DVD「はらぺこあおむし」

  • author: su_da_chi
  • 2017年03月19日

はらぺこあおむし [DVD]
さだまさし
アミューズソフトエンタテインメント
2004-04-23



最近子供らがBGM代わりにDVDをかけることが多くて、思い立って図書館でこの「はらぺこあおむし」のDVDを借りてみた。
図書館で借りたのは上のナレーションがさだまさしさんのものなんですが、渡辺満里奈さんバージョンのものもあって、今はこちらの方が手に入りやすいのかな。たぶん、発売メーカーの違いで、元のDVDは同じものだと思います。
さださんのナレーションもソフトな耳馴染みの良い声で良い感じですよ。
エリック・カール コレクション はらぺこあおむし【通常盤】 [DVD]
渡辺満里奈(ナレーション)
日本コロムビア
2012-05-23



さて、中身はといいますと。
タイトルの「はらぺこあおむし」と、我が家の子達も大好きだった「だんまりこおろぎ」(記事にも書きましたがボタン電池交換口のあるボードブック版がおススメですよ!)、絵本のある場所でよく開いていた「パパ、お月さまとって!」、そのほか「ごちゃまぜカメレオン」「うたがみえるきこえるよ」の5冊をアニメーション化したもの。






ぶっちゃけ、某所レビューにも言及があるのですが、アニメで見せることに意味はあるのか?とちょっと思ってしまっても仕方ないかなと。これなら絵本の方が短い時間で読ませられるし、魅力はより端的に伝わるように思うし、アニメで長々と見せていても、(絵本に比べたら)無駄な時間を過ごさせてしまうなと思ってしまっても仕方ないかも。
アニメ化するにあたり、例えば「はらぺこあおむし」では、虫の動きを加えたり、物をかじる様子がとても漫画チックでかわいらしさを入れてあったり。絵本でテンポ良く曜日や数を語ってある部分や、最後にページをめくってあっと言わせる仕掛けだったはずのものが演出を加えすぎてとても冗長だなと思ってしまったり。
元の絵本を知っていると、何とも、何だかなぁと思ってしまう出来栄えでした。
ただし、長い小説を一本の映画に、端的にドラマティックに描くのとは違い、すでに端的でドラマティックで省略の美を追求した絵本を、細かく具体的に描いてドラマに仕立てるという作業の違い、作業の限界なんだろうなという感じです。

要するに、やっぱりお手軽に読ませている絵本ですが、いろいろ計算され尽くされている、究極のメディアなのだなと改めて実感させてくれます。
少し前に読んだ「ライオンと魔女」の絵本でもつくづく実感しましたが、長編を絵本に閉じ込める作業って結構見事にできてしまうものだったりするのですよね。絵本ってすごいと思うのです)

やっぱり全般にそういう印象です。

ただし、最後の「うたが みえる きこえるよ」に関しては、これは文句なく素晴らしいですね。
たぶん、アニメを作った意味のすべてはここにあると思います。


元々この物語を描くにあたり、著者はモーツァルトのバイオリンコンチェルト作品K63(の中の嬉遊曲ディヴェルティメント)を想定しているそうです。

そんなわけで、この曲を流しながら、エリック・カール氏が描く文様が跳ねて踊って素晴らしい踊りを見せてくれます。
音がのびやかにしなやかに描かれているのは、アニメーションならではだなと思います。
これに限っては、絵本では物足りなく感じてしまいます。
想像力を働かせる、という意味では、絵本の著者あとがきにも日本の音楽で想像してみても良いかも?と言われているくらいですし、本当はやっぱり絵本の方が良いのかもしれませんが、それを置いてもアニメーションの出来栄えは見事でした。

そんなわけで、一応チェックしたDVDですが、最後の一本は見応えありますが、他はまぁあまり期待しすぎない方が良いかなと思います。
ただ、数あるエリック・カール本ですから、これはどんな話なんだろう?何から読ませたら良いの?代表作は?と思っている場合は、この1本を絵本入門のためのチェック用に使用するのもアリかなと思います。

何せ私も「ごちゃまぜカメレオン」と「うたがみえるきこえるよ」は後でわざわざ絵本を借りました(^^;

まぁ、何にせよ、期待しすぎは禁物ですが、借りたこと自体は良かったと思います。
うちの子達はすでに大きくなってしまったので反応が薄目ですが(BGM代わりですし)、もっと小さな子達には、か〜わいぃぃ〜からでも入り込みやすい部分はあるのかもしれませんしね。

こどものとも2月号「なんでももじもじ」

  • author: su_da_chi
  • 2017年01月19日




福音館書店の幼児雑誌・こどものとも2月号「なんでももじもじ」 大日本タイポ組合 作をゲットしました。
作者である大日本タイポ組合のサイトはこちら

うちの子はもう小学生になってしまったので、「こどものとも」を読む世代から外れてしまったのですが、この本は某サイトで表紙を見てから、母(私)自身が欲しくて欲しくてたまらなくなってしまったので、近所の書店に取り寄せをお願いしたものです。
※雑誌「こどものとも」はあまり書店に置かれてなくて、家に直送か幼稚園・保育園経由で定期購読が基本の雑誌だと思うのですが、単品が欲しい場合は最寄りの書店で取り寄せ可能になっています。
私もここのところず〜〜っとネット書店を愛用していて、書店なんてなかなか利用しないよね〜なんて思ってたんですが、雑誌に関しては本当に、リアル書店圧勝です。
近くにある書店さまさまなので、本当に欲しい方はぜひぜひ最寄りの書店で取り寄せてください。

で、内容なのですが、表紙を見るとだいたい想像できるのですが(Amazonリンクには画像がないので福音館書店のリンク先で見てください)動植物なんかを片っ端からもじで表現するという文字絵遊びの絵本です。

なんでももじもじ!とたろうとはなこが言うと、顔が文字になりました。から始まり、まずはいぬねこに向かって言うといぬもねこも文字絵に。外に行っては山や木や、動物園でも、はらっぱでも、うみの中でも…次々と文字絵になっていきます。そしてとうとう…という物語です。

私は原っぱの表現が好きですね。
いぬねこに関してはちょっと体の一部すぎやしませんか?という感じがあるのですが、他は本当に見事に文字絵になっているものが多いのです。
原っぱのかぶとむし、くわがた、ばった、かまきりの見事さったらないです。次のページのちょうちょにみつばちとんぼも見事。
筆ペン出して真似したくなりますね!!
いつまででも眺めていたい感じになります。
またさりげなく、たろう君の顔の表情がさまざまに表現されているのも見事。書いてある文字は「たろう」で変わらないのに、不思議なものですね。文字の表現力ってすごい。

子供達には表紙を見せて「たろう・はなこだって!面白そうだよね」と期待させ、見せてみたら大興奮でした。
ちょうちょやとんぼ、かまきりが特に良かったと言ってます。
結構じっくり見て「すごい!すごい!!」と言いながらページをめくっていたので、本当に取り寄せして、買ってよかったと思います。

<以下はネタバレかもしれない>

ただ、うちの子だけかはわかりませんが、「えんばん」=「UFO」というのがイマイチわかってないようで、そこだけちょっと?という顔をしていました。空飛ぶ円盤ってそういえば最近言いませんね☆

<ネタバレだったかもしれない、終了>

「こどものとも」は雑誌でヒットすると、絵本に昇格して発売されるのですが、恐らくこの本も、1年以上後になるでしょうけれど、絵本になると思います。

今すぐ気になる!という方は本屋さんに取り寄せてもらうのをおススメしますが、もう少し待つ、という人は絵本になってからまたチェックしてみても良いと思います。(私は雑誌の方が場所をとらないし安価だし良いと思うのですが、あんまり保管向きではないかな)

非常に面白かったです。

かがみのえほん「かがみのサーカス」

  • author: su_da_chi
  • 2016年12月03日




「かがみのサーカス かがみのえほん」 わたなべちなつ 福音館書店・刊を、図書館で借りました。
新着のうちに予約したら結構早く順番が回って来たのでした

これは、かがみのえほんシリーズ3作目になります。



グラフィック主流の「ふしぎなにじ」とは違い、「きょうのおやつは」と同様、かがみを使った仕掛けを見せながら、物語が展開する形になっています。
「きょうのおやつは」はホットケーキを作る工程の物語だったので、「かがみのサーカス」の方が、よりお話を語っている感じではあります。
かがみを使うことによって、マジックというか、少し変わった展開をさせなくてはいけないという縛りがあると思うのですが、それを、物語にできるだけ無理なく自然な形で組み込むことで、奇抜なものばかりでなく、もっと手軽にさりげなく楽しませることもできるんだという、かがみえほんの可能性の広がりを感じましたね。

今回は、かがみに誘われて、不思議なかがみのサーカスへひきこまれる少年の話。
サーカスだけあって、カラフルでにぎやかな場面が続きます。
私はゾウの鼻の滑り台のシーンが立体的で動きがあって好きですね。空中ブランコのぶらーんとなる描写も鏡を使っているので、思わずなるほど!となりました。
ただ、子供たちはやっぱりクライマックスシーンの、鏡の特性でもある、増えていく少年の描写がとっても幻想的で好きみたいです。確かに賑やかで不思議で楽しくて奇妙な感じがありますもんね。
このシーンとか、何とか合わせ鏡みたいな技術でさらに無限増幅とかできないのかなーとか思ったりもしますが、なかなかそれは難しいんでしょうね。今でさえ結構お高い本ですし☆
でも、夢が膨らみます

2冊で終わりかな?でも人気だし続きは出るよねと思っていたら、案の定出たよの3弾でしたが、次はどんなかがみの仕掛けができるんだろう?と期待させてくれる1冊でした。
また4弾が出た際には、早めに手にして読みたいです。(ハードルがすごく高くなってしまうでしょうけれど、出て欲しい)

今の時期、この本もクリスマスプレゼントに良いですよね〜。
子供達は本では喜びませんが大人には良いと思います。


どうでも良いですが、今回はひさびさに自作えもじを使ってみた。
もうえもじメーカーの提供終わってるんだけどね☆

関連記事:
かがみのえほん「きょうのおやつは」
かがみのえほん「ふしぎなにじ」

お子様おもちゃレビュー:くるっとあみゅあみゅ

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月21日




娘からクリスマスに「くるっとあみゅあみゅ」が欲しいと言われた。
毛糸の小物づくりにはまりかけていて、幼稚園でやったリリアン編みを再現したあとは、先日棒針編みを少し教えたものの、どうにも根気が続かないし指先が不器用だしでうまく進まず…。でもこのおもちゃ、回すだけで出来上がるなんてスゴイ!と食いついてきたという次第。
それで、今年のクリスマスに入手しようと考えていたんだけれど、某中古ショップにくるっとあみゅあみゅ(今2016年現在発売中のは「まわしてくるっとあみゅあみゅ」、その前に「NEWくるっとあみゅあみゅ」が出ていますが、これはさらにその前、初代「くるっとあみゅあみゅ」と思われる)が、かなりの格安でありまして、新品の方がパーツも揃ってるし説明書もあるだろうし安心とは思いつつも、親の目から見て、うちの娘がこれを購入して継続して毛糸グッズを作り続けるようにはとても思えず(^^;値段もかなーり格安だったため、クリスマス前だけれど、お試しとして買っても良いかなと思いきって中古購入してみました。

というわけで、初代品のレビューなので、いろいろと最新版は改良されている点も多いかもしれません。基本は同じだと思うんですけれどね。

使用してみた結果ですが、思ったほどには、お手軽という感じでもなかったかな。
娘は小学一年生ですが、最初の糸をかけるところと、できあがって外すところ、途中はずれた時の対処などなどには親の手が必要だなと思います。もう少し高学年になって、説明書がしっかり読めるなら、丁寧な作品に魅力を感じるようになったら(^^;大丈夫かもしれませんが。
ちなみに、途中はずれたところの修正、機械から外す際にほどけてしまったところの修正とか、親はかぎ針や毛糸針(付属のでも良いですけどね)を用意して直していく必要があるので、親がまったく編み物に知識も経験もない場合はちょっと辛いものがあるかもしれませんね。
あと、時々目が針から外れないまま一周して、二周目で一緒に編み込まれたり、一周目飛んでなぜか二周目では普通に編めていたり(穴ができてます)普通の編み物のようにきっちり目が揃った美しさを求めるのは難しいかなと思います。こういうのを気にしながら回しては止めしていれば大丈夫かもしれませんが、楽しさのもとになってるお手軽なスピード感は失われてしまいますから、仕上がりよりもお手軽さを重視する方が幸せだと思います。
それと、我が家は平編みはまだまだ難易度高そうなので一度チャレンジしましたが、今は封印してます(^^;
手前に回し、後ろに回しと交互にやっていくんですが、その切り替えの瞬間の目が非常に外れやすいとの注意書きがあったんですが、まさにそんな感じであちこち編めてない!と娘の不満爆発だったので。これも親がつきっきりで直していれば大丈夫でしょうが、それって手軽じゃないですもんね☆

てな感じでちょっと期待しすぎたなーと思う点はありますが、親が糸をかけておけば、子供はぐるぐるぐると回すだけで手軽にあっという間に編めていくことがとても楽しいようです。
説明書にあるマスコットを早速作るといって、網目の段数を気にしながら、現在制作中です。この調子ならそのうちできるんじゃないかな?

マフラーとか手袋とか、大物でクオリティを求めたいものには、先ほども書きましたが、美麗な編み目が完璧にできる!という感じでもないので、向きませんが、こういう編みぐるみやちょっとした小物にはとてもお手軽にできて良いと思います。

付属の毛糸もちょこっとついていたのですが、案外細めの毛糸です。細めの毛糸推奨なんでしょうね。
我が家もレース編み向きな細い糸でやってみたら、編み目がゆるゆるですがかなり順調に編めました。でも、ガイドラインギリギリの太さの並太毛糸では結構針が絡まったり、目飛ばしがでたりで、編んではほどきが結構発生しました。
最近は100均毛糸もいろんな種類があるので、細目毛糸ももう少し買い足しておきたいと思います。

今は結構楽しく使いまくっているこのあみゅあみゅですが、その限界が見えてきたら、また普通の編み物の練習にもとりかかると良いけどなーと、親としては思っている次第です。

編み物への興味を持たせる、手軽に編み物小物を作りたいという意図であればとても良いおもちゃだと思います。
改めての要注意ですが、これは初代版のレビューですから、最新版はいろいろと改良されているかもしれません。手袋とか編めるようだったら、最新版に買い替えても面白いかもしれないけれど、娘はもうすでに別のクリスマスプレゼント候補を考え中ですよ(^^;

かがみのえほん「ふしぎなにじ」

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月18日




絵本「ふしぎなにじ」 わたなべちなつ 福音館書店を1年半くらい順番待ちして図書館で借りました。
そうこうしてるうちにかがみのえほん第三弾「かがみのサーカス」出たんですね〜。うちの市の図書館入荷はまだないようなんですけどね。


この絵本は、前に借りた「きょうのおやつは」と同じ作者の、かがみを使った絵本シリーズです。


「きょうのおやつは」の方は一応料理絵本の体裁をとった上でかがみを使った仕掛けが見事でしたが、こちらの「ふしぎなにじ」は絵本の中でもグラフィック絵本とでも言いましょうか、デザインを見せるのが上手い、見事な絵本です。
だから話の流れというのがない分、この絵本の方が軽く読めるともいえるし、じっくりとかがみの仕掛けを純粋に味わえるともいえる。
シリーズですが、非常に特色の違う2冊になっていると思います。

あと、不思議なこと(でもないのかもしれないけれど)に、子供って七色とか虹が何だかとっても好きなんですよね。カラフルだからかな。
それが、鏡を挟むことでどこまでも続く無限の長さになったり、半分だったはずのものがまん丸になったり、繋がったりと、鏡の力とかその先に続く「無限」という壮大なものの存在を感じさせる、いつまでも変容していくような。
そうだな、ページをめくるごとに万華鏡の角度を変えていくような、少しずつの、でも大胆な変化を楽しめるような絵本で、話の内容、文章の内容というものはないんですが、子供達はいつまでも楽しめるようでした。

実は図書館の順番が来る前に本屋さんでこの本を立ち読みする機会があって、もうこれで充分だなと私は思っていたんですが、実際に図書館で借りて家に持ち帰ると、まだ返却しないで!と娘なんかには止められましたね。
やっぱり非常に魅力的な絵本なのだと思います。

じゃあクリスマスプレゼント、この絵本にする?と聞くと、それは別問題のようですが(^^;
この絵本も子供にも、大人にもとても楽しめる絵本だと思います。



↑福音館書店の紹介動画、「きょうのおやつは」と「ふしぎなにじ」を紹介されています。
こんな感じの絵本です。

書籍「少年の名はジルベール」竹宮恵子先生の半生記です。

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月11日

少年の名はジルベール
竹宮 惠子
小学館
2016-01-27


書籍「少年の名はジルベール」竹宮恵子 小学館を読了。
いやぁぁぁ〜面白かった。
このブログでもお気づきの方も多いと思いますが、私はこの頃本当に活字の本をじっくり読めなくなっているんですよね(^^;
でもこの本は違います、あっという間に読み終えて、本当に興奮冷めやらぬという感じです。

これは、漫画家の竹宮恵子先生が21歳で徳島から東京へ上京し、後に大泉サロンと呼ばれる場所で同じく新人漫画家であった萩尾望都先生と同居、ブレーンとなっていた増山法恵氏はじめ、さまざまな人との交流を描きつつ、その当時の多彩な少年・青年漫画界とは対照的な少女漫画界の閉塞感、それを打ち破ろうとする若さあふれる才能たちの姿、その中で竹宮先生は、相当初期の段階で「風と木の詩」の原案を生み出しながらも、理解されぬまま発表できぬまま、スランプもあったり、さまざまなことを考えたりもがき苦しみ乗り越え、自分の満足できる形で「風と木の詩」を描くまで、こんな感じの半生記を描いてあります。


ぶっちゃけると、竹宮恵子先生は、私にとっては苦手な方の作家さんなのですが、姉たちは結構好きだったようで、実家にも何冊かマンガがありました。
記憶が非常にあいまいなのですが、たしか「ファラオの墓」は普通のコミックスサイズで何冊かあって(揃ってたかな〜?)その他小作品があるものの、私は「ファラオの墓」は面白いけれど、他はなぁ〜と思った記憶。(その中に「地球へ…」もあったような気がしないでもないけれど印象が薄い)
その後、姉の一人が薄い本を買うような人になって(^^;その基礎知識という意味合いでしょうけれど、「風と木の詩」、萩尾望都作品の「ポーの一族」「トーマの心臓」も、こちらは愛蔵版で買ってあった気がします。
その時に、初めて竹宮恵子ってそんなに悪くないのかもと思ったような、とっても記憶があいまいです。

そんな竹宮恵子先生って、どんな軌跡をたどったのか、ということで読み進むわけですが、本当に面白い。
少女漫画家なので心理描写がとてもうまいのかなとも思うのですが、学生紛争全盛期をこの目で見たいと1年間漫画家を休み、仕事復帰、そして上京。
今ほど田舎から東京に移り住むのも楽ではない時代だったと思います。
21歳の希望と野心に満ちた若さが本当によく描けていると思います。
そして、増山法恵さんの登場。始めは萩尾望都さんのペンフレンドとして登場します。私は以前「変奏曲」という漫画のレビューをこのブログに書いているんですが、その原作者さんだ!と喜んだんですが、原作者というか、本当にブレーンとして彼女がいかに竹宮作品に影響を与えたかがよくわかります。(萩尾作品にも影響があったのかな)
「風と木の詩」が彼女との長電話の末、こんなに早い段階で作られていったことに、まずは驚きました。

ところで、「変奏曲」の3巻は今現在、結局出てないんですねぇ…ぶっちゃけ、この竹宮先生の本を読んでも思うのですが、表現者としての視点で物事を語ったり見つめたり、映画を鑑賞したりする竹宮・萩尾両先生の様子と違って、増山さんは一般的な方で、そして優れた批評眼を持つのはわかるのですが、やはり実際に自分で表現するとなると、とても大きな壁を持っている人なんじゃないかなと、そういう人柄がこの竹宮先生の本の中でもよく出ている気がします。厳しく一流のみを認めているだけに、自分で一流を生み出せないことにがんじがらめになっているような気がします。
ぶっちゃけ、自分自身がこの竹宮・萩尾タイプに憧れる増山タイプ(でもスケールはかなり小さい)なので増山さんには厳しい目で見てしまったりもしますが、3巻が出てない、出せないのもとても納得しました。(作品のためには納得しちゃいかんのかもしれませんけどね。)

話を戻し。
時代は徐々に変容していき、少女漫画にも新しい空気を持つ作品が増えてきた。竹宮先生はというと、「風と木の詩」がどうしても描きたくて、ついには当時タブーであった少年を主人公にした漫画を描き始める。
しかし、その内容は一部の読者には届いたが、到底編集部には理解されないものであった。そんな風に悪戦苦闘している中、一番身近にいた萩尾望都先生は、安定した独自の作品を作り上げ、その評価も徐々に高まっていた。気づけば、竹宮先生の作品にはない空気感を持つ萩尾作品は、少女漫画に多大な影響を与え、少女漫画に新しい流れを作っていた。間違いなく、少女漫画を変えていたのだった、そして、竹宮先生は、時代遅れになってしまったと焦り、スランプに陥っていく…

何か私が好きでないなーと思ったのはスランプ時代の作品なのかなー?と思ったりします。違うかもしれないけれど。竹宮先生は自分の絵が嫌いとか、うまくできないとかそういうことを言いながら作品を仕上げているわけで、もしかしたら、そういうのを幼い私はわかっちゃったのかなーとか思ったり思わなかったり。(当時何という漫画を読んでいたかすら覚えてないし)
デビュー後の話は苦しんでいる話が思った以上に多いように感じます。大泉サロンの話も活気あって良いのですが、作品に関しては悩み苦しみサボりの話が多いような(^^;これは生みの苦しみってやつなんでしょうね。楽しい話も出てきますが、作品を生み出すのは本当に大変なんですね。

そして、「風と木の詩」なんですが、「ファラオの墓」の直後の作品なんですね。
「ファラオの墓」は戦略をもって読者の反応を意識して描き始めた初めての作品として登場するのですが、短い描写ながら、そこで竹宮先生が覚醒する姿がよく伝わります。
そのあとだからこそ、不朽の名作として残る「風と木の詩」が描けたのだと思います。
もう少し前の段階であったら、また違うものとして出来上がっていたのかもしれません。
作品にも熟成するベストタイミングってきっとあるものなんだなと思います。

この本は、自身がプロの道を歩んだのとほぼ同年代の漫画家を目指す若者たちを前にして、現在大学で教鞭をふるっている竹宮先生が、自分の経験が何かの役に立つのであればと書かれた本だそうです。
私の知っている作品、漫画家さんの実名も多数出てきて、その当時の雰囲気と熱気を感じながら、本当に一気に読める本でした。

また「風と木の詩」も、大人になった今、機会をみつけて再読してみたいと思います。
風と木の詩 (1)
竹宮惠子
eBookJapan Plus
2015-02-27

絵本「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月10日




絵本「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」J・ロッシュ=マゾン 作 山口智子 訳 堀内誠一 画 福音館書店
これもチラシのおススメ本に写真付きで載っていたため子供のリクエストだったんだけれど、うちの子にはちょっとばかり長めのお話だった。だからあらかじめ何回かに分けて読むね、と子供らには言ったものの、うまい区切りもなさそうだ。
そこで娘から、じゃあ最後はどうなるかだけ読んで、と、まぁスリラー小説ならご法度なリクエストを受け入れてみたら、
「ともかく、おそうじをおぼえました。」でした。ああそうかい、なんだかんだあって掃除するようになる話ね、と納得。ひとまず我が子たちには、先がある程度見えている方が安心できるようで、少しづつ読み始めました。

ざっくりした内容は。十一匹の子リスの兄弟がおばあさんと住んでいたが、その末っ子ゲルランゲは愛嬌はあるがそうじが大嫌い。いつも逃げ出すか、逃げ出せない時はいい加減な掃除をするので、他の兄弟達は腹を立てていました。ある日、おばあさんはゲルランゲにそうじをするようにやさしく諭したのですが、強情なゲルランゲはそれでもそうじを覚えたくないと言い張り、ついには家を追い出されてしまいます。そして一人寂しく旅に出たゲルランゲは、うっかり木から足を踏み外し、オオカミの背に落下、そして捕らえられてしまいます...
こんな話です。

これは結構面白く読めました。最初からオオカミの意図がまったく理解できませんでしたがね(^^;
話が長いからうちの子にはどうかな〜?と始めは思ってたんですが、実際の中身は、オオカミがキツネのところに連れて行き、今度はアナグマで、と、最初のおばあさんの言葉を伏線にパターン展開していくお話。
私はこういう構成が結構凝っていて好きですが、うちの子たちはそんなところまでは意識せずに繰り返しのリズムが良いな程度に聞いていると思います、たぶん。
皆があの手この手でゲルランゲに掃除をさせようと思うのですが、どれもうまくいかないんですよね。
そりゃそうだ、私だってそんな手でそうじしたいって思わないだろうなぁと思います(でも家一軒もらうならアリか?)
それでも、結論は、さっき書いたように「ともかく、おそうじをおぼえました。」めでたしめでたし、みたいになります、なぜか。
この結論なら、私は説教じみた優等生じみたお掃除って素晴らしい的な話なんだろうと思っていたわけですが、実はそんなものは一切なくて、むしろ逆に、どんなにゴリ押ししたり引いてみたり、説得してみたところで、その子が強情に掃除しないと思っているうちは逆効果にしかならないと描写し、子供を育てる人たちに、それでも子供を信じて接し続けていけば、そのうち自分から掃除する価値を見出すかもしれない、気長に待ちましょうというように描かれているように思います。

そんなことを考えつつ、もしかしたら、子供向けというよりは、子育て中の親向けの話なのかもしれないと思ったりするのです。
結構良い話かもしれない。

絵本「ふしぎな500のぼうし」

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月10日




絵本「ふしぎな500のぼうし」ドクター・スース さく・え わたなべしげお・やく  偕成社を読了。
これも、子供向けのおススメ本リストにあったもの。写真付きで掲載されていた本の1冊だったので子供からリクエストされて借りました。
んが。
非常に不思議で面白いお話なんですが...何でしょう。
私にはもう少しだけ深みといいますか、工夫が一ひねりほど欲しかったかなと思います。

デイッド王国の端に住む貧しい農家のバーソロミュー・カビンズは、ダーウィン王さまが街を通る時に、帽子をとれと命じられる。しかしバーソロミューはお気に入りの帽子をとって、今まさに手に持っている。しかし、王さまは納得しない、まだ帽子をかぶっていると怒っている。そしてバーソロミューが頭を触ると、帽子がある。慌ててその帽子を取ったのだけれど、また同じ帽子が乗ったままになり、ちっとも帽子が脱げやしない。
怒った王様はとうとうバーソロミューをお城に連れ帰り、帽子をとるために、学者を呼んだり、さまざまな方法を試すのですが…

そんな話です。
王さまがやっきになってむきになってしまう描写とか、だんだんバーソロミューが絶望していく様子、周囲のてんやわんやさが面白いといえば面白いのでしょうが、どこまで楽しめるかなー?という気がします。
でも子供らも面白かった、とは言っているので、こんなもので良いのかな。
何かオチの付け方も、そんだけの恐怖にさらされて、こんな結末で良いの?!と思ったりもするんですが、貧しい家に資金が、王さまには貴重な品物がということで、ウィンウィンでハッピーエンドということなのかなと。
でも、そうだよ、何だか理不尽な感じがもやもやと私の中には残るんだよね〜。

しかし、名作としてリストアップされるからには、良い本なんでしょう。
私的には少し難解というか、深読みしたくなるほどもやっとした結末なので、どうなんだろうという感じですが。奇妙な物語ということで、これはこれでアリなんだとは思います。

絵本「カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり」

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月07日



絵本「 カスピアン王子のつのぶえ」 C.S.ルイス原作  マシュー・S.アームストロング 絵  中村妙子 訳  岩波書店の話を。

先に記事にした「ライオンと魔女」が良かったので、もっと絵本で読みたいと思って調べたところ、ナルニア国ものがたりの2巻目にあたるこの「カスピアン王子のつのぶえ」があることがわかったので読んでみました。
ただし、ぶっちゃけブログ記事にするまで気付かなかったんですが(^^;前作と今作は絵を描いている人が違うんですね。
それでも、幻想的でドラマティックな、写実的な画面作りは1作も2作もなかなか良好です。

こちらの物語は、最初の「ライオンと魔女」の出来事から1年後、兄妹が寄宿学校に向かう駅での出来事から始まります。何かの力に引き寄せられ、4人の兄妹は再びナルニアへと旅立ちます。しかし、降り立った城はかつての美しさからは程遠く、ナルニアは荒廃していました…そんな話です。

今回も物語は端的に、ぶつ切りで語られていますが、前作以上に比喩的な部分とか、意味深な展開を残しながら、解釈は読者に判断をゆだねるといいますか、恐らく原作でもそんな感じに暗喩されているんだろうなと思う点があります。
たとえば、再び登場するアスランですが、最初は一番末っ子のルーシィだけがその姿を見えるとか、現地人であるトランプキンには見えないとか。(前のページで木々に声をかけた彼女だけが、ナルニアの復活を本気で信じていた、とか、トランプキンに見えないというのは、長らくアスランは姿を見せないというが、今のナルニア人がアスランを見なかっただけとか、そういうことなのかなと解釈したりするのですが)
そういった意味で、単なる流し読みではなく、一度二度と立ち止まって考えさせる工夫もあってなかなか良かったです。

ただ、物語的には、前作品以上に壮大な物語なのかなという印象で、最大の敵であるミラースとピーターの闘いが2ページ、10行もない、3つの文章で終わりました(^^;こんなので良いのでしょうか。良いんだろうな。
大部分が二度目のナルニア訪問とアスランとの再会、カスピアン王子との合流で、戦いはほんのちょっと、そして現代に戻って、お約束な感じで終了です。
あくまで私の印象ですが、1作目は結構壮大な世界に、どっぷりと連れて行かれて、そのまま続くかと思いきや現実に引き戻されるという感じでしたが、2作目は兄妹たちがずっと旅をし続けていたせいもあるかもしれませんが、兄妹たちはあくまで通過者であり、壮大な世界にどっぷりつかってはいるけれど、そこに染まるのではなく、その世界を手助けして旅を終えるんだろうなという予想の上に話が展開していて、確かに壮大な物語には変わりありませんが、駅に兄妹たちが戻った瞬間に、見事なオチがついたな、とか、夢から覚めたなとか、そういう雰囲気になりました。
兄妹たちには、本当に住む世界があって、ナルニアはその世界とは無関係に様々な出来事が展開していき、兄妹たちは折にふれ、ナルニアに関わるようになるんだなと予想できる物語でした。

先ほども書きましたが、結構暗喩を残すような描き方をされているので、その説が正しいのかどうかも、いつか元の物語を読んで確認したいと思います。
この絵本の出来も良かったです。
良かったんですが、絵本シリーズはこの2冊までなようです。
続巻も期待したいところですが、原書でもここまでっぽいですよね☆The Giant Surpriseってのは何かスピンオフっぽいものな予感がするんだけど違うのかな?これも機会があれば見てみたいけれどね。

絵本「ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり」

  • author: su_da_chi
  • 2016年11月06日



絵本「ライオンと魔女」 C.S.ルイス  チューダー・ハンフリーズ 絵  中村 妙子 訳 岩波書店を読了。

これは、とっても良いです。
何が良いって、この絵本を読めば、とりあえず誰かにナルニア国ものがたりはどんな話と聞かれたらざっくり答えられるだろうということと、長編ファンタジーも、(おそらく)魅力を損ねずこんな風にドラマティックかつ端的に絵本に集約できる絵本の可能性と奥深さを実感しましたね、絵本って素晴らしい。
本当に素晴らしいです。

残念ながら、全部を絵本に集約はされておらず、最初のこの「ライオンと魔女」と、次の「カスピアン王子のつのぶえ」の2冊だけが出版されているようです。原書ならもっとあるのかなー?


そもそも読むきっかけは、子供が学校からもらってきたチラシのおススメ本の中に「ライオンと魔女」があり、それを読みたいとリクエストされたからだった。
しかーし。
そこに掲載されていたのは、要するにナルニア国ものがたりの第一巻を、高学年の子向けに薦めてあったのだよね☆うちの子は低学年だしそれを借りても絶対読めないし飽きる、と思い、良い本、絵本がないか探した結果、たどり着いたのがこの本。
ちなみに子供は「ライオンと魔女」という猛獣とファンタジーな組み合わせのタイトルに惹かれた様子。


読んでみると、クローゼットを通り抜け、ナルニアの国にたどり着くところから始まり、ライオン=アスランとの出会い、魔女との対決。
書いてある文章はまさにダイジェストなんだけれど、非常に端的に書かれ、そこにページをめくるごとに壮大でドラマティックな場面の絵が次々と場面を飛躍しながら広がり、文章には書かれない壮大な世界観や場面と場面をつなぐ余白部分への想像力も掻き立てられる(たぶん)
この絵本をきっかけに本編を読みたいと思う人もいっぱいいるのではないかと思う。

実は私は映画の「ナルニア国物語 ライオンと魔女」は流し見しかしてなくて、ざっくりしか覚えてないのですが、その時しっかり鑑賞していた夫曰く、そうそう、いきなりサンタクロースが出てきたんだよ〜とか、ライオンなんか最後にちょっと出るだけで全然手伝ってくれないし、とか言ってましたが…
ま、サンタクロースが何で突然出てきたかはわからないですが(^^;アスランに関しては、そうそうお目にかかれない、特別な存在であるということは、この絵本からもよく伝わります。
もしかしたら、そういう点でも、映画より上手に物語を集約されているのではないかと思います。


読むのに2時間もかかりませんし、あっさりと読める本ですが、そこに描かれている物語の壮大さ、荘厳さはよく伝わります。
子供が成長したら一緒に、または私だけででもおおもとの「ナルニア国ものがたり」も読んでみたいと思います。

とにかく、この絵本は良かったです。

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