2023年05月20日発行
柳画廊
『ダムタイプ & アートを楽しむ』
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今の美術業界を考える(その978)
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ダムタイプ & アートを楽しむ 2023年5月20日
ARTIZON MUSEUM 5月14日終了
終了間際に日本橋のARTIZON MUSEUMにいってまいりました。昔の
ブリジストンミュージアムといった方がわかる方が多いかもしれ
ません。この美術館は、予約制で事前に予約をして入らないと、
基本的にはいれませんので(当日の枠があいていれば当日でも
入れますが、入れないリスクがあるのでお薦めいたしません。)
銀座から近くではありますが、なかなか行くのが大変です。
今回の展覧会は、ダムタイプという2022年のベネチアビエンナ
ーレの日本館に展示された作品の帰国展ということで行きたいと
思っておりました。また‘アートを楽しむ’はこちらの常設作品が
中心ではありますが、石橋財団の常設の充実ぶりは優れたものが
ありますので、併せていかなければと思っておりました。
実際に伺って、あまりの両極端な作品群を拝見して頭がパンパンに
なりました。いわゆる現代アートといわれるダムタイプというグルー
プの今回のプロジェクトには亡くなられた坂本龍一さんも参加されて
おり、気になっておりました。このダムタイプというグループは、
1984年の結成当時から身体テクノロジーの関係を独自な方法で
舞台作品やインスタレーションに織り込んでまいりました。
今回、ベネチアビエンナーレに出品されたという作品は、一言では
説明できませんが、私がその場所にいて感じたのは、‘あの世と
いうのはこういう感じなのだろうな‘ということでした。
言葉では説明できませんが、薄暗い中で様々な情報がテクノロジーを
通じて一度に入ってくるイメージでしょうか。似たような作品を
現代アートで体験したことがありますが、それもダムタイプの作品
だったのかもしれません。
悶々としてダムタイプの作品を拝見したあとに、‘アートを楽しむ’
というほんわかした作品群を拝見すると、私はほっとしました。
それは、ダムタイプの作品からは生と死のはざまを感じた後で、
生きる喜びを主題とした作品たちに囲まれた安堵感というのでしょう
か、自分は生きているんだという実感を取り戻したような気がいたし
ました。
それは、ARTIZON MUSEUMの意図したものかどうかわかりませんが、
アートが表現する普遍的なテーマとして生と死と愛に最近はテクノ
ロジーが加わっていると感じています。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075
今の美術業界を考える(その978)
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ダムタイプ & アートを楽しむ 2023年5月20日
ARTIZON MUSEUM 5月14日終了
終了間際に日本橋のARTIZON MUSEUMにいってまいりました。昔の
ブリジストンミュージアムといった方がわかる方が多いかもしれ
ません。この美術館は、予約制で事前に予約をして入らないと、
基本的にはいれませんので(当日の枠があいていれば当日でも
入れますが、入れないリスクがあるのでお薦めいたしません。)
銀座から近くではありますが、なかなか行くのが大変です。
今回の展覧会は、ダムタイプという2022年のベネチアビエンナ
ーレの日本館に展示された作品の帰国展ということで行きたいと
思っておりました。また‘アートを楽しむ’はこちらの常設作品が
中心ではありますが、石橋財団の常設の充実ぶりは優れたものが
ありますので、併せていかなければと思っておりました。
実際に伺って、あまりの両極端な作品群を拝見して頭がパンパンに
なりました。いわゆる現代アートといわれるダムタイプというグルー
プの今回のプロジェクトには亡くなられた坂本龍一さんも参加されて
おり、気になっておりました。このダムタイプというグループは、
1984年の結成当時から身体テクノロジーの関係を独自な方法で
舞台作品やインスタレーションに織り込んでまいりました。
今回、ベネチアビエンナーレに出品されたという作品は、一言では
説明できませんが、私がその場所にいて感じたのは、‘あの世と
いうのはこういう感じなのだろうな‘ということでした。
言葉では説明できませんが、薄暗い中で様々な情報がテクノロジーを
通じて一度に入ってくるイメージでしょうか。似たような作品を
現代アートで体験したことがありますが、それもダムタイプの作品
だったのかもしれません。
悶々としてダムタイプの作品を拝見したあとに、‘アートを楽しむ’
というほんわかした作品群を拝見すると、私はほっとしました。
それは、ダムタイプの作品からは生と死のはざまを感じた後で、
生きる喜びを主題とした作品たちに囲まれた安堵感というのでしょう
か、自分は生きているんだという実感を取り戻したような気がいたし
ました。
それは、ARTIZON MUSEUMの意図したものかどうかわかりませんが、
アートが表現する普遍的なテーマとして生と死と愛に最近はテクノ
ロジーが加わっていると感じています。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075