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2025年06月28日発行
柳画廊

『我が国の文化政策とコンテンツ産業の振興について』

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      今の美術業界を考える(その1090)

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我が国の文化政策と          2025年6月28日
コンテンツ産業の振興について        都倉俊一 講演                         
       
 先日、機会を頂きまして、文化庁長官の都倉俊一さんの講演を
 伺う機会がありましたので、皆様と共有いたします。

 あまりにも数字を交えた素晴らしい内容ですので、私も目から鱗
 でした。まず、日本のコンテンツ産業の輸出規模ということですが、
 実に約5.8兆円。日本の半導体が 約5.5兆円。鉄鋼が約
 4.5兆円ということで、自動車が約22兆円ということですから、
 将来性も含めて伸びしろがいっぱいだと思いませんか?

 自動車や半導体、鉄鋼などは国の支援や、教育の後押しなどもあり
 ますが、日本のコンテンツは今までの使用料の合計ということですが
 世界第一位はポケモンで 1470億ドル(約20兆円)二位が
 ハローキティの890億ドルということですが、おどろいたのは、
 ミッキーの凌ぐ使用料を稼いでいるということです。ちなみに、
 ミッキー&フレンズは第4位で700億ドルということですので
 実にポケモンの半額以下なのです。日本にいると、実感がわきません
 し、ミッキーばかりが目につきますが、日本人はもっと日本のコン
 テンツに自信をもってよいと思っています。

 日本の抱えるコンテンツはアニメだけでなく、実は演劇、ファッション、
 映画、音楽、ゲーム、伝統芸能、もちろんアートを含めてはかり
 しれない可能性を秘めています。驚いたのは、ロンドンで「千と千尋の
神隠し」が舞台になり、世界的な演劇賞であるローレンス・オリビエ
賞で4部門にノミネートされたということです。

文化庁長官の都倉俊一さんは音楽出身の方ですから、当然、音楽行政
に力をいれておられます。音楽業界の主要5団体が垣根を越えて
一般社団法人 カルチャー・アンド・エンタテイメント産業振興会
という組織をたちあげられ、MUSIC WAY PROJECTということで、本質的
な日本音楽産業のグローバル化を目指して、トヨタグループと共創プロジェ
クトをこの社団法人と勧められています。

改めてリーダーの大切さを感じます。都倉さんも日本の文化の実力につい
ても言及されておられ、世界のアート市場に対して日本のシェアが低すぎ
ることに問題意識を持っておられました。

そのためにも、文化庁・スポーツ庁・観光庁が一緒になり文科省の設立を
となえておられ、私も微力ながら全力で戸倉俊一さんを応援したいと
思っています。

      

              
                       文責  野呂洋子
                       銀座柳画廊
                       http://www.yanagi.com
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