2023年09月02日発行
柳画廊
『荒川修作とマドリン・ギンズ』
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今の美術業界を考える(その994)
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荒川修作 + マドリン・ギンズ 2023年9月2日
セゾン現代美術館
今年の夏も、セゾン現代美術館にいってまいりました。暑い東京
から離れて、軽井沢の千ヶ滝にあるこの美術館はお庭もとても素敵
で、年に一度の展示替えというのも潔くて大好きです。
今回の企画は常設に加えて、荒川修作とマドリン・ギンズによる
意味のメカニズム、という展覧会でした。荒川修作氏は1936年に
名古屋で生まれ、1961年にニューヨークに渡ります。
マルセルデュシャンをはじめとする、多くのアーティストとの交流
の中から詩人であるマドリン・ギンズとパートナーとなります。
彼女と荒川修作が取り組んだテーマが‘意味とは何か’という問題
を荒川が作品を通して、マドリン・ギンズは言葉を通して追及します。
私たちは常に何かを感じ・考えておりますが、その多くは‘言葉’を通
した‘意味’についてです。この二人は、この意味については徹底的
に研究された結果が、この展示された‘意味のメカニズム’という
ものでした。
2007年に、この美術館のオーナーである故・堤清二氏はニューヨ
ークで二人にお会いされています。25年かけて、二人が完成させた
このプロジェクトが‘意味のメカニズム’なのだそうです。
作品は81点の大型平面と、44点のドローイング、写真と模型を加
えて総数127点にも及ぶ大プロジェクトです。
改めて、現代アートはコンセプトに意味があり、それを支えるパトロン
がいて、さらにはそれを鑑賞する場を提供されることで、作品として
命が吹き込まれるのだと思いました。
既に荒川修作氏は鬼籍に入っておられ、応援されていた堤清二氏も今、
この世にはおりませんが、彼らの活動を私たちは、セゾン美術館で拝見
することができるわけです。
かなり哲学的な内容で、今、拝見しても理解することは難しいと感じて
しまいますが、大自然の軽井沢でゆったりとした気持ちでこれらの作品
と向き合うと、少しわかったような気持ちになるから不思議です。
美術品と向き合う時は、心にゆとりが必要なのだと実感したひと時で
した。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075
今の美術業界を考える(その994)
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荒川修作 + マドリン・ギンズ 2023年9月2日
セゾン現代美術館
今年の夏も、セゾン現代美術館にいってまいりました。暑い東京
から離れて、軽井沢の千ヶ滝にあるこの美術館はお庭もとても素敵
で、年に一度の展示替えというのも潔くて大好きです。
今回の企画は常設に加えて、荒川修作とマドリン・ギンズによる
意味のメカニズム、という展覧会でした。荒川修作氏は1936年に
名古屋で生まれ、1961年にニューヨークに渡ります。
マルセルデュシャンをはじめとする、多くのアーティストとの交流
の中から詩人であるマドリン・ギンズとパートナーとなります。
彼女と荒川修作が取り組んだテーマが‘意味とは何か’という問題
を荒川が作品を通して、マドリン・ギンズは言葉を通して追及します。
私たちは常に何かを感じ・考えておりますが、その多くは‘言葉’を通
した‘意味’についてです。この二人は、この意味については徹底的
に研究された結果が、この展示された‘意味のメカニズム’という
ものでした。
2007年に、この美術館のオーナーである故・堤清二氏はニューヨ
ークで二人にお会いされています。25年かけて、二人が完成させた
このプロジェクトが‘意味のメカニズム’なのだそうです。
作品は81点の大型平面と、44点のドローイング、写真と模型を加
えて総数127点にも及ぶ大プロジェクトです。
改めて、現代アートはコンセプトに意味があり、それを支えるパトロン
がいて、さらにはそれを鑑賞する場を提供されることで、作品として
命が吹き込まれるのだと思いました。
既に荒川修作氏は鬼籍に入っておられ、応援されていた堤清二氏も今、
この世にはおりませんが、彼らの活動を私たちは、セゾン美術館で拝見
することができるわけです。
かなり哲学的な内容で、今、拝見しても理解することは難しいと感じて
しまいますが、大自然の軽井沢でゆったりとした気持ちでこれらの作品
と向き合うと、少しわかったような気持ちになるから不思議です。
美術品と向き合う時は、心にゆとりが必要なのだと実感したひと時で
した。
文責 野呂洋子
銀座柳画廊
http://www.yanagi.com
03-3573-7075