2017年04月17日
※法事の席で、工務店をしている親戚(多少酔ってました)との会話。
「何しろアレだよ?俺らは地元密着の会社だからさ。いわゆるハウスメーカーとはワケが違うのよ、ワケがさ。
何が違うのかって?そりゃアレだよ。言っちゃぁナンだが、ヤツらは『売り逃げ』だからさ。『売って』しまえば、後の事なんざ知ったこっちゃねーのよ。お客なんざ、所詮は他人様だからね。
そこ行くってっえと、俺らは違うんだ。『お客』とは言っても、ほぼ全員が『顔見知り』だからね。ヘタぁこいたら、悪評が立って村八分って事よ!だから、売るか・売らないかじゃなくって『信用に応えられるか』が勝負なんだ。
具体的に?
まずアレだよ。キチンと総予算を伝えることだね。何しろハウスメーカーは仕事を取るために、無茶を言うんだ。『坪単価、○○万円で出来ます!』とかね。もう、俺らの常識外の金額さ。
え?相手はそれで出来るのか?
出来っこねーよ!だって『そいつら』の下で仕事してるのは『俺ら工務店』だぞ?下請けが出来ない金額を、元請けが出来るハズねーじゃんか。元請けなんて、請負金額の3割以上を『開発費』とかでハネるんだし。
じゃぁ、ハウスメーカーはどうして『そんな金額』を出せるのかっつーと『ギリギリの最低限』を設定するからさ。例えば『庭は土のままで外構工事はしない』条件とかね。実際には外構工事をしない家なんざ、ありゃしないんだから。
あとは例えば『カーテン代』や『照明器具代』だ。これが一軒分となると数十万だから、意外と馬鹿にならない。こういうのも『当初見積もり外』だね。無論、キッチンやトイレは有り得ないくらいに最低限で設定してるし。
彼らはそうして、とりあえず『お買い得』な雰囲気を演出して『客の気持ちを乗せる』んだ。一旦、お客が『買う気持ち』になると、その決定が心の中で『既定路線』になって、少々条件が悪化しても『いや、それは話が違う』とはならねーんだよ。アンカリング効果?って言うらしいな。さぁ、そこからが営業のウデの見せどころさ!
客の気持ちが『乗って』来たら、そこから『折角ですから風呂を少々グレードアップしませんか?』等と持ちかける。契約金額全体は数千万円だから『十万円アップします』とか言われても『安い』と思っちまうのさ。けど、十万は十万。決して庶民に『安い』金額じゃぁねぇよ。
結局、そうしてチョコチョコと営業マンに小銭を稼がれちまって、気づくと坪単価が『2倍』とかになってるってぇ・・・仕組みだよ。しかも大抵の場合で『増額分』は借金だから、住宅会社へ支払う金額の1.3倍くらいはローン会社に払わなきゃなんねぇ!
(※年率1%のローンとしても、35年ローンで35%の金利を支払う計算)
・・・・こんな仕事をしてて『信用』が得られると思うかい?冷静になった時に『・・・騙されたんじゃね?』と思われたら、そこで営業としてはお終いだよ。
それからな、アレだよアレ。
ヤツらハウスメーカーは『利点』しか言わねぇんだ。これが困ったモノさ!俺ンところに相談が来るんだよ!『どうにかしてくれ。こんなハズじゃなかった』って。
昔、多かったのは『間取りが変更出来ない』ってヤツだね。
何しろ2バイ4は壁で躯体をもたせてるから、構造的に壁を外す事が出来ないんだ。だからリフォームがやり難い。
それから『工事が雑』ってのもある。
何しろ『安いですよ』としか言わんからな。『安い』大工がどんなモノか、想像が付くだろ?それも赤字上等の受注金額だぞ?ヘタすりゃ材料代も出ねぇくらいさ。それでも『受ける』大工ってなぁ、どんな大工か言うまでもねぇ。
そんな大工がする仕事の『後始末』ってのは、とても出来たモンじゃねーよ。まさか『建て直した方が良いのでは』とも言えんしよぉ。
後は、デザインだな。
最近はホラ『高断熱』とかあるだろ?実は断熱をイチバン邪魔するのは『窓ガラス』だ。ガラスの断熱効果は、ほぼゼロだし。
だから、断熱を高めるには窓面積を減らすのが効くんだよ。あるだろ?妙に窓が無い家が。アレがそうだよ。けど、当然だが『窓が少ないイコール太陽光が入らない』事を意味してるから、家ン中は昼でも薄暗いわな。
逆に『明るい家』を目指して窓面積を増やせば『断熱が効かない』事になるんだ。痛し痒しだよ、全く。ペアガラス化すると高くなるし、重くなるしな・・・
『開放感』ってのも要注意だぜ。
天井を高くしたり、部屋を広く切ったりして『開放感』を出すと空調がサッパリ効かなくなるんだ。・・・空間が広がるし、特に天井を上げると折角温めた熱が全部、上に逃げるからサ。
結局、アレだぜ?
そうした『それをすると、こう言う問題点がありますよ』ってのをハウスメーカーが『言わない』のは、客を夢から現実に戻さないようにする為なんだと、俺は思う。
けどな?客は家を買ったあと、そこからは現実と戦わなきゃぁいけねぇ。そのためには『それには悪い面がありますよ』と教えなきゃぁダメだって、俺は思うんだ。そうしたマイナス面を事前に『飲める』んなら、それは問題にならないからな・・・
まぁアレだ。そうして『アレは問題、コレは問題』ってやってくとさ。結局は地味で当たり障りのねぇ、ある意味『面白み』に欠ける家になっちまうんだ。けどさ、何千万円も払って永く住む家なんだ。デケェ後悔だけは、させちゃなんねぇって思うんだよ。俺はね。
2017年04月15日
「おい、鶏。これ『エネルギー企画推進者研修』の資料な。どっかに仕舞っといてくれや」
「お疲れ様です。何か面白い話ありました?」
「無いねー。というか、何処の会社も『原単位』で苦慮してるって聞いた」
「エネルギー原単位ですか・・・」
「講師も言ってたけど『原単位の分母に床面積を使うのは止めろ』って」
「そんなに有るんですか?床面積で計算する企業って」
「あるみたいだな。ほら、ウチは電算課がデキるから細かい数字を把握するのが得意じゃんか。でも、そういう会社ばかりじゃあない。だから、てっとり早く分母を計算するには・・・」
「そうですねぇ。原単位の計算で大変なのはエネルギー使用量よりも分母の設定ですから。あまり面倒な単位を使うと計算が大変ですんで」
「もともと、原単位の話が最初に出た時から『床面積』での計算は例示されていたんだよな。1m2当たりで使うエネルギーの量だ」
「それだと、1年間の稼働時間が一定でなければ比較出来ないですよね?忙しくなって稼働時間が増えれば1m2当たりのエネルギー使用量が増えますから」
「景気が減衰傾向の時は『それ』で良かったんじゃないかな?何もしなくても勝手に『数値』が改善するから」
「なるほど。確かに、ウチの近所にも『ほとんど倉庫』になってる工場がありますし。ああいうのは、ある意味『省エネ』ですね。原単位的には、ですが」
「しかし、世の中は残念なことに『好景気』だ。こういう場合はどうしたら良い?『売上』とかなら、数字は『良くなる』ことになるのか?」
「『売上』も難しい単位ですね。なるほど、売上が良くなると工場の稼働率が上がるんで、付帯で使う照明や空調が『効率よく』使われる形になりますから原単位は『良くなる』ことになります。しかし、当然ですが減産になれば・・・」
「何もしなくても『数字が悪くなる』と」
「ウチが今、困っているのが『それ』ですね」
「そうか?会社は『そこそこ』儲かってんじゃないの?」
「ええ。ですけど、ウチの場合『その分』は夜勤とか休日出勤対応なので、エネルギー効率はあまり良くないんです。照明や空調は100人居ても10人しかいなくても、さほど変わり無いんで」
「そりゃそうだな」
「それに加えて、売上の割にエネルギー使用量の少ない『美味しい仕事』が減っているんです。逆にエネルギー使用量の割に売上が少ない仕事は増えてますし」
「すると、自動的に原単位が」
「今年度は正直、爆上げになりますね・・・」
「辛いなぁ。エネルギーの割に売上が多いってことは≒(ニアリーイコール)『参入障壁が低い仕事』だからライバルも多いし、単価も下がる」
「売上の割にエネルギー使用量の少ない仕事が減っているのは、社長の意向ですか?」
「ああ、何しろ人手不足だからな。『儲けの少ない仕事を無理して抱え込むな』という指示だ」
「そうすると、会社は『儲かる』けど、原単位は『悪くなる』と・・・構造的なジレンマですね」
「会社は儲けるために存在するモンだからさ。仕方あるまい」
「しかし、そうなると『そもそも原単位管理という考え方は成立出来るのか』って疑問になりますよね?」
「今回の研修を聞いたり周りの反応を見る限り、とても上手く行ってるようには見えないねぇ。どの道、1%単位でのコントロールなんて無理筋だしさ」
「『改善』が原単位に寄与する割合なんて、実際には1%も無いですし。それよりも景気の動向や維持管理のレベルに左右される方が大きいってのが実感ですね」
「ISO審査の『環境実施計画』は改善計画しか見ないけどなw」
「アレはいいんです。所詮、バーチャルワールドですから」
