August 03, 2009

顕〇会体験記

いやー情けないことに宗教の勧誘に引っ掛かって半日潰してしまいました。
私は、現在とある地方都市に配属で住んでおります。そんなある日の某レンタル屋にて・・「〇〇さんじゃないですか?」といきなりフレンドリーな声。「いや、違いますけど」、「いやーあまりに似てたもので」

この辺で怪しめよって声が聞こえてきそうですが、私は基本的に近づいてくるものに最初は警戒心をあまり抱きません。相手の非がはっきりするまではとりあえず接してみるというか。しかし、近頃の勧誘は多彩なんですねえ。人違いを装って近づいてくるとは。
ゲーム理論でもありませんでしたっけ?とりあえず協力しておいて裏切るようならこっちもそうする、みたいなやつ。
まあ、それはともかくとしてそっから怒涛のマシンガントーク。最近の映画はどうだの、仕事はどうだのなぜか世間話が始まり、気付いたら「飯でもどうですか?」な展開に。どうせ暇だし、と思って付き合ったのが運の尽き。
話は下賎な世間話からいきなり

「自分の人生に納得してる?」

とかいう哲学的な話題に。あーらやっぱりそっち方面か、とこの辺で気付きました。誰だってこんなの聞かれりゃ、自信を持っては言えないでしょう。が、それなりに都市機能があって自宅周辺にスーパーと暇つぶしのレンタル屋があって、ネットさえ繋がってりゃ特に不満もないという志低すぎな私は空気読まずに

「いや、別にそこそこ納得してますねー。強いて言えば彼女でもいれば(笑)」

と返すと、すかさず

「うん、でもね。これは今が上手く行ってる人にも重要だし、必要だと思うんだ。勤行って言ってね、1日朝晩5分だけなのに実行すると功徳がどうたらこうたら」

・・・始まりました。どうあってもそっちの方向に持って行きたいようです。そっから怒涛の仏法トーク。世俗の話題でも全然話せるくせに(そりゃもう普通に友達になれそうなくらい)、教義の話題に入ると恐ろしいくらい疑問も持たずに、突っ込みどころ満載なことを語り出します。

「俺が顕〇会に入ろうとしたのはさー隙がないからさ。道理が通ってる。」

そりゃ任意の公理を自分で設定すりゃいくらでも無矛盾な理論なんて作れますがな、と聞きかじりのゲーデル先生の言葉が浮かんできましたが到底言える雰囲気じゃありません(笑)

「毎日人殺しが起こってる国なんてそんなにはないよ。今の日本は混沌としきってる」

犯罪の統計とか見たことないんですかね。日本の治安は世界屈指だし、犯罪自体も戦後直後に比べればだいぶ減ってるんですが・・・

「日本の借金は今や、1000兆を突破。財政が持たないのは目に見えているじゃないか」

これは・・おお!そこそこ的を射てるじゃないか(笑)でもそんな、国家崩壊に備えて念仏唱えて功徳を積みましょうなんて訳の分からない対策はいただけない。


まさにああ言えばこう言うです。信じきっちゃってる「あっち側の」人間ってなかなかお目にかかれないのである意味興味深かったですね(笑)
「とりあえず見るだけでも」とか言われ、最早それしか収拾がつきそうもないので一度だけ付いていく事にしました。
連れてかれたのは会館。足を踏み入れると、「勤行」とやらがちょうど始まるそうで、変な呪文を一緒に唱えさせられました。年齢構成はまさに老若男女入り乱れていましたね。一心不乱に念仏を唱える老若男女。まあ、自分もその空間にいてしまった訳ですが、不気味の一言に尽きます。
ちなみにその前に「入信報告書」なるものを記入させられ、

「入信っておかしくないですか?見るだけなのに」
「んーこれはね、形だけだから。効力はありません」

余談ですが、帰ってググッてみたらどうやらそんなの嘘っぱちで向こうとしてはこれで私は入信したことになってるようです(笑)
今後関わらなきゃいいだけの話なのでどうでもいいですがね。

ちなみに、私に近づいてきた勧誘者は、ネット上に転がってる勧誘話よりかはいくらかまともだったのかもしれません。

「功徳が出るかどうか。それは保証できない。言ったら嘘になるでしょ?」
「自分は、自分も救われたから、それを見せてみたいだけです。そっからどうするかはあなた次第です」

あるいは、この勧誘者自身の信念はそうなのかもしれません。が、この組織は伝え聞くところでは到底そんな寛容さを持ち合わせてるとは言えないようです。現に終盤には馬脚を顕します。

「あ、あのさ、お守りとかって持ってる?ああいうの持ってたら処分して欲しいんだよねー。あんなの坊さんが金儲けのために作ってるだけで偽者だから。そうしないとこっちの念仏の効果がなくなっちゃうからさー」

すげーこんなことを真面目な口調で言えるんだ、と思いましたね。ともあれ、割とリベラルな考えを持つ私に向かってこんなことを言うとはいい度胸です(笑)
このテの考えは虫唾が走りますね。
なるほど、言ってることは一理あるが、信教の自由ってご存知?自分たちだけは違うってことなんですかね。
帰りに変な数珠と本渡されて帰ってきました。これを毎朝毎晩5分ずつ、富士山の方向を向いて唱えて、といわれました。曰く、そうすれば功徳とやらが増して幸運なことが起こるんだそうです。
幸福も不幸も相対的な概念だって視点は彼らにはないようです。

まあ、朝の5分でさえ寝ていたい私がやるわけありませんが・
正直そっちの方がよっぽど有意義です。

ちなみに帰ってネットで調べてみましたが、同じような話が出るわ出るわで、ちょっと笑えました。「てにをは」が違うだけで言ってることみんな一緒なんですよね。ここまで勧誘方法がテンプレ化してるってのも見上げたものだと。

ともあれ、ある意味とんでもなかったですが、興味深い半日を過ごしました。二度とごめんですがね(笑)

社会人になってただでさえ休日の貴重さが身に染みてるってのに、これ以上念仏に割いている時間はありません。
何?どうせ暇だろって?

祈ってるよりは寝てた方がマシですがそれが何か?

ともあれ、今度から近づいてくる者にはもう少し警戒心レベルをあげるとしますかね。

「そっち系の話題」でさえなければ、本当に面白い人だったんですがねえ・・などとフォローしようとしてるのは我ながら甘いのかもしれませんがね^^;

あれだけ超越的な事象を土台にした信仰を確信的に持ちながら、普段は常識に従って日常生活を営んでいられるとは、人間とは何とも不思議な生き物ですね、とふと思いました。




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August 02, 2009

喫煙所にて

随分と間があいたものです。配属に伴う引越しやら何やらでどたばたしてたせいもありますが。
今日はとある日の喫煙所にて聞いた話です。
喫煙者は人に非ずなんて言わんばかりの昨今ですが、一種の社交の場としての喫煙所も捨てたものではありません。私のところはビル全体の会社の人が集まってきますのでたまに興味深い話を耳にすることもあります。
で、現役か元なのかは定かではありませんが、自衛隊の事情に詳しい方にたまたま会い、話を聞きました。その中で言ってた言葉でこんなものがありました。

「昔はねー。アホでもバカでも防大(防衛大)出てりゃかなりの出世が約束されてたのよ。でも今はもう違うね。〇〇(役職名ですが忘れました)までしか保証されてない。何てたって上につかえてるからね」

城さん関連のものに目を通していれば聞き飽きたくらいの構図ですが、自衛隊にまで及んでるんですね。城さんですら、「3年で辞めた若者は〜」で、「それでも絶対安定したレールに乗りたければ、広告会社か自衛隊にでも行くといい。ひょっとしたら逃げ切れるかもしれない。」
なんてことを言ってたのに。
そういえば、官庁や国家公務員は新陳代謝として、あるいは出世競争に敗れたものの行き先として天下りがその役目を果たしてますが、自衛隊ってどうなってるんでしょうかね。


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June 21, 2009

就活について


明治など4大学が「就活」スクラム、合同企業説明会開催へ
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090620-00000575-yom-soci)

昨年まで売り手市場だった有名大の学生の就職状況が今年は一転し、6月に入っても内定がない学生が大勢いる苦境に危機感を抱いた明治、法政、中央、日本女子の4大学が共催し、8月に合同企業説明会を開くことを決めた。大手企業も含め200社に参加を要請中。全国区の大学がタッグを組んで「合説」を催すのは異例で、大学側は「各校のブランド力を結集し、1人でも内定に結びつけたい」と必死だ。

 各大学では例年、5月中に複数の企業から内々定をもらう学生もおり、7月には就職希望者の8割が内々定を獲得。8月以降は、公務員試験に失敗して民間志望に変えた学生などから個別相談に応じていた。

 ところが、今年は不況の影響で企業の採用数が激減。リクルートによると、来春卒業予定の大学生・院生の就職求人倍率の推計(2月9日〜3月12日)は前年同期比0・52ポイント悪化の1・62倍で、7年ぶりの前年割れ。大企業に限ると、求人総数は約16万人で前年比23・5%減り、求人倍率は0・55倍。6月に入っても内定ゼロの学生が目立つという。

 明治大では就職希望者の5月末の内々定保有率が40%と、昨年より10ポイント減。女子だと保有率は約30%に落ち込んでいる。他校でも100社以上申し込んだのに全滅の学生がいるほか、「何度も最終面接で落とされる」(中央大)、「『迷ったら採用』が方針だった企業から、今年は『迷ったら落とす、に変えた』と言われた」(法政大)、「就職をあきらめかけている学生もいる」(日本女子大)と悲鳴を上げている。

 このため、学部生の数がいずれも3万人弱で、大手都銀やメーカーなど就職先も共通する明治、法政、中央と、女子の就職にノウハウを持つ日本女子大が協力し、合同説明会を開くことにした。


1年でこうも就活戦線が激変してるのですね。売り手だ売り手だと騒がれてた昨年までが嘘のようです。まあ、個人的にはやっとこさありつけたという感じでそんな実感ありませんでしたけども。
で、ふと思ったことなんですが昨今の若者は終身雇用を望む人も多いとかって調査結果があります。そういうのってこの就活のシステムも結構影響してるのかなと思ったり。就活を経験した人なら大抵分かると思いますが、それはほとんど自己否定されることを伴います。私の周りでも「もう就活なんてこりごりだ」って言ってる人もいますし、正直言って自分もあんなのもう1回やりたいかといわれれば答えはノーです。今の会社にずっといたいかどうかは置いといて、ですが。
理系はともかく、日本の大学教育とか普通科ルートを進んでくると職業に直結した知識は身につかない。従って面接で「さて、君は何ができるのかね?」とか言われても自信満々に答えられるわけがないんですよね。だってそういうルートを通ってきてないのだし。せいぜいインターンシップでどうのこうのとか、バイトを頑張りましたとか(余談ですが、就活中耳にした企業側の言葉では「正社員はね、バイトとは違うのだよバイトとは」という意味合いのものがありましたがいまいち気に食いませんでしたね。身分制度みたいで。)、
サークルが云々とか言うわけですが、結局具体的な実務能力はまだその段階ではありませんよね。「言えるものがないのに言わされる」というか・・とにかく意欲を伝えるしかない。もちろん企業だってそれくらいのことは分かってるんでしょうけど、面接の質問はまるで実務能力があるかのように尋ねて来ますし。
まあ、城さんが紹介するような先鋭的な人たちは別なのでしょうけど。
それでも氷河期以降、企業はそれを求めてくる。不採用通知、お祈りメールの山。新卒でレール乗り損ねたら人生おしまい・・とまでは行かなくても著しく軌道修正が困難というこの国のシステム的なプレッシャーの中で、あんな自己否定を山のように食らいまくったら多少なりとも神経おかしくなるってものです。自分も若干テンパリましたしねあの時期は。で、「あんなのもう懲り懲りだ」、って話になるんじゃないかと。
まあ、先鋭的な人たちはあっちからもこっちからも内定もらって楽しかったりとかするんでしょうけど普通の人は「もうやだこんなの」ってなるんじゃないでしょうか。
就活と転職ではまた事情が違ってくるとは思いますけどね。経験も実態も伴わない中で「さて、君は何ができるのかね。何をやってきたのかね。それは我が社において役に立つのかね」なんて無茶振りをされる就活と違って、職歴があれば「〇〇をやってきました」と一応は言えるわけですから。
この辺を修正するのってどっから手をつければいいんですかね。アカデミズムの世界とビジネスの世界のリンクというか。

それにしてもいわゆるMARCHレベルで5月末で過半数を切るとは・・去年のこの時期はスムーズに行ってればほとんどの人が決まって納得行かない人がまだ続けてるって感じだった記憶があります。
まあ、就活がどんどん早期化したり、1年前から決まってる今までが早すぎて異常だったと言われればそれはそうなんですが。別のシステムに移行したわけでもないのにこうなってるってのはやはり事態が変わってきてるようですね。




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June 08, 2009

「ハゲタカ」見てまいりました

昨日から公開されている劇場版「ハゲタカ」観に行って来ました。どっちかといえば知る人ぞ知る、的なものなので楽に入れるだろうと思ってたら意外や意外に満席で、おかげでチケットが買えずに満喫で次の時間まで時間を潰す羽目になりました。
思った以上にスリリングで面白かったですね。そして随所に時事的な問題や、現代日本への揶揄が散りばめられてました。労働問題も取り上げられてましたね。玉山鉄二演じるファンドマネージャーと期間工の会話などが特にそうです。

知ってる?派遣って人事部じゃなくて調達部が管理してるんだぜ。俺たちは部品と同じってわけ。」

まあ、派遣システムの阿漕さをどうこう言うのは別に目新しくもないですね。特に労働問題に関心があれば聞き覚えはあるでしょう。この流れからして「全く資本家ってやつぁ」ってお約束の方向に行くのかと思えば、次の玉山鉄二が

「派遣が解禁されたのは、中年の雇用を守るためさ」

としれっと言ってのけたのはちょっと驚きましたね。「うわー言っちゃったよ」と思いました。それ以上の説明が為されていなかったので、分からない人はそれ以上分からないような気もしますが。
他にも、日本のジャーナリズムなんて所詮スポンサー様には逆らえないジャーナリズム(笑)でしかないことも揶揄してましたね。
栗山千秋演じるキャスターとその上司が派遣工のデモを取材するかどうかでの場面、

「アカマからの年間広告はおよそ400億、ここでアカマからのスポンサー料が無くなったらとてもじゃないがやっていけん。それが上層部の判断だ」

マスコミが映画でボロクソに言われてる場面は山ほどありますが、ここまで生々しく揶揄してるのは、私は初めて目にしました。
ストーリーの詳細は止めときますが、本当にいろんな面で今の日本に問題点を投げかけている作品だと思います。


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May 11, 2009

現実となっている閉塞感

>>余談だが、僕の同期で大企業や新聞社に入って、格差やワープアなんて他人事とばかりに
生きてきた連中の間でも、上記のような悲観論が圧倒的だ。
もうダメだ、就職は失敗だった、毎年の海外旅行も、BMWも、子供二人を私学に
通わせることも夢のまた夢。とてもオヤジたちの世代のような暮らしは出来ない、と。
要するに、良い大学へ行って大企業に就職すれば報われるという
昭和的価値観は、 東大卒という比較的恵まれた層においても崩れ
そしてそれは将来の予測ではなく、現実となっているのだ。

特に10代20代の人は、上記の現実をおぼえておくといい。(http://blog.goo.ne.jp/jyoshige)

はい、覚えておきたいと思います(笑)。ある程度閉塞感が差し迫っているとは、知っているつもりでしたが、生の声を聞くと違いますね。まあ、「もうだめだ」の中身をよく見ると、いかにも中流的な欲望というか、「それができないことがそんなに空しいの?」って感じがしますがね。
毎年の海外旅行?BMW?そんなの要らねえしってまあ私が興味ないだけですか^^;でもこの辺りは城さん世代と、今のいわゆる「消費しない若者」世代には若干温度差がある気がしますね。
「レールに乗りさえすれば親世代と同じことができる」と思ってた世代と「ハナからそんなことができるとは思ってない」世代というか。意識的であれ、無意識的であれ、今の若年層にはそういう心理があるんじゃないですかね。もちろん、城さんの本に出てくるようなアウトサイダー達は別ですが。
このNHKの番組については、池田さんも城さんも両方ともブログで触れていますが、やはり意見は同じようですね。雇用の流動化に触れずに積極的労働政策だけしても意味ないと。
たしかにいくら椅子取りゲームに勝つ教育をしたって、椅子取りゲームに門前払いされるんじゃ意味ありませんよね。既卒なんてその典型に思えます。

一方でノンワーキングリッチと槍玉に挙げられる中高年たちは、住宅ローンでぜいぜい言って、このままじゃ破産みたいな記事も最近ありました。大部分の金融資産を握ってるはずの老人たちは、福祉の脆弱さと年金の適当さにびくついて消費もままならない。
この国の幸福度やら富は一体どこに消えているのか分からなくなりますね。

まあ、それを見越せずに家を買うのが悪い、老後資金を準備してないのが悪いんですよ。
そんな無茶な?
おや、自己責任論ってそういうことじゃなかったですか?
似たような言葉をいつも貧困層とか若者に対して投げかけているのはどこのどなた?

うーん、実に不毛ですね・・こうシミュレートしてみると自己責任って便利で危険な言葉ですね。

余談としては

>>大学院への助成金を倍に増やせば、ポスドクはみんな優秀になって、教授ポストを手に出来るのだろうか?
どちらのケースも、流動化が必須である事は明らかだ。

卒論で雇用の流動化について触れ、正規と非正規のダブルスタンダード、搾取構造について書いたときに、『高学歴ワーキングプア』を読んでいたこともあって「同様のことはアカデミズムの世界にも言える〜」と書いて話を広げようかちょっと迷った覚えがありますね。まあ、日和って止めてしまいましたが・・


sugarlessclipper at 00:38|PermalinkComments(2)TrackBack(1)