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2024年02月10日発行
柳画廊

『印象派』

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       今の美術業界を考える(その1017)

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印象派                2024年2月10日
                東京都美術館 4月7日まで
       
 ボストンのウスター美術館の所蔵作品が中心の‘印象派’の展覧会
 を上野の東京都美術館で拝見してまいりました。このブログでは
 美術展のことを書くのが喜ばれるようですので、平日の朝の仕事
 時間中ですが社長にもお許しを頂いて、拝見してまいりました。
 書くことが多くあるときはダブるために、昨年、SOMPO Museumで
 拝観したゴッホ展などはコラムにしておりませんが、会期が終わっ
てしまっているので、書くのをためらっています。

 話がそれました。今回の印象派という内容の展覧会ですが、内容
 としては、アメリカのボストンにある美術館からの貸し出しです
 ので、フランスで起こった印象派という活動がどのようにして、
 アメリカに伝搬したのか、その時代背景も含めて紹介する内容と
 なっておりました。

 私の考察では美術の歴史というのは、ある意味では権力者の歴史で
 あって、美術史というもの自体が世界の権力構造を知る上で大きな
 意味があると思っています。そういう意味で、印象派という時代は
 世界の権力がヨーロッパからアメリカに移る時の芸術という作品
 を通して、歴史的な権力の移動を確認するものだと感じました。

 当時のアメリカ人にとって旅行というものはヨーロッパにいくこと
 だったそうです。パリのデュラン・リュエル画廊が印象派を
 新興国のアメリカに紹介することで、富を得るとニューヨークにも
 その支店をだし、アメリカにヨーロッパ文化を高い価格で普及させて
 いったのだと理解しています。

 そうした中で、世界中の芸術家をエコール・ド・パリという時代に
 パリに集めて、勉強したのちに自国に戻り一人者になるということ
 が行われました。今でもフランスは文化の力を国力と位置付けて
 いる国だと思います。その大きな力の源泉が印象派という芸術活動
 だったことは明らかなのだと感じました。
 今回の印象派の展覧会では、メアリーカサットなどを含む多くのアメ
リカ人の印象派の作品も展示される中に、ウスター美術館の所蔵のもの
ではありませんでしたが、印象派に影響を受けた日本人の作家も併せて
紹介されておりました。

少し気になったのは、全体として会場に対して集めた作品の数が少ない
のかな??? と思いましたが、この展覧会から学ぶことは多く、
経済的に成功された方が地域への社会貢献として美術館を作る流れは
アメリカで盛んにおこなわれている活動で、日本にもその影響を受けた
経済人が出てきていることも喜ばしいことだと思いながら、この展覧会
を拝観させていただきました。

銀座柳画廊にこの展覧会カタログも置いてありますので、ご興味のある
方はカタログを拝見しに画廊にこられるのも歓迎しています。


                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
           03-3573-7075