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2024年01月27日発行
柳画廊

『ゼロからわかる江戸絵画 』

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       今の美術業界を考える(その1015)

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ゼロからわかる江戸絵画        2024年1月27日
                  京都 福田美術館 終了
       
 コロナ時代に読書会で知り合いました、同い年の友人が会社を
 退職された後に京都に移り住み、趣味で福田美術館のお手伝いを
 されていらっしゃるとのことでしたので拝見してまいりました。 

 この美術館のコンセプトは、古来より多くの貴族や文化人に愛され
 芸術家たちが優れた美術品を生み出す源泉となった京都・嵐山。
 今は日本だけでなく、世界中からの人が訪れる観光地として知られる
 ようになり、美しい自然とともに日本美術の名品を楽しんでもらう
 ことで、嵐山が世界有数の文化発信地となることを願う、とあります。

 そのコンセプト通り、平日の昼間にお伺いしたにも関わらず多くの
 外国人観光客にあふれていて驚きました。その旨を友人に伝えると
 これでもまだ、紅葉が終わった時期なので落ち着いている方だとの
 ことでした。京都の観光地としての底力に心底、驚きました。

 作品に関して言えば、江戸絵画とあるように、若冲、北斎、そして
 最近注目している長沢芦雪の名品が並んでおりました。期待以上の
 内容であるとともに、最後には現代作家である品川亮さんの作品も
 楽しめる趣向となっておりました。

 まさしく江戸時代というものは、徳川幕府が戦争のない世の中を作っ
 たことで、日本の文化が花開いた時代でもありました。その時に、
 政治は江戸に移りましたが、文化の中心は引き続き京都にある時代
でもありました。くだらないという言葉は良いものは江戸にはいか
ないという意味で、使われました。

 狩野派や琳派といった絵師が京都で切磋琢磨している時代でもあり、
 多くの才能が生まれた良き時代だったのだと思います。さらに鎖国
 という事もあり、日本が独自の文化を追及していた時代ですから、
 そのころに醸成された日本文化がのちの時代である明治になって世界
 に日本が国を開いた時にはジャポニズムという形で世界を席巻する
 ようになったのだと思います。
 よく日本の近代は西洋のものまねだという日本人までもいらっしゃい
 ますが、そんなことは決してなく、日本人のDNAにはこの長く続いた
 鎖国のおかげで多くの文化的な遺伝子が私たち日本人の中に染み込んで
 いると感じています。

 この福田美術館のコンセプトにもある通り、京都の嵐山という場所で
 日本絵画を拝見することに意味があり、そこから私たちは新しい文化を
 育んでいることを理解して、これからの日本の美術について考えるのが
 正統な手法なのだと思っています。

                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
           03-3573-7075