書籍「フェレット物語3 二匹は人気作家」読了。

  • author: su_da_chi
  • 2009年07月31日

二匹は人気作家―フェレット物語 (新潮文庫)
二匹は人気作家―フェレット物語 (新潮文庫)
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書籍「フェレット物語3 二匹は人気作家」リチャード・バック・著 新潮社・刊を読了。
リチャード・バック氏による主人公達がフェレットの物語第三弾です。
1・2弾がハードカバーだったのにも関わらず、3弾は文庫です。本棚の並びが微妙になりますが、お安いし文章量も少なめだからお手頃サイズだし、最初っから1・2弾も文庫で出せば良かったのにとか思ってしまいますね...(って1・2も文庫で出てるんですね。案外単行本は希少価値が出てる???)

今回は作家が主人公。
バジェロンは児童文学で作家デビューを果たし、その作品の大ファンだというダニエルとやがて結ばれる。作家として大きく羽ばたくため、バジェロンは歴史小説に取り組むのだが、ダニエルの励ましにも関わらず、執筆は一向にはかどらなかった。
一方ダニエルは、ネイリストとして働いていたのだが、その仕事の合間に聞きかじる世間話から、自分も何か物語が書けるのではないかと思い始めるのだが...

こんな話。
主人公達が作家という職業なので、書いてある創作の悩みであったり、喜びであったりというのが、結構リアルな感じに伝わって来ますね。
本来自分が書きたいものと、自分が書けるものの違い、
物語を作るのではなく、そこにある物語を語るということ、
当代のベストセラーであっても、通俗小説で終わるものと、永遠に残るものとの違い、
こういう部分が何だかとてもリアルで面白い感覚ですね。

バジェロンとダニエルはお互いに似たような性格の持ち主なのに、作風がまったく違う、というのも面白い。
だからお互いに尊重しあえるんでしょうね。

あらすじだけを読むと、創作に行き詰り苦悩するバジェロンと、それと対照的にデビューから華々しく活躍するダニエル、というような印象を抱きがちですが、実際読んでみるとまったくそんなことはなくて、

バジェロンはダニエルに作家の先輩として真摯にアドバイスを与え、励ましているし、
ダニエルもまたバジェロンの悩みを受け止め、そしてバジェロンの作品を心から絶賛しているし、

なかなか良いコンビとして描かれている。
この二人の間には波乱はないと言って良いだろう。
お互いの作品や作風に大きく口を出す、ということもないし。

そういう意味では、この3弾はとてもとても地味な物語展開です。
でも、本を書くということ、認められるということ、支持されるということ、そして本は人生においてかなり価値のあることなのだということがじっくり書かれていて、1弾2弾の派手さよりも、この地味で、地道で、でも重要なことを与えてくれるような、第3弾の方が読みやすく入りやすかったですね。
重松清氏の解説が言うように、作家の物語、というだけでなく、職業人の物語、という普遍性があるということかもしれません。



んで、相変わらずの気になるフェレット度合いですが。
やっぱりあまり意味ありませんね(^^;
小さな前足とか、人間なら馬に当たる小動物が出てきたり、そういうことならちょいとあるんですが、やっぱり主人公達がフェレットである必要性は感じられません。
まぁでもそんなことも3作も読んでいればわかりきったことですけどね☆

あとは、第二弾のストローブやら第一弾のFRSのボアの話がちょびっとだけ出てきます。
一応これもシリーズサービスなのかな?
気になる人はチェックしてみても良いかもしれない。


...それにしても。
重松清氏が言うように、何となく、第一弾・第二弾よりは第三弾の方が読みやすく、面白かったように感じている。
この調子で残り2冊もしっかり読みたいものだけれど、どんな展開になるのやら?
...にしても、主人公達がいたち(フェレット)である必然性を感じない話ばかりだよなぁ...後半には何かそれっぽい動作とかクセ・習慣とか混じってると良いんだけれど...

来月第四弾も出るようなので、一応チェックしてみる予定。

関連過去記事:
書籍「フェレットの冒険1 海の救助隊」読了。いたちっぽくないけどフェレが主人公。
書籍「フェレットの冒険2 嵐の中のパイロット」読了。飛行機と愛と妖精と。

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