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遠方のお客様から、娘さんの二十歳のお祝いにとネックレスのご注文を頂いた。
トップの裏にご両親からの、短いメッセージを彫り入れる。
二十年という、長いようなあっという間のような時間のことを思う。
まだ会ったことのない、二十歳の娘さんのこの先の未来が優しくあかるいものでありますように、と願う。

またある日はご来店のお客様の三人のお子さんの誕生月トップの裏に、生年月日と名前と、歳を刻んだ。
まだ、小さいこの子たち。
これからどんなことがあるだろう。
大人になるまで、ずっと持っていてくれたらいいな。
どこかにしまって忘れてしまって、ある日ふと見つけて、「これ、なんだっけ…?」
「これはね、お前が◯才の時にお父さんがお店で彫ってもらったんだよ。ほら、裏を見てごらん」
なんていうのもいいな。
妄想は広がる。

いずれにしても、この小さい、若い人たちの未来があかるく楽しいものであって欲しいと思う。そういう世界であって欲しいと願う。

またある日には、若いお客様が
「おじいちゃんにあげるんです。」
と、フェザーを買いにいらした。
「おじいちゃん、いつも僕のフェザー羨ましがってて。欲しいって言うんです。」
と若い人は言った。
私の父と同じくらいの歳のおじいちゃん。
裏に、ご本人のご希望ということで生まれ年とお名前を入れた。
後日、孫から贈られたフェザーネックレスを着けて満面の笑みを浮かべるおじいちゃんの写真が送られて来た。
とてもとても嬉しそうで、胸がいっぱいになる。

ご家族と離れて暮らすことになったお父さんのバックルに家族の数だけイーグルを入れたこともあった。

生まれたばかりの赤ちゃんのネックレスにも名入れをした。
赤ちゃんのお母さんの友人たちからの贈り物。

ご自身の小さな記念に、これからも頑張るためにと、指輪の裏にお客様の好きな言葉を入れたこともあった。

亡くなられた方のお名前を彫り入れたこともあった。いつも一緒に居られるように、と。

父の作ったジュエリーが、数えきれぬほどの暖かい想いを乗せて、沢山の方の人生の様々な節目や記念に立ち合い、寄り添ってゆく。

お会いしたことのある方もない方も、小さい方も若い方も同世代の方も、歳上の方も、男性も女性も、どちらでもない方も。

みなさんの幸いを心から願いながら、
なんだか途方もない気持ちになった。

photo & text by Tomomi 
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