2018年10月16日


tfj**416ことges*w*o様

おばQ様の「うそ800」に、わざわざのご依頼を頂き、ありがとうございます。
久しぶりにスイッチが入ったので、新規に記事を起こしました。

>リスクと機会についての計画書が必要です。
おそらく、この審査員御大(に限らず?)は『現場』というモノをご存知ないのでしょうね。
それはさておき、この審査員猊下が何を根拠?にそのような妄言を仰せなのか、少し調べました。

おそらく、ですが。
6 リスク及び機会への取り組み 6.1.1 一般

>組織は、次ぎに関する文書化した情報を維持しなければならない。
>−取り組む必要があるリスク及び機会
>−6.1.1〜6.1.4で必要なプロセスが計画どおりに実施されるという確信を
>もつために必要な程度の、それらのプロセス


にある、『リスクと機会の文書化』と『計画通りに実施』を無理やりくっつけているモノと推察いたします。

しかしながら、おばQ様もご指摘の通り、そもそも『リスク』は『いつ発生するか分からないもの』ですから、それが計画化出来るという理屈は有り得ません。
だとすれば、当該審査員陛下が仰せであられるのは、そうしたモノに対する『改善(又は訓練)』計画書の事では無いか?と翻訳申し上げる次第です。


さて。
世にいう所の『ISO14001 緊急事態訓練』と言えば、『水槽が溢れて構外に流れる』という想定が定番です。
つまり、何処の事業所でも『それはあるだろう』と見てるワケですね。だから『訓練しておこう』と。

では、その『溢れる』のは何故発生するのでしょうか。

・排水がいつもより多い?
・排水バルブの異常?


それらの『要因』がつまり、この場合の『リスク(不確かさ)』となります。

無論、組織としては『溢れてから対応すりゃぁ良いか』ってワケにも行きませんから、

・排水量が増えないように確認(監視測定)をする
・バルブが壊れないように定期整備をする


などの対策をしなくてはなりませんし、大抵はしてると思います。

これがつまり『リスクに対する取り組み』と言えるでしょう。
組織が(ISO云々は別として)自己防衛をするために、必要な事です。


しかしながら、点検や整備も100%を保証する事は出来ません。
『想定外』の抜け道からリスクが顕在化する可能性は常にあります。
つまり、点検や整備をしていても『異常は発生する』という事です。それも結構な確率で(笑
これは、現場で仕事をしている人間なら、誰だって知っていることです。

そうした時に。
「想定外が起きたのなら、それは仕方ないよね」とは、行きませんよね。
だって、それが構外に流出したのなら、どんな理由も言い訳も通用しないのですから。

そのため、組織は『そんな事もあろうかと』次善の策を用意しなくてはなりません。
例えば、

・水槽に水面異常センサーを取り付けて、異常信号を出す
・バルブに異常が出たら、自動的に予備側へ切り替える


などです。

これらのシステムは通常時は何の仕事もしません。
しかし、リスクが『想定外のルート』を通って突破した際には、実に有効に作用するでしょう。

これがリスクに対する『機会(opportunity)』です。

実は、この部分が日本の組織にとって『弱点』になっていると私は考えています。

何故なら多くの場合、管理者自身が『リスク発生対策を取っているのだから、リスクが顕在化することはない』と盲信してしまっているからです。
その結果として何が起こるのかは、東電の原発事故を振り返れば考えるまでもありません。
あの事故以前、東電の幹部は『事故は起こらないのだから訓練は必要ない』と言っていたそうです。

100%を保証するシステムなぞ、有り得ないと言って良いでしょう。
だからこそ、リスクに対する『万が一の備え』である『機会』が必要なのだと私は考えます。
昔、上司からは『常に、最悪の最悪を想定して備えろ』と教えられましたし。

そうして、起こりうる重大なリスクと、それに対する機会に取り組む事で。
規格にある、

– 環境マネジメントシステムが,その意図した成果を達成できる
−外部の環境状況が組織に影響を与える可能性を含め,望ましくない影響を防止又は低減する


に『適合した』と言えると考えます。
というか、リスクと機会を決定するのは『それ』が目的ですからね。

また、こうした『取り組み』はそれ自体が100%を保証出来るものではありません。
99%が、99.5%になるという程度であり『心配』が消えることはありません。
ですから、それらは常に見直しと進化が必要な場合があります。
例えば、IoT化とかですね。それが即ち、

− 継続的改善を達成する。

という事だと思います。



こうした『リスクと機会の情報』は、現場レベルであれば『担当者は知っている』ものです。何しろ『経験則』ですからね。
しかし、それをそのままにしておけば人事異動があった時に『ゼロになる』恐れとてあります。
今、日本では団塊世代のノウハウ継承が大きな課題となっています。
それはつまり、こうした情報が『個人持ち』になっていて、『組織の財産』になっていないからなんです。

そうでなくとも『今日は誰それが休みで仕事が分からなかった』という事もありますし。

そこで、『組織として』仕事を確実にするためには『仕事内容』をオープンにしなくてはならない‥‥というのがISO式の思想です。
つまり、『文書化』ですね。

規格では、特定されたリスクと機会を文書化して管理することを要求していますが、それはそういう意図だと推察します。

そして、そうしたリスクと機会について、どのように対応しているのかを明確化するのも『仕事の見える化』には不可欠でしょう。
それが『取り組み』の文書化だと私は思います。


ウチの会社では、そのようにして特定されたリスクを分類して一覧に落としてあります。
『我々が、どのようなリスクに対して、どのように対応しようとしているのか』を、視覚化するためです。
結構な量の文書を書きましたけどね(笑

でもそれは、ISO云々は別として次世代に『確実に』引き継ぐために必要なコストだと腹を括りました。


なので。
もしも『これらの文書』を計画書と呼ぶのであれば、もしかすると『そう』なのかも知れません。審査員センセイがどのように解釈するか分かりませんし、正直な所、解釈論には興味もないので。


tfj**416ことges*w*o様へ。

ISO云々は別として、必要なことは必要な事として汗を流さなくてはなりません。
不必要な事はする必要がありませんし、ヘンな曲解は逆に組織にとって『必要な事から目をそらす』効果を生むため、これを避けなくてはなりません。

私は、環境に携わるイチ個人として、ISO規格に妙チキリンな解釈を与えて『本当に必要なこと』から組織を脱線させて、審査員が納得する以外に効能のない『紙』を量産する行為を許す事が出来ません。

御社における環境管理のレベルが、馬シカの言う事を無視して、引き続き向上されることを心より祈念しております。




この記事へのコメント

1. Posted by おばQ   2018年10月16日 21:07
鶏様、復活でございますか!
涙、涙でございますよ-----
これっきり、これっきり、なんて百恵のようなことは言わないでくださいね

真面目な話、審査員になる人は公害担当者5年、国語の力は中学校卒業程度、知能指数100以上を要求しましょう。
それを満たさない人は審査員登録禁止
それで問題は解決、これリスクへの対応です(キリッ
2. Posted by ge*tw*oこと単純にwao   2018年10月16日 22:33
名古屋鶏様
おばQ様のブログへの投稿がきっかけで、
名古屋鶏様のブログが更新されて感激しています。
おばQ、名古屋鶏、ぶらっくたいがぁ三羽烏の導きがなければ、うましか審査員に翻弄され続けていたかもしれません。
これからも正しいお導きを。
なんまんだー。
ぶらっくたいがぁ様もブログを再開してもらいたいものです。
3. Posted by 名古屋鶏   2018年10月17日 19:26
おばQ様
ご無沙汰をしております。
どうにも最近はネット小説の方が本業で‥‥
4本同時連載していたものを、どうにか1本にまで絞ったので少し余裕が出来ました。

そう言えば。
ここ2年ほど更新してなかったブログですが、それでも日の訪問者は20人ほどお見えだったようです。
しかして、先日の『久しぶりの復活』で訪問者は‥‥やはり、20人ほどでした(笑
まぁ、大して変わりはないようです。
4. Posted by 名古屋鶏   2018年10月17日 19:29
ge*tw*oこと単純にwao様

お世話になります。
折角のご注文でごさいましたので、久しぶりに更新しました。
‥‥疲れましたね(笑

また、機会がございましたら‥‥
5. Posted by リス   2018年10月28日 21:37
元気に復活されて嬉しく思います。
6. Posted by 名古屋鶏   2018年10月29日 19:40
リス様
ありがとうございます。m(_ _)m
リハビリ中?につき、気が向いた時だけ更新致します。。。

今は、ネット小説の方が忙しいので申し訳ないです。

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