2008年11月27日

実を言えば。
その昔に、私の会社で最初にISO4001の認証を受けた時には”有益な側面の抽出と評価”というモノが存在いたしましてね。今にして思えばアホな話なんですが・・

システム構築の黎明期当時、アチコチの審査を見学しているときに「有益な側面云々」という話をよく聞いていたものですから、とりあえず審査で”不適合”を出さないようにするための方便として作ったワケです。どーゆー風にしたかと言えば、所謂”有益”とされる、生産性向上や品質改善のための小集団活動や、ペーパーレス活動、TPMなんかの活動を項目ごとに並べ、それを”環境への配慮”とか”市場からの要求””経済性”などの観点から0〜2点の得点をつけ、合計点が基準を超えたら”有益な著しい環境側面”として登録する、というものでした。
それらの活動は別に「著しい環境側面」でなくとも実際にチャンと動いている内容ですから、審査の際には「・・・今年はこの部分を改善して○%の不良を減らしました」とご説明申し上げ、審査員が「おぉ、それは環境にいいですね」で○が貰える、という段取りです。

この前、知り合いの事務局が「その仕組みのフォーマットと関連規定が欲しい」と言ってきたので、一式揃えて渡したんですが・・・

しかしねぇ・・・

以前に書いたんですが、そもそも環境側面に「有益」とか「有害」なんて概念は存在しないんですよ。そもそもソレが大きな間違い。
審査員さんは「有益か有害かを問わず」とあるでしょ?とか言いますがね。「それ」は”環境影響”の定義であって”環境側面”の定義じゃぁナイですよね?あくまでも「影響=結果」「側面=原因」ですから、影響=側面なんて図式は有り得ないんですよ。
何も環境に限らず、何かひとつ行動を起すと、それらよって色んな影響が出てくるんですよ。例えば乾燥炉の燃焼改善(環境側面)をして、その結果燃料の使用量が半減したとします。確かに環境的には非常に良い、誉められた行為ですし、会社経営にも貢献したと言っていいでしょう。しかし、それがために燃料を納入している業者の売上は突然に半分になるんですよ。業者にしてみれば、これは大事件ですよね。冗談じゃない!って思いますよ。地球環境を守るために、オレだけがホサれるのか!って。

どんな側面であろーとも、有益な影響と有害な影響は同時に発生します。
有益だけ、なんて都合のいい側面は有り得ないんですわ。
「え〜・・・有益な側面が・・・」
なんてホザいている審査員サマは、人生経験とゆーか、自分の人生に哲学ってぇモンが決定的に欠落している唯の日和見主義者でしかナイ、と私は思ってます。


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