先生のフレスコ画に対する愛情と執着は
 強いものがあり、フレスコ画ならではの風合いも楽しんでいただける
 ものと確信しています。

 すくなくとも、日本におけるフレスコ画の圧倒的な第一人者である有田巧
 先生の最新作を拝見できる貴重な機会だと考えています。是非、多くの方に
 ご高覧いただけますよう、銀座柳画廊でお待ちしています。
 

                         
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
           03-3573-7075