岩手の田舎の3代目石屋、トラベリングです。

 最近よく効く「散骨」という言葉
 最近CMなどでも良く見ますね。
 簡単でオシャレ、美しいメモリアル的な・・・
 そんなイメージなのでしょうか?

 散骨を希望される理由は人さまざまなようです。

 ・故人が亡くなる前に「自分が死んだら散骨をしてくれ」と言い残すケース。
 ・経済的な理由や、お墓を作っても後継者がいないケース。
 ・墓地を維持することへの不安があるケース。
 ・質素に葬儀や埋葬を済ませたいケース。
 ・大自然へ帰りたいといったケース。

 しかし「散骨」=シンプルで現代的というイメージが、やや先行しすぎている感もあります。
 今回はその「散骨」の課題やその後の後悔、
 そして、お墓の本当の存在意義について考えてみましょう。
供養
「散骨」の課題、お墓の本当の存在意義とは・・・

 ●法律では遺骨は「墓地」に埋葬するもの。
 実は遺骨の埋葬に関しては「埋葬法」という法律が定められています。
 許可を得た墓地にしか遺骨を埋葬することができません。
 これは衛生観念から見れば当然のことです。

 実際に散骨されるエリアが誰かの生活の場になっている場合、
 近隣の住民から苦情が発生することもあるようです。
 第三者としてみれば「近くで散骨される」というのは、
 決して気持ちのいいものではありませんね。

 ●散骨は自由なエリアで行えるわけではない。
 このような課題はまだクリアされたわけではなく、
 「散骨そのものについて」の法律が定められてもいないので、
 散骨は法律的には合法でも違法でもない状態にあるのが実情です。

 そのため、前後の段取りも含めて散骨専門の業者に依頼するケースが一般的です。

 散骨は専門業者が決めた方法やエリアで行うために、
 映画やドラマで見たような、
 「大自然に帰る」というイメージと必ずしも一致しないこともあります。

 また最近の火葬設備の性能は高く遺骨はセラミック化し、
 ほとんど土に還ることはないと言われています。
 散骨=土に戻すというわけではないのです。

 ●お墓を訪ねることは遺族の心の拠り所になっています
 遺骨は一度撒いたら二度と手元には戻りません
 そのために散骨をされて後悔される方もいらっしゃいます。
 それは故人を訪ねる「物的な場所」がなくなってしまうからではないでしょうか。

 たとえお骨になっていても、
 お墓にお参りすれば「ここに故人がいる」という物的存在そのものが、
 遺族の心の拠り所になっているのです。
 
 お墓は!!
 ◆嬉しい時、悲しい時に墓所を訪ねて、故人と心の中で語り合うことで癒され慰められる。
 ◆姿かたちは見えなくてもお墓に行くことで会ったような気持ちになれる。
 ◆お墓には「心の拠り所」、だからこそ古代から人々は墓所を大切に守ってきたのです。
 ◆子供たちも、顔も知らなくても自分につながるお祖父さん、
  お祖母さんの存在をお墓参りすることで感じ取れるでしょう。
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 お墓は人生の物語です。故人を偲び、家族の心の拠り所です。
 写真はカラオケが大好きだったお父さんのお墓。
 お墓参りに行くと息子さんは「父は楽しそうにカラオケを歌っている」と・・・
 この想い、伝わりますよね。
 いつまでも繋がり続けるのです。

 *もちろん身寄りがないなどの理由でやむを得ず散骨を選ばれる場合もありますが、
 「流行だから、シンプルだから」と安易な気持ちで散骨を選ぶことは避けたいものです。

 *遺されたご家族で同意ができていなかったり、墓所がないために法事ができないなど、
  後々にご親族でトラブルになるケースも見られるようです。

 「故人を送る・供養する」という意味合いもしっかりと考えて判断していくことが大切です。
全優石ブログ

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