


岩手の田舎の3代目石屋、トラベリングです。
私が良く言葉にする「安らぎの空間」は、
私のお墓づくりのテーマにもなっている。
時々、昔読んだ本を思い出し、
手に取り、パラパラとめくる。
その中でも、泉眞也さんが書いた本「空間創造楽」に書かれている空間の大切さには共感した。
泉さんは環境デザイナー・プロデュース・評論など多方面で活躍。
「安らぎの空間」の考え方はこんなところからも来ているのだろう。
この本で出てくるのが「マッサージ型空間」。
まさにお墓はマッサージ的空間であると考えられる。

お墓はまさにマッサージ型空間なのです!!
●マッサージ型空間とメッセージ的空間
・情報化が進む時代、マッサージ型空間が求められていく。
情報には「メッセージ型」と「マッサージ型」があり医学に例えるとわかりやすい。
「メッセージ型」ーワクチンのようなもので、注射すると即効性があり、強力なもの。
しかし、副作用も大きいかもしれない。
社会においては、工業化・大量生産、物流に大きな価値があり、
すぐに役立つ情報で、すぐに行動を起こしたり
変更したりと強い力を持つ。
「マッサージ型」−人体におけるマッサージ、体に付け加えたり、
変化を起こしたりすることはない。なんとなく全身が活性化する。
社会においては、新しいものを付け加えたり、社会構造を変化させたり
する必要なく、社会を活性化させていく。
たとえば、お笑いを見て、金がもうかるわけでもなく、生産が上がるわけでもない、
お金を払ってみることで笑い、癒され、気分も良くなり、人間性を感じる。
スポーツもそうだ、応援し、興奮し、感動して、仲間と時間を共有し、盛り上がる。
会社の話題になったり、自分のモチベーションになったり、色々な経済効果に繋がったり!
このようなものがマッサージ型情報で「マッサージ型産業」になるのではないでしょうか。

●自然と宗教のもつ空間力
「空間創造楽」の本の中に、
自然空間としてのマッサージ力を一番感じる場所は奈良であると出てくる。
それぞれ人によって、空間によってそのマッサージ力は変わってくるし、
感じ方も違ってくるだろう。
その奈良には石舞台と呼ばれる大きな石があるそうです。
そこから眺める奈良盆地は素晴らしく、「まほろば」の概念はそこから出てきたそうです。
「まほろば」とは人間が生きていく中でもっともいい場所とされています。
大自然が与えてくれる恵み、空間の持つ尺度と形が魅力、それが「まほろば」。
・自然が持つ空間の力はメッセージ力が強く、なかでも「水」の存在は太陽光とともに
自然の恵みを代表するもの、空間でよく使われ表現される「水」、
マッサージ空間へと繋がっていく強い存在だ。
自然の素材やそれを生かした空間こそ「マッサージ的空間」なのかもしれない。

・宗教の持つ空間力も強いメッセージ性を持つ。
山や川、海などの自然そのもののスペースの力を借り、
人間のイメージや独自性の意味を作り出した。
ある特定の場所で発生する宗教、一番高い山、
方角など独自のメッセージ力を生かしている。
お寺や神社、神殿など、自然の力を使い、圧倒的な空間を作り出し、
人々は強いメッセージ力に特別な場所として、たくさんの事を想い、
感じることが出来る。

●最後に
「マッサージ的空間」そこには癒しや安らぎ、たくさんの想いが存在し、
感じさせてくれる。
自然と力や人間性の魅力を借り、笑顔や感謝に繋がる空間に私たちは魅かれているのです。
まさしくお墓も感謝の想いや物語の証、
石いう絶対的な象徴的な素材の力を借りて、
宗教的な強いメッセージ性と人間のたくさんの知恵の中から生まれてきた、
「マッサージ的空間」である。
私たちは手を合わせ、この空間で落ち着き、感謝を語り、明日へ向かう。
パワースポットという言葉があるように、
身近に昔から存在する自分たちのパワースポットを日々感じ、
これからも大切にしていってほしいものです。
「お墓はまさしくマッサージ的空間であり、安らげる空間なのです!!」

家族を笑顔にする、安らぎの空間はここにあります→石のヤマカタです!!