顔面エリアはFGSスコアによって、
弛緩
随伴運動を伴わない自動運動
随伴運動を伴う自動運動
筋緊張亢進を伴う自動運動
の4つに分類、それぞれの病期に応じた理学療法を提供する
Initiation treatment category.
安静時顔面非対称性が中等度から重度、わずかな動きも起こせない弛緩性麻痺の患者はこのカテゴリに属する。
ソフトマッサージと自動介助運動(わずかな動きから始める 笑顔を作ったり、ガムを噛むなど大きな動きは避ける)が指導される。
Facilitation treatment category.
安静時に顔面非対称となっている軽度ー中等度麻痺(わずかに表情筋の一部を動かすことができる・・・FGS voluntary movement score 2以上かつ随伴運動を起こしていない)の患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の2通り
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
患者には個別に、筋(特に顔の中央、大・小頬骨筋が重要)を含めた軟部組織のストレッチ方法が指導される。外来フォロー時にストレッチする部位は中央から上下へと対象を広げていく
②鏡を利用した神経筋再教育
患者の表情筋コントロールによって個別に指導する。鏡を前に、左右対称、わずかな動きから始める。ゆっくりと、コントロールされた動きから徐々に表情がはっきりするよう段階づける。
大切なことはこのようなわずかな動きを鏡を見ながら行うことである。通常、患者は筋紡錘が減っているために深部覚フィードバックを受けにくい。したがってわずかな量の筋をコントロールするには鏡越しに視覚フィードバックを受けることが重要なのである。
EMGフィードバックを利用した方法も、顔面の対称性を獲得するにあたって利用される。典型的な随伴運動が生じた場合はセンサーが鳴るように設定される。 表情筋の動きが増えていくにしたがって随伴運動も出てきてしまうこと、その随伴運動を認識し、避けるよう教育されることで回復期以降の随伴運動を抑えることが期待できる。
Movement control category.
安静時に顔面非対称となっている軽度ー中等度麻痺(わずかに表情筋の全てを動かすことができる・・・FGS voluntary movement score 2以上)、かつ随伴運動が生じている患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の3通り
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
②鏡を利用した神経筋再教育
③瞑想によるリラクゼーション
この時期、顔面非対称性の主な原因は随伴運動であって各表情筋の筋出力低下によるものではなくなっている。問題点は共通していて、それは随伴運動が過度になっているという点である。
したがって神経筋再教育の治療戦略としてはゆっくりと、コントロールされた表情筋の動きを段階づけて訓練するとともに訓練している部位の他のパーツにまで随伴運動が生じないか注意深く進めることが重要である。
例えば食事、飲水、会話、表情を作る際などに随伴運動が生じてしまう、と訴える患者にはわずかな動きからエクササイズを始めるよう教育する・・・
・わずかな動きによる左右対称の笑顔を、口輪筋をコントロールしながら練習し、徐々に運動範囲を広げる
・顔面中央部の随伴運動をコントロールするときは、その動きを抑制しつつ目をゆっくり閉じるように、と指導する。
・広頚筋が動いてしまう場合には、軟部組織のマッサージと、頬骨筋を促通しつつ広頚筋の動きを抑える。そのため「オーバーアクティブ」に頬骨筋を動かすよう練習する。
その他の随伴運動についても同様、外来フォロー時に如何にして随伴運動を最小限に抑えるか指導する。
Relaxation category.
随伴運動と筋緊張亢進のために表情筋が重度に硬くなってしまった患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の3つ
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
②鏡を利用した神経筋再教育
③瞑想によるリラクゼーション
運動制限の原因は筋力低下よりも、筋の固さによる。したがってリラクゼーションが主な治療手段となる 随伴運動を起こす筋緊張を解放するために視覚イメージを伴う瞑想を行う。
例えば随伴運動を抑えるための手掛かりとして「目の周りの緊張を弱くしていきましょう」「口の中でパンパンに膨らんだ風船が、徐々にしぼんでいきます」など・・・
さらに、我々のクリニックではこのような瞑想をするにあたってリラックスできるような音楽をかけるようにCDを提供している。
典型的な神経筋再教育は20-40回×2-4セット/日だが頻度は増やしてもよい。
軟部組織のマッサージは10回×1-2セット/日
瞑想によるリラクゼーションは1-2回/日 が目安である
外来フォローは1-2か月に一回、状態に応じて以上の治療戦略を変更する。
http://ptjournal.apta.org/content/90/3/391.full
弛緩
随伴運動を伴わない自動運動
随伴運動を伴う自動運動
筋緊張亢進を伴う自動運動
の4つに分類、それぞれの病期に応じた理学療法を提供する
Initiation treatment category.
安静時顔面非対称性が中等度から重度、わずかな動きも起こせない弛緩性麻痺の患者はこのカテゴリに属する。
ソフトマッサージと自動介助運動(わずかな動きから始める 笑顔を作ったり、ガムを噛むなど大きな動きは避ける)が指導される。
Facilitation treatment category.
安静時に顔面非対称となっている軽度ー中等度麻痺(わずかに表情筋の一部を動かすことができる・・・FGS voluntary movement score 2以上かつ随伴運動を起こしていない)の患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の2通り
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
患者には個別に、筋(特に顔の中央、大・小頬骨筋が重要)を含めた軟部組織のストレッチ方法が指導される。外来フォロー時にストレッチする部位は中央から上下へと対象を広げていく
②鏡を利用した神経筋再教育
患者の表情筋コントロールによって個別に指導する。鏡を前に、左右対称、わずかな動きから始める。ゆっくりと、コントロールされた動きから徐々に表情がはっきりするよう段階づける。
大切なことはこのようなわずかな動きを鏡を見ながら行うことである。通常、患者は筋紡錘が減っているために深部覚フィードバックを受けにくい。したがってわずかな量の筋をコントロールするには鏡越しに視覚フィードバックを受けることが重要なのである。
EMGフィードバックを利用した方法も、顔面の対称性を獲得するにあたって利用される。典型的な随伴運動が生じた場合はセンサーが鳴るように設定される。 表情筋の動きが増えていくにしたがって随伴運動も出てきてしまうこと、その随伴運動を認識し、避けるよう教育されることで回復期以降の随伴運動を抑えることが期待できる。
Movement control category.
安静時に顔面非対称となっている軽度ー中等度麻痺(わずかに表情筋の全てを動かすことができる・・・FGS voluntary movement score 2以上)、かつ随伴運動が生じている患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の3通り
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
②鏡を利用した神経筋再教育
③瞑想によるリラクゼーション
この時期、顔面非対称性の主な原因は随伴運動であって各表情筋の筋出力低下によるものではなくなっている。問題点は共通していて、それは随伴運動が過度になっているという点である。
したがって神経筋再教育の治療戦略としてはゆっくりと、コントロールされた表情筋の動きを段階づけて訓練するとともに訓練している部位の他のパーツにまで随伴運動が生じないか注意深く進めることが重要である。
例えば食事、飲水、会話、表情を作る際などに随伴運動が生じてしまう、と訴える患者にはわずかな動きからエクササイズを始めるよう教育する・・・
・わずかな動きによる左右対称の笑顔を、口輪筋をコントロールしながら練習し、徐々に運動範囲を広げる
・顔面中央部の随伴運動をコントロールするときは、その動きを抑制しつつ目をゆっくり閉じるように、と指導する。
・広頚筋が動いてしまう場合には、軟部組織のマッサージと、頬骨筋を促通しつつ広頚筋の動きを抑える。そのため「オーバーアクティブ」に頬骨筋を動かすよう練習する。
その他の随伴運動についても同様、外来フォロー時に如何にして随伴運動を最小限に抑えるか指導する。
Relaxation category.
随伴運動と筋緊張亢進のために表情筋が重度に硬くなってしまった患者はこのカテゴリに属する。
理学療法は以下の3つ
①積極的な表情筋と広頚筋のモビライゼーション
②鏡を利用した神経筋再教育
③瞑想によるリラクゼーション
運動制限の原因は筋力低下よりも、筋の固さによる。したがってリラクゼーションが主な治療手段となる 随伴運動を起こす筋緊張を解放するために視覚イメージを伴う瞑想を行う。
例えば随伴運動を抑えるための手掛かりとして「目の周りの緊張を弱くしていきましょう」「口の中でパンパンに膨らんだ風船が、徐々にしぼんでいきます」など・・・
さらに、我々のクリニックではこのような瞑想をするにあたってリラックスできるような音楽をかけるようにCDを提供している。
典型的な神経筋再教育は20-40回×2-4セット/日だが頻度は増やしてもよい。
軟部組織のマッサージは10回×1-2セット/日
瞑想によるリラクゼーションは1-2回/日 が目安である
外来フォローは1-2か月に一回、状態に応じて以上の治療戦略を変更する。
http://ptjournal.apta.org/content/90/3/391.full