東アジアの安保環境「厳しさ増す」9割 外務省が世論調査  
2017/3/15 18:54 日本経済新聞
 外務省が15日発表した「外交に関する国内世論調査」によると、東アジア地域の安全保障環境について「一層厳しさを増している」と答えた人は88.5%で、2015年12月の調査を6.4ポイント上回った。トランプ米政権と関係を強化したい分野を複数回答で尋ねると「安全保障」(71.4%)が最多で「テロ対策」(62%)「経済・貿易」(60.1%)が続いた。
 調査は2月18~28日、全国の18歳以上の男女を対象に乱数番号(RDD)方式による電話で実施。1000人から回答を得た。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H36_V10C17A3PP8000/

なんだかどうでもいいような記事、というか世論調査ですが・・・

🔸平成28年度 外交に関する国内世論調査 (外務省 平成29年3月15日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004390.html

この世論調査の中で、「中国との協力をいかなる分野で推進すべきか」との質問に対して,「環境問題や公衆衛生・疾病対策」と回答した人が、74.9%で最も多いことにいささか驚いてしまいました。

日本がこれまで環境分野だけで1兆円以上の対中ODAを拠出していることなど全然ご存じないのでしょうねぇ。それとも「協力」ということばに騙されているのでしょうか。


この外務省が実施している世論調査は、毎回同じ質問をしているわけではないので、時系列の変化を追うことはできませんが、同様の質問は過去2回あり、今回も含めて結果を並べてみると、

Q 日中関係「日中両国が協力を推進すべき 分野は?」
A 2017年2月  「環境問題や公衆衛生・疾病対策」 74.9% (最も多い)
  2015年12月 「環境問題や公衆衛生・疾病対策」 83.5% (最も多い)
  2014年7月  「環境問題や公衆衛生・疾病対策」 49.3% (最も多い)

「中国と環境関連の協力を推進すべき」という人が、この1~2年の間で、50%→80%程度に増加しているのです。
他にも、「安倍首相の地球儀を俯瞰する外交」を「評価する(どちらかというと評価するを含む)」が、


2014/12 55.6% → 2016/3 74.% → 2017/2 81.4%

と大きく増加しています。
なんだか変だと思って調査結果をよく見たら、何のことはない、調査方法、会社が変わっていたのです。


2017/2・2016/4・2016/3・2015/12・・・RDD方式による電話法((株)アダムスコミュニケーション)
2014/12・2014/7        ・・・オンライン方式(三菱総合研究所)  

調査方法の変更で回答属性が大きく異なってしまってるんです。
〇男女比  オンライン方式では6(男):4(女)、RDD方式では半々となっているが常に女性の方が多い。
〇居住地域 オンライン方式では関東が約40%と、RDD方式での同約30%に比べて高いため、九州・沖縄など
        の地域がRDD方式に比べて少ない。

そして、年代なのですが、オンライン方式(2014/7)、RDD方式(2017/2)で具体的に比較してみると、

         20代     30代   40代  50代  60代  70代  80代~
2014/7     9.9       19.4   26.1  20.8  17.0   6.4   0.4    (%)

2017/2      0       4.0   17.5   18.3  26.4   20.6  10.1 
     (20代以下3.1) 

今回のRDD方式では、なんと、20代がゼロ(あるいは4人以下)なんですね。20代以下を含めても3.1%。RDD方式の他の3回の調査を見ても、20代は2~3%、対して60代以上は常に多く、80代以上も常に10%います。
いかに少子高齢化社会といっても、
総務省統計局(人口・世帯)によると、

20代の人口    1237万8千人
80代以上の人口  984万8千人(80代では673万1千人)

なんですから、人口比からしても20代の標本は少なすぎます。RDD方式電話法による世論調査については、固定電話を持たない若者が増えていることから、若者の意見が反映されないという問題点が以前から指摘されており、この世論調査でもそれが如実に表れていると思います。
どうでもいいような世論調査ですが、この結果をもとに日本国民が対中環境「協力」を望んでいるなどと言われても困りますので、一言書いておきました。

何しろ日本はすでに中国に対して環境・医療分野だけでも1兆円以上の援助をしているのです。この実態を国民に周知することもなく、さらに環境「協力」なんて、国民に対する背信です。