2017年02月17日

〜パーカッションアンサンブル〜(2/11) IKAFLY=ユカポン・藤本亮平・齋藤綾乃・遠藤百合加(per&mar&drs) ゲスト:緒川舞・カンヌ(dancer)

IKA3結成7年目、1年ぶり2度目のWUU出演となったパーカッションアンサンブルユニット「IKAFLY(イカフライ)」。ステージ中央に向かい合わせのマリンバ2台、左にドラムセット、右にパーカッションセットその他モロモロ、ステージいっぱいに「叩き物&鳴り物」を配置して、賑やかな演奏を届けてくれました。
メインでMCを務めたIKAFLYのリーダー、ユカポンさんは、底抜けに明るい方。楽しいおしゃべりとパワフルな笑い声で、ステージを盛り上げていきます。そんなユカポンさんを心をひとつにするのは、ダイナミックなマレットさばきで目を引きつけた柏出身の藤本さん、おもちゃの鳴り物も駆使して華麗な演奏を聴かせてくれた齋藤さん、数えきれないくらいのパーカッションを手にクールな音色を紡ぎ出した遠藤さん、そして、この日の登場はかないませんでしたが、作曲&アレンジに専念して活動する三好啓太さん。「パーカッションの楽しさを少しでも伝えられたら」(藤本さん・談)という5人の気持ちが、至るところに散りばめられたライブでした。
例えば、ピアノや弦楽器、電子楽器などを使わずマリンバと打楽器だけで演奏するというスタイルもそうですし、バラエティ豊かな選曲&オリジナルアレンジ、歌やダンスを取り入れたこともそう。グループ名にちなんだイカの人形で楽器を装飾し、さらには、イカのかぶりもので歌い演奏する場面も。「米米CLUBのような、ダンサーのいるコミックプログレバンドを目指す」というユカポンさんの発言に「まさしく」と頷いてしまうほどの徹底ぶりです。
1部はIKAFLYメンバーによるテクニカルなステージ、2部はゲストも交えて、テクニカル&フェスティバルのようなステージ、アンコールでは会場一体となったステージから、ピックアップして曲をご紹介します。

♪今日の料理
1曲目は、だれもが耳にしたことのある曲。マリンバの音色が軽快な料理番組のテーマをオリジナルアレンジで聴かせてくれました。おもちゃの鳴り物が、いいアクセント。ユカポンさんいわく、今日の料理は「地中海風」とのことですが、イタリアン、中華風、和風などもあるのでしょうか。各国料理、味わってみたいものです。

♪グラニオンダンス(作曲/shezoo)
WUUでもライブを重ねているトリニテを率いるshezoo(シズ)さんの曲は、IKAFLY初演。shezooさんと一緒に演奏活動もしているユカポンさんいわく「shezooさんの曲は、とっても難しいんです。でも、やります!」。整然→混沌→整然という流れで構成された曲は、12拍子と13拍子が繰り返されていたとのこと。作曲したshezooさん、演奏しきったIKAFLY、ブラボーです。

♪ラデッキーボッサ
お馴染みの「ラデッキー行進曲」をボサノバ風のアレンジで。確かなテクニックあればこその遊び心がナイス。

♪イカ大王体操第2
衣装を替え、イカのかぶりものを頭に、見た目でも楽しませてくれた2部の1曲目。藤本さんが歌い、オールディーズ風の衣装に身を包んだダンサー2人が華を添えたステージは、学園祭のような開放感いっぱい。

♪それでも僕らは階段をのぼってゆく
作曲・アレンジ担当の三好さんが、メンバーの誕生日を祝って作った曲。さりげなく散りばめられた「ハッピーバースデー」のメロディー、アレンジ、曲調に、愛を感じました。

♪恋
ユカポンさんのボーカルにて。もちろんダンサー2人による「恋ダンス」つき。パーカッションの伴奏に乗せて歌い踊るという趣向が、新鮮でした。

♪トリステーザ
アンコールは、ユカポンさんが参加する別ユニット「テルンバ」から、テノール歌手の田中翔さん、ホルン奏者の松嶋絵里奈さんも加わり、総勢8人&観客全員で。サンバホイッスル、回るミラーボール、ラララーの大合唱――IKAFLYが、みんなをひとつにしてくれました!

マリンバ2台と数多くのパーカッションを運び込んで楽しませてくれたライブ。その裏には、運搬の苦労があるとのことですが、打楽器オンリーだからこその味わいは貴重。ぜひたくさんの方に聴いてほしいなあと思いました。また会える日が楽しみです♪

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文/フリーライター たいらくのぶこ


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2017年02月10日

【ピックアップWUUライブ!/3月】

♪花粉の季節……ですが、ライブのためならエンヤコラ! マスクやメガネでガード、万全の態勢でWUUへGO♪
(詳細は、WUUのHP「スケジュール」にてご確認ください→http://www.wuu.co.jp/)

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♪3月2日(木曜日)
■後藤まさる(vo,gt,per) ■オラン(acco,vo)
●Open 18:30 Start 19:30
●予約¥2500 / 当日¥2800 +ドリンク代

独自の音楽活動で名を馳せた「上々颱風(シャンシャンタイフーン)」のメンバーだった後藤まさるさんと、インストゥルメンタルバンド「パナシェ」でメジャーレーベルからCDをリリースした経歴を持つオランさんの2メンライブ。お2人の名前が並んでいるだけで、そこに出現するのであろう独特の異空間が目に浮かぶようです。ありのままでいながら、個性的な世界を創出できるのは、持って生まれた感性ゆえでしょうか。ステキな音楽で、日常にアクセントを♪

*****
♪3月16日(木曜日)
あんみつる☆2017
あんみつる=安藤正容(g) みくりや裕二(g) 須藤 満(b)
●Open 18:30 Start 19:30
●前売・予約¥3800 / 当日¥4300 +ドリンク代
※入場整理番号付き

「あんみつる」が、2017年のツアーの一環でWUUに登場です。「あんみつる」とは……メンバーを見ればおわかりの通り、共通項は、T-SQUARE。日本のフュージョンといったら、真っ先に名前が挙がるバンドです。現在もそのリーダーを務める安藤さんと、かつて在籍していたみくりやさんで結成したのが、ギターデュオ「あんみつ」。そこに、やはり元メンバーの須藤さんが加わると「あんみつる」。3人が奏でる、T-SQUAREとはまた違った音楽、ぜひ触れてみてください♪

文/フリーライター たいらくのぶこ
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2017年02月08日

「岡林信康 弾き語りライブ」(1/29) 岡林信康(vo,gt)

岡林信康
1968年にデビューして一世を風靡、「フォークの神様」と呼ばれて若者の信望を集めた岡林信康さん。その数年後には表舞台から姿を消して農耕生活を営むなど、安定して音楽活動を続けてきたわけではない……にも関わらず、凛としたカリスマ性は顕在でした。
ライブ開始直前、会場の照明が落ちると同時に、期待感でざわめく客席。「待ってましたー!」の声が上がる中、精悍な顔つきの岡林さん、登場です。昨年70歳になったそうですが、そうとは思えないシュッとしたスタイル、澄んだ歌声。ギターとハーモニカというシンプルな構成で、観客をぐいぐい引き込んでいきます。
かと思えば、MCは、なんともおちゃめで気さく。私の中では、日雇い労働者の心情をテーマにした「山谷ブルース」、同和問題を歌ったという「チューリップのアップリケ」の印象が強く、どことなく近寄りがたいイメージがあったのですが、なんのその。客席のやり取りにチャチャ入れしたり、ツアーの思い出話に花を咲かせたり、爆笑の連続です。
が! 冗談交じりの語りの中に、「命」を見つめる岡林さんの静かな眼差しがあったことも事実です。お父様の人生と重ね合わせた自分の生き方、引きこもって送っていた農耕生活、ロックに傾倒した音楽活動のこと、最新作のテーマにしたお孫さんのこと。岡林さんの根底には常に「生きること」への問いかけがあります。だからこそ多くの若者の共感を呼んだのだと、今にして思い知らされました。
一昨年「やりたいだけコンサートをしておかないと、歌えなくなったときに後悔するのではないか」という思いから、ギター1本で弾き語りツアーを開始したという岡林さん、そのステージから、演奏曲の一部をご紹介します。

♪山谷ブルース
盛り上がった1曲目に続き、さらに盛り上がろうとした2曲目。歌い出しと歓声のタイミングが微妙にずれて、岡林さんからのダメ出しが! 「私のたったひとつのヒット曲なんだから」と笑わせつつ仕切り直しとなりましたが、こんな交流もライブならでは。
歌詞が描き出すのは今とはまったく違う時代であり環境ですが、その底に流れる人々の心情は、何も変わっていないような気がしました。

♪流れ者
テーマは、飯場で生きていた人々。劣悪な環境で労働に従事していた人は、今、どうしているのだろうと思いつつ――岡林さんも、そんな場に身を置いた経験のある方です。哀しく響くハーモニカに、涙。

♪26ばんめの秋
歌うことをやめるつもりでいた岡林さんが、引きこもって2年ほど経ったころのこと。何とはなしにギターを手にして生まれたのが、「26ばんめの秋」だそうです。「26歳のとき、この歌が生まれなかったら、今日という日はなかった」と語る岡林さん。歌から離れていた日々のあふれる思いが詰まっていました。

♪さよならひとつ
いちばん新しい歌は、お孫さんとの交流がテーマ。受け継がれていく命に相対する“じいじい”の優しい視線がステキです。

♪モンゴルの草原
モンゴルの草原でライブをしたときの思い出を綴った歌。行ったことのないモンゴルの情景が脳裏に浮かびました。それにしても、MCで聞かせてくれた草原のエピソードには驚きです。モンゴルって、すごい。

♪チューリップのアップリケ
少女の切ない気持ち。その現実から目をそむけず、ありのままを切り取って世間に問いかけていたのだなと、数十年の時を経て理解しました。問題作とも言われたこともあったようですが、歌い継いでいきたい名曲です。

♪虹の舟唄
アンコールにて。ロックと、岡林さん独自のエンヤトットを合体させた曲は、会場一体となって大盛り上がり。「沈みゆくことを恐れてはならない」というメッセージに共感!

♪自由への長い旅
アンコールの2曲目は、会場からも静かな歌声が。「私がもう一度私になるために」というフレーズが、心にしみ入りました。

かっこつけず、ありのままの自分を表現していた岡林さん。70歳になってなお、生へのメッセージを発信する姿、かっこつけないからこそ、かっこよかったです。しかも、こんなに大笑いするとは思っていなかったライブ。感謝です♪

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文/フリーライター たいらくのぶこ


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2017年02月03日

【WUUオリジナルクッキーのご紹介】

WUUクッキー
♪(音符)型の定番と、季節にちなんだデコレーションが、カウンターでお出迎え。厳選素材でひとつひとつ丁寧に手作りされたクッキーは、甘さ控えめで超美味。お酒にも合うし、小腹が空いたときにもぴったりです。WUUオリジナルで、もちろんWUUでしか味わうことができません。
さて2月といえばバレンタインデー。チョコレートにハート型をあしらったクッキーが目を楽しませてくれていますが、見た目のかわいらしさはもちろん、甘さ加減も絶妙で、おすすめです! ブラックチョコレートはほろ苦系、ホワイトチョコレートはちょっぴりミルキー。まるでパイ生地のような層をなしているクッキー部分は、サックサクです。トリュフのような形をしたクッキーもあり、こちらはザクザクゴツゴツした食感が好みの方向け。開演前や休憩時間に、ぜひ召し上がってみてください。音楽のHAPPY気分をさらに盛り上げてうれること請け合いです。

文/フリーライター たいらくのぶこ
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2017年01月20日

【ピックアップWUUライブ!/2月】

♪2月の声を聴けば、春も間近――でも、寒い! そんなときは、音楽で温まりましょう♪
(詳細は、WUUのHP「スケジュール」にてご確認ください→http://www.wuu.co.jp/)

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♪2月11日(土曜日)
パーカッションアンサンブル
IKAFLY=ユカポン、藤本亮平、齋藤綾乃、遠藤百合加(per&mar&drs)
ゲスト:緒川 舞/カンヌ(street dancer)
●Open 11:30 Start 12:30
●予約¥3000 / 当日¥3500 +ドリンク代
 学生:予約 ¥2000 / 当日 ¥2500 + ドリンク代

IKAFLY=イカフライというユニークなネーミング。ですが、その味は、そんじょそこらのイカフライでは太刀打ちできないほどに「ブラボー!」です。マリンバ&打楽器という構成にこだわる4人は、全員が桐朋学園打楽器科を卒業という実力派。クラシックから現代まで、ジャズもポップスもアニソンもOK、もちろんオリジナルもあり……と、あらゆるジャンルの音楽をレパートリーとしています。と言葉にしてしまうと何ということないようですが、それがどれほどすごいことかは、演奏を聴けばわかります。お子さまにも、おすすめ♪

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♪2月12日(日曜日)
Live Library 2017
山木康世(vo,ag /ex. ふきのとう)
●Open 14:00 Start 15:00
●前売・予約¥4000 / 当日¥4500 +ドリンク代
※入場整理番号付き

1970年代のフォークブームを支えた「ふきのとう」のメンバーであり、今も歌い継がれているデビュー曲『白い冬』の作曲者である山木さん。ふきのとう時代の作品も大切にしながら、独自の視点で曲を作り、ライブを重ねています。ギターをわが子のように抱えて爪弾き、言葉をメロディーに乗せる山木さん、自分の思いを重ねる聴衆――そこに見えるのは、音楽への愛と、人生の縮図以外の何物でもありません(と、言い切ってみます!)。聴く人の心にそっと語りかける山木ワールド、いぶし銀の演奏をぜひ♪

文/フリーライター たいらくのぶこ
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2016年12月22日

【ピックアップWUUライブ!/1月】

♪2017年も、ライブならではの音楽を、WUUで一緒に楽しみましょう♪
(詳細は、WUUのHP「スケジュール」にてご確認ください→http://www.wuu.co.jp/)

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♪1月21日(土曜日)
〜櫻井哲夫『Nothin’ but the Bass』2017〜
櫻井哲夫(bass)
●Open 18:30 Start 19:30
●前売・予約¥3500 / 当日¥4000 +ドリンク代
 高校生以下→前売・予約¥2000 / 当日¥2500 +ドリンク代

2016年12月1日、伝説のベーシスト、ジャコ・パストリアスの誕生日記念ライブで聴き手を歓喜の渦に巻き込んだ櫻井哲夫さん(元カシオペアのベーシスト)。新年早々、ソロで登場です。12月のライブ時に「柏が大好きになった」と、かき氷屋さんや鯛焼き屋さんのエピソードを語ってくれましたが、次なるターゲットは、あの有名なカレー店だとか。そんな柏談義も楽しみに、時には熱く、時には優雅に奏でられる櫻井さんの音色、ぜひ耳を傾けてみませんか♪

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♪1月29日(日曜日)
初出演!
岡林信康(vo,gt) 弾き語りライブ
●Open 17:30 Start 18:30
●前売・予約¥5500 / 当日¥6000 +ドリンク代

「フォークの神様」の異名をとる岡林信康さん。60年代後半から70年代初頭にかけてのフォークブームの先駆けであり、カリスマ的存在でした。が、人気絶頂の最中(さなか)に表舞台からは姿を消してしまい……という時を経ること数十年、岡林さんがギターを抱えて蘇り、WUU初出演です! 音楽的には、フォーク以外の要素も取り入れているといいますが、“今”の岡林さんは、私たちに何を訴え、問いかけるのでしょうか。一世を風靡した吸引力、お聴き逃しなく♪

文/フリーライター たいらくのぶこ
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2016年12月14日

トリニテJAPANツアー2016『神々の骨』柏公演(12/10) Trinite (トリニテ)=shezoo(pf,作編曲) 壷井彰久(vl) 小森慶子(cl) 小林武文(perc)

トリニテ2「prayer」「月の歴史 Moons」に続く3枚目のアルバムであり、3部作を締めるアルバムとも位置づけられた「神々の骨」。リリースを記念してのトリニテJAPANツアー、ファイナルひとつ前の公演の場として、WUUに立ち寄ってくれました。常々「本当にすごいから、ぜひ生で聴いてみて」と言われていたものの予定が合わず、来WUU4回目にしてやっとかなったライブ観賞。言葉では表現しきれないほどの素晴らしさでした。
天上の音楽。手が届くようで届かない世界。映像が浮かぶようで形をなさない……のは、音で描かれている何かがあるとするならば、その「何か」が、私たちの無意識に領域にあるものだからではないかと、思いました。あえて形のある物で言うならば、教会などに飾られている天使や神様の肖像画。
圧倒されるほどの才能とテクニックの融合、でも、決して難解ではなく、ずんずんと心にしみ渡る――と書いているうちに「魂」という言葉が思い浮かびました。生命の根源、そう、「魂を揺さぶられる音楽」といったらよいのかもしれません。
その音楽を生み出しているのが、メンバーに「トリニテのバンマス」と紹介されたshezoo(シズ)さんです。ヴァイオリンの壷井さんがMCで「シズさんの頭の中を見てみたい」と語っていましたが、まさしく。教会音楽を思わせる美しく荘厳なメロディーを独創的で幻想的に昇華させるシズさんの感性と力量には、唸るのみ。
ヴァイオリンの壷井さんはシズさんの織りなす五線譜の上を縦横無尽に走り抜け、小森さんは2本のクラリネットを駆使しながら演奏に温もりと安定感を添えていきます。そして、ドラム&パーカッション担当の小林さん。リズムを奏でる場面ももちろんありましたが、どちらかというと「音」で絡んでいきます。シズさんの内にある世界に豊かな色彩をもたらす音。このメンバーでしか生み出せないものが、確かにあることを体感しました。そんな演奏曲の中からピックアップして、感想とともにご紹介します。

♪Baraccone1
1枚目のアルバム「prayer」より。哀愁漂う、どこか不穏なヴァイオリンとピアノのメロディーに導かれ、劇的な音の渦に吸い込まれた1曲目。表現の限界に挑むような壷井さんの弓さばきに早くも目は釘づけ。

♪Moons ふたつの月
2枚目のアルバム「月の歴史Moons」より。ふわふわとした浮遊感が心地好い曲は、心の動き、あるいは心象風景を映し出したかのようでした。月夜を思わせるきれいな照明が、相乗効果を。

♪Sky Mirror
「天空の鏡」とも称されるボリビアのウユニ塩湖をイメージした曲だとのこと。ウユニ塩湖は写真でしか見たことがありませんが、息をのむ美しさです。その自然の美しさと迫力を紡ぎ出す4人。聴こえてきたのは、間違いなく自然界の音でした。

♪Apotosis
どこかクラシカルでバロックの香りが漂う……と思っていたら、前衛的で混沌とした展開に。先が読めない展開は、トリニテの魅力のひとつかもしれません。混乱や悲しみを経てたどり着いたラストのメジャーコードが印象的。フラッシュがたかれるなど、照明の演出効果も盛り上げにひと役買っていました。

♪Dies Irae 怒りの日〜Telomere
「Dies Irae 怒りの日」のテーマは、「この世の最後の日にあなたは何をしますか」。3枚のアルバムすべてにこのタイトルの曲が入っているとのことですが、その中の「神々の骨」バージョンです。「Telomere(テロメア)」は「染色体の先にあるチップのようなもの」と、シズさん。組曲のように流れた2曲は、壮大な神様のドラマを見せられたかのよう。記憶の中にあるキリストの絵が蘇りました。

♪Lullaby
アンコールにて。この日の演奏曲の中でいちばん明るい曲調の優雅なワルツに、気分はヨーロッパ社交界のマドンナです。

生命の根源に触れた夜。アルバム3部作で一区切りとしつつ、すでに新たな構想がシズさんの中にはあるとのこと。確かに「神々の骨」の最後に収録されている「Lullaby」には、次へと続く余韻があります。きっと新たなシリーズが生まれたら、WUUにも来てくれるはず。「絶対に足を運ぶぞ」と、すでに心に決めています。ぜひ、シズさん率いるトリニテにしか表現できない音楽を一緒に味わいましょう♪

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文/フリーライター たいらくのぶこ


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2016年12月08日

〜櫻井哲夫 JACO PASTORIUS Birthday Live〜(12/1) 櫻井哲夫 Jaco Tribute Band=櫻井哲夫(bass)本多俊之(sax)新澤健一郎(key)菰口雄矢(gt)Fuyu(dr)

P1110989ベテランベーシスト・櫻井哲夫さんが敬愛するベース奏者、ジャコ・パストリアス。すでにこの世を去っているジャコさんですが、ハイレベルな演奏テクニックと奏法でエレキベースの世界に革新をもたらすと同時に、数多くの素晴らしい楽曲制作やプロデュース能力などでも名を馳せました。
18歳のときに、その演奏に衝撃を受けたという櫻井さん。「たくさんの人にジャコの曲を聴いてほしいし、知ってほしい」と、8年前にジャコトリビュートバンドとしての活動を開始、命日と誕生日限定で演奏をするようになりました。というわけで、12月1日はジャコさんのお誕生日。ジャコさんをお祝いするために、錚々たるメンバーがWUUに集結です。
実は、ジャコさんのことも、ジャコさんが在籍したウェザー・リポートのことも詳しくはなかった私なのですが、1曲目から「わー、懐かしい」という気持ちに。流れてきたのは、70年代後半から80年代にかけてよく耳にしたフュージョン。音楽ジャンルの線引きはなかなか難しいのですが、フュージョンにアドリブなどのジャズ的要素をミックスした「ジャズ・フュージョン」という位置づけになるようです。プラスして、ロックを思わせるアレンジもあったなと、個人的には感じました。
いずれにしても心地よいフュージョンの音色、ジャジーなアドリブ、ロック調の爆音に、曲を知らなくても心はウキウキ、体はワクワク。ツウにとってはたまらないライブだったであろうことは、メンバーがステージに登場すると同時に客席から上がった歓声で、察しがつきます。
櫻井さんによると「メンバーはその都度変わる」とのことですが、ベテランも若手も、皆さんとってもかっこいい! さわやかでスマートな空気をまといながら、でも、演奏はエネルギッシュでしかもハイクオリティ。こういうバンド、最近は見ない気がします。

【メンバー(櫻井さんの紹介順)】
♪菰口(こもぐち)雄矢(ギター)
10代でプロとしての活動を開始、ジャコのトリビュートバンドにも8年前のスタート時から参加しているとのこと。「若いけど、本当に上手」と櫻井さんがベタぼめする通り、しなやかで時に挑発的な演奏が、そりゃあステキでした。
♪FUYU(ドラム)
ニューヨーク育ち、ニューヨーク仕込みのドラムは、重量感があって切れ味も抜群。ステージの右サイドで菰口さんとともに若さあふれる音とリズムを叩き出してくれました。ほかのメンバーがはけたステージで、ドラムソロの披露も。絵になります。
♪新澤健一郎(キーボード、シンセサイザー)
ベテラン組の一角は、櫻井さんいわく「ウェザー・リポートの神さま」新澤さん。キラキラ・コロコロした音色、浮遊感のある宇宙的な音色、これぞフュージョン。ドラムとの掛け合いでは摩訶不思議な世界を演出し「これが得意分野」と笑顔で。
♪本多俊之(サックス)
日本のサックス奏者として、真っ先に名前が挙がるひとり。「僕たち還暦だよ」と櫻井さんに振っていましたが、そんなことは微塵も感じさせない艶のある音色、音量、肺活量で、演奏をリード。バンドの中で抜群の存在感を示してくれました。
♪櫻井哲夫(ベース)
ジャコさん大好き、ベースも大好きという気持ちが伝わってきた演奏は、この日のために持参した1961年・フェンダー製のベースによるもの。世界に3000本しかないという「ヴィンテージならではのいい音」で、大歓声を浴びていました。

80年代の香りを感じた「INVITATION」、渦巻く音に包まれた「USED TO BE A CHACHA」に「HAVONA」、櫻井さんオンリーのベースソロメドレー、FUYUさんひとりのドラムソロと新澤さんが入ってのデュオ、体力勝負のような演奏に目が釘付けになった「KURU」、客席から「やったー、待ってたー!」の声があがった「LIBERTY CITY」、そしてアンコールの「BIRDLAND」まで、休憩なしの2時間強。一流のミュージシャンによる一流の演奏は、ジャコさんを思うメンバー全員の気持ちあってこそ。その一体感と盛り上がりに、「天国のジャコさんも大満足よね」と、心から思えるライブでした。そして、ぜひまた聴きたいものです♪

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2016年12月01日

【ピックアップWUUライブ!/12月後半】

♪年末の慌ただしい時期だからこそ、あえてゆっくりと音楽に耳を傾ける――そんな時間を持ちませんか♪
(詳細は、WUUのHP「スケジュール」にてご確認ください→http://www.wuu.co.jp/)

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♪12月27日(火曜日)
<再会2 >
■照屋実穂(vo,pf)
■木下ときわ(vo)  新美博允(g)
■石塚明由子(vo,g)
●Open 18:30 Start 19:30
●予約¥2500 / 当日¥2800 どちらも+ドリンク代

今年の4月、WUUのステージで再会を果たした3人の女性シンガー。オリジナリティには定評のある彼女たちが、2016年のしめくくりに、再度、揃って登場です。
表現の手法も声の質も三者三様。ですが、3人には相通ずる何かがあります。音楽への向き合い方なのか、表現へのこだわりなのか――答えをはっきりと言葉にすることは難しいのですが、だからこそ、3人が揃うことに意義があります。そこに答えがあるから。彼女たちが作り出すナチュラルで透明感あふれる世界に、どうぞ触れてみてください。きっと心がリセットされますよ♪

文/フリーライター たいらくのぶこ
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2016年11月26日

『秋に聴くコントラバスの調べ』(11/19) 松江 佐知子(コントラバス) 宮澤 郁昭(pf)

松江さん1ジャズの演奏などでは「ウッドベース」とも呼ばれるコントラバス。どちらかというと低くこもった音でリズムを支えたり、安定感をもたらしたりする楽器というイメージがありますが、実は主役にもなれる楽器だったのです。そのことを教えてくれたのが、この日、WUUのステージに立ったコントラバス奏者の松江佐知子さん。桐朋学園大学で学んだ後、ドイツや関西など各地で実績を積み、地元・柏へ。同じ桐朋学園大学で作曲を専攻、ピアニストとしても活躍する宮澤郁昭(ふみあき)さんとのコンビで、親しみやすい音楽を届けてくれました。
中でも印象的だったのが、松江さんの演奏する姿。ご存知の通り、コントラバスは高さも幅もある大きな楽器です。弦の上のほうを押さえれば低い音、下のほうを押さえれば高い音が出ますが、その移動の幅が広い! 松江さんは高音を出すために、楽器を抱え込むようにしてボディの真ん中あたり(くびれているあたり)の弦を押さえ、さらにその下で弓を動かしていきます。まるでチェロを思わせるような音色。コントラバスがこんな高い音を出せること、初めて知りました。音と音のポジション移動も幅が広く、1オクターブともなると長距離移動という感じ。腰をかがめるようにして高音を弾いていたと思ったらすっと背筋を伸ばして低音を奏で、すぐさま腰をかがめて高音へ――体と楽器のバランスを取りながら、正確に弦を押さえる指の動きは、鍛錬以外の何物でもないと感じました。
そんな松江さんを見守るように寄り添った宮澤さんの端正なピアノ。まろやかなコントラバスの音色を引き立てつつ、間奏では華麗なフレーズで楽しませてくれた場面もあり。秋という季節を意識しながら、松江さんなりの思いを込めて選曲したステージ全9曲の中から5曲ご紹介します。

♪エレジー
19世紀にコントラバスの名手として活躍したボッテジーニによる曲。エレジーは「哀歌」などと訳されますが、ゆったりと明るく優しい曲調に、コントラバスの低音の魅力が集約されていました。

♪交響曲第9番4楽章から
「第九」「歓喜(喜び)の歌」として親しまれているベートーベンの名曲は、年末になると演奏される機会が多いことから選んだのだとか。この曲に限っては、ピアノがオーケストラ部分のメインを担当し、コントラバスはオーケストラの中でのパート部分を演奏。曲全体の中で、コントラバスがどのように動いているのかがわかるという趣向で聴かせてくれました。なるほど、オーケストラ全体の中ではコントラバスの音色を聴き分けることは難しいかもしれません。でも「この音あってこその全体なのだ」ということが、よくわかりました。粋な企画です。

♪コントラバス協奏曲
ロシアのコントラバス奏者、クーセヴィツキーによる曲。協奏曲は「独奏楽器とオーケストラの対話」というような意味合いなのだとか。ロマンチックでドラマチックな曲想を情感豊かに紡ぎ出した松江さんと宮澤さんでした。

♪アヴェマリア
「アヴェマリア」というタイトルの曲はたくさんありますが、その中からバッハの平均律第1番にグノーがメロディーをつけたバージョンで。ヴァイオリンやチェロでの演奏は耳にしたことがありますが、コントラバスは初めて。音の動きの幅が大きいポジションの変更を難なくやってのけつつ、温もりのある音色で会場を包み込みました。

♪ベッリーニのオペラ「夢遊病の女」による幻想曲
松江さんいわく「超絶技巧曲」は、エレジーを作曲したボッテジーニがコントラバスのために編曲。「本当に難しくて演奏するときはいつもスリル満点ですが、コントラバスの可能性を知ってもらえたらと思い弾いています」とのこと。弦の上から下まで、細かい音やリズムのコントロールが見事でした。技術とともに精神力も必要とするのであろう演奏に、観客からは「ブラボー!」の声が。

そのほか、ピアソラ作曲の「アヴェマリア」「荒城の月」「ユーレイズミーアップ」「花は咲く」と、広く親しまれている曲を披露してくれたコンサート。1曲ごとに、選曲した気持ちやエピソードを語ってくれたことで、ステージがより身近なものとなりました。とても楽しかったコンサート、また、ぜひ♪

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