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【北口店通信】


RSW01-TYCH ¥10,800税込

商品紹介記事作成の度に注視―観察―発見をしています。

T&Yのスイングリングは三種類あって全てにTYアローでおなじみのチャーム(TYCH)がセットされているのですが支店に置いてあるのが、僕、というか男性には試着出来ない小ささ(8号)だったので詳しくみてませんでした。

ふと、小指なら嵌まるな…‥とつけてみたら――立体造形センスに強い既視感と愛着を覚えます。

この「人間の三次元空間認識力の限界」に挑戦しているような複雑な面のとり方(どこがどことつながっているかぐるっと回してみても僕の認識力では頭の中で再構成できません)、その複雑さを最小のパラメタで描くような滑らかな線。

これは「T&Yのデザインといったらこれ」と僕に刷り込まれているBGEG01の要素ではないですか。複雑に割った面を融合させて表面全てを曲面に構成しなおしたのがBGEG01だともわかります。

これは。これはイーグルなの?それとも曲線の美しさを突き詰めたらイーグルの抽象へと収斂したの?

「シンプル」を複雑に組み合わせたその組み合わせを選択するセンスが生み出す象形の流麗さがT&Yデザインの最大の特徴の一つであることは間違いないのですが、ここまでの普遍さに到達しているとまでは思ってませんでした。

この指輪が実際イーグルを表しているかどうかは重要ではありません。朋未さんに確認してみることもあえてしませんでした。村田高詩の持つ美がイーグルの高度な抽象化と一致したのだという解釈が可能なくらいの極みが指輪という――それもこういってはなんですがそこまでメインではない――アイテムの一つに結晶している、ただそれだけなのです。

 村田高詩の曲線に特徴があることはなんとなく気がついていました。それらの「なんとなく」な特徴が、RSW01を手に持ち感覚することで高い次元で支店にディスプレイされる作品群に浮かび上がってみえるようになりました。まるで異なる周波数分離フィルタを与えられた様に(「緑」しか認識できなった人が青と赤の色が見えるようになった等)今ではカウンター越しにケースのアイテムに目を向けるだけでも、曲線が浮かび上がってみえるのです。

映画「マトリックス」終盤で主人公が覚醒することで視覚情報=世界の「意味」を理解するというシーンがあります。かたや世界、かたや一デザイナ作品群と規模こそ大きく異なりますが世界は世界、僕の身に起こった事もそれと同一です。 「なんか難しい様に書いてるけど、単に作家性がやっと少しわかったって事でしょ」。 その通り。その興奮を高揚感をそのまま文にぶつけてみました。半年後に読み返して「恥ずかしい!死にたい!」とのたうちまわる自分がまざまざとまぶたに浮かびますが、構わぬ殺せ。冷静になったらこの感覚は二度と文章化出来ないため、思いついたことの垂れ流しの記事とさせて頂きます。

リングの形状がイーグル、又はイーグルと共通のシェイプの延長にあるとすればパーツを取り付ける穴が開いているのは「くちばし・頭部」にあたると言えます。この穴を他のスイングリングRSW02,03と同じ向きにすれば丸カン一つだけを間に挟む事でTYチャームを他二種と同じ様に正対させる事が出来た筈です。RSW01ではわざわざ丸カン二つを繋げ穴の捩れを解消しています(丸カンを偶数個使うか、直に取り付けない限りチャームは90度捩れてしまう)。「くちばし部」のデザインが先にありきな事がわかります。

このRSW01ほど角度を変えるごとに様々の表情を見せ高いレイヤーでメッセージを伝えてくる指輪は今まで紹介したものにはありません。同時にこののちに既存のアイテムを再観察すればさらなる発見があるのではと期待もします。

僕みたいに偏執的に深読みするもよし、ひたすらに表面の美しさを楽しむもよし。指輪というカテゴリに留まらず40thイーグルバングルと同じくT&Yを象徴する作品と言える存在です。

それで結局試着写真は無いのかって?あります。続きにご期待あれ。


photo & text by shige-kun