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2024年08月03日発行
柳画廊

『パリオリンピック2024』

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       今の美術業界を考える(その1043)

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パリオリンピック2024        2024年8月3日
              
 ハンドボール協会からの依頼もありパリオリンピックに参加して
 います。男子日本代表のハンドボールの試合は全て観戦する予定
 にしています。

 結果にこだわらなければいけない勝負の世界で日本男子代表は、
 なかなか苦戦しています。やはり、こういう世界の檜舞台にたって
 結果をだしていくには、選手だけの頑張りではなく、周りの人も
 一丸となって勝つためのモチベーションが必要なのだと思いました。

 中でも感激したのは、フランス人の自国民の応援です。日本人です
 と、日本で国際大会をする場合には相手国がアウエーになることを
 意識して、それなりの数の相手国の観客を大使館経由で呼ぼうと
 したり、MCもアウエー感をださないように配慮したりいたします。

 ところがフランスでは容赦ありませんでした。フランスのハンドボー
 ルの試合は拝見しておりませんので、よくわかりませんが柔道の試合
 を見て驚いたのは、フランス人が出場しない対戦は決勝戦であっても
 開場の盛り上がりは、フランス人が参加する3位決定戦の方が、
 圧倒的に盛り上がっているのです。

 それは身びいきではあったとしても会場にいると、当然の感情なのだと
 いうことを理解いたします。もちろん、MCなども多少の配慮は
 いたしますが、フランスで行われる試合ですからフランス人の応援が
 多いのは当たり前のことで、それを無理に押し殺そうとする配慮が
 行き過ぎると大会の盛り上がりに欠けるのだと思います。

 柔道など、日本の武道といわれるものは、勝った方が露わに勝利の
 喜びを表現することをはしたないとして、日本国内の試合などでは、
 大きな声で勝利の後で喜んだりすると、その勝利が取り消しになって
 しまうという話を聞いたことがあります。

 日本人はそのような価値観を国民全体で共有しておりますが、オリン
ピックのような会場で多くの違う文化を持つ人たちと戦いの中では、
それは通用いたしません。

ビジネスや絵画の世界でも同じだと感じていて、日本人は日本人の中で
通用するための多くのマナーや文化があり、それを乗り越えないとトップ
にはなれませんが、日本の外にでて海外の人たちと戦うことになった場合
はルールが違うということを理解しなければ勝てないのだと思います。

              
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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