書籍「アコギなのかリッパなのか」畠中恵・著読了。政治と日常のミステリ。

  • author: su_da_chi
  • 2006年01月17日

アコギなのかリッパなのか
アコギなのかリッパなのか


「アコギなのかリッパなのか」畠中恵・著 実業之日本社・刊を読了。
「しゃばけ」シリーズが代表作になってる畠中恵氏の最新作、そして別シリーズの現代モノ。
わりかし私としては最初の現代モノ「百万の手」でガッカリして以来、彼女の現代モノにはちょっと躊躇するクセがあるのだが、「とっても不幸な幸運」はわりと好きだったので、「とっても〜」ノリを期待して読んでみた。

読んでみたら「とっても〜」テイストも微妙にあるものの(男手一つで娘を育てるが若くして弟を男手一つで育てる、となってるあたり?)「しゃばけ」シリーズにも通じる聖の頭のキレの良さ、周りの妖怪ちっくなつかみ所のない政治家というキャラクターもあって、かなり畠中氏テイストふんだんで面白く読めたと思う。

物語の舞台は政治の世界。最近いろんな情報が入ってきて、政治への世の中の関心も高まっている中、結構あれこれ政治モノの小説・マンガも多くなった気がする...気のせいか?
魔王
魔王

いなかのせんきょ
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現在官僚系もふ 1 (1) (ビッグコミックス)
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世直し源さん―ヨシイエ童話 (1) (竹書房文庫)
世直し源さん―ヨシイエ童話 (1) (竹書房文庫)

まぁ他にもあるような気がするのですが、よく知りません(^^;

この話は主役は政治家でも秘書でもない、元政治家の事務所「アキラ」の事務員である佐倉聖・21歳。元不良で元暴走族。離婚して出て行ったきり音信普通の父親に押し付けられた弟・拓・13歳を養う勤労学生。
しかしそんな生活ができるのも、この元超大物政治家、今は宝塚ファンでわがままなエロじじいである大堂のおかげ。大堂は事務所「アキラ」を経営しつつ、若手政治家の勉強会「風神雷神会」の会長をしているため、現役は引退したものの、政治家との接点は深い。そして若手は今日も難事件の相談に大堂の下を訪れるのだった...

そんな感じで、政治をダシに使った、まぁ私の好きなスタイルではあるのですが、日常のちょっとした不思議を謎解きする話になってます。
基本的には、地元の名士、その議員の支持基盤の要になる人がトラブルで困っていて、それを解決したらとても有利になる、しかし解決できなかった場合は立つ瀬がないから、その議員の秘書や関係者では困る。誰かいないか?という問題に聖がボーナスをちらつかされて出かける、というのがパターン。

毛の色が変わる猫の話、田舎の名士同士の対立、新興宗教へ提供されてしまった絵の奪還、旦那さんの間食疑惑と商店街の話、そして最後は手に負えない政治家志望の若者と、聖と拓と父親のこと。

大堂のオヤジがかなりクセモノで意地悪な感じと、それに応酬する聖のやりとりが軽快でなかなか気持ちよい。
ただ、謎解きとしては「なんだかなぁ〜☆」と思わないでもないような、ちょっとこじつけというか、「そんな真相なの?」という感じのことが多く、「やられたぁ〜」とはならない。だから推理モノとしての面白みは少ないように思う。
でも全体に貫かれているのは、真相を知って、さらに、「どうすれば良くなるのか、解決するのか」までを聖が誠意を持って対応しているのが、優しすぎるけれど好感度が高い。そんなことばかりやってたら身が持たないだろうなぁ〜...とも思うけれど、こういう心構えこそが政治家に必要なんだろうな、と思ったりもする。大堂のオヤジもだから聖を送り込むんだろうな、という感じ。

しかし選挙の裏側とか、細かな描写も多く、知らないところで忙しい職業なんだなぁと...政治家さんもより良い世の中のために、今日もがんばってください、と思わせる部分もある物語でしたよ。

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アコギなのかリッパなのか 畠中恵

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