杉山茂樹のBLOGマガジン

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  • 静岡県出身。東京都在住。AB型
  • スポーツライター
  • 得意分野はサッカーでヨーロッパが厚め
  • W杯は82年のスペイン大会以降、9大会連続現地取材
  • 五輪も夏冬併せ9度取材
  • テーマは「サッカーらしさ」「サッカーっぽさ」の追求
  • 愛称はスギッチ。サッカー番長。スタジアム評論家
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【メルマガ】その解説力と采配。安永聡太郎のサッカーに注目すべき理由

 サッカー解説者と監督は、人材の供給源が元サッカー選手という点で一致する。
例外はないわけではないがごく僅か。サッカー解説者は、これから監督を目指す
その予備軍的な人材、あるいは現在は休養中ながら、密かに監督復帰を目指して
いる人によって、ほぼ占められている。

 テレビ解説を含めた評論業、すなわち、サッカーの語り部を専業にしている人
は少なそうだ。一時的ではなく、長く続けるその道のプロになって欲しいとは視
聴者の思い。しかし、この人に監督をやらせてみたら面白いと思わせる人材を、
一方で求めている。その評論を通して、知らず知らずのうちに監督としての力量
を探っている。

 JクラブのGMが、どのような基準で監督選びをしているのか定かではないが、
僕ならその評論性を、真っ先に評価の基準に据えるだろう。日本代表の監督探し
にも、その考えは十分適用できる。テレビ解説者は代表監督候補でもあるのだ。
飛躍のチャンスだと見ているが、実際に、それを踏み台にした人は多くいない。
探す側に見る目がないのか。候補者が少ないのか。

 監督が明晰な頭脳が求められている職業だとすれば、喋りも知的なムードを感
じさせる必要がある。言い換えれば、“らしい口調”の解説者は、それだけでポイ
ントが高くなる。問われているのは中身のはずだが、優劣の基準は、ともすると
雰囲気になりがちだ。

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欧州組というだけで喜ぶ時代はもう終わった。

 ホームで敗れたUAE戦。喜べない勝利に終わったタイ戦。ハリルホジッチは試合後、弁明に多くの時間を割いた。時間のなさとコンディションがよくないことを、しきりに嘆いたが、本来、これらの要素は、第3者が両チームを客観的に比較して語るべきもの。どちらかの監督が、自分たちの事情を基に一方的に語っても論理的でなく、説得力に欠ける。言い訳にしか聞こえない。

 これは、前回書いた原稿の要旨になるが、ハリルホジッチのこの手の弁明は、これからも続きそうな気がする。

 海外組のコンディションにまつわる話で「試合に出ていない選手も何人かいる。90分戦うコンディションにはない」と述べたハリルホジッチだが、それは前回だけの特殊事情に終わりそうもないからだ。

 欧州のシーズンが始まってしばらく経ち、鮮明になっているのは海外組の苦しい戦いぶりだ。先週開幕したチャンピオンズリーグに、その現状は端的に表れている。日本人が所属するチームで、今季の本大会を戦うのはレスター、ドルトムント、セビーリャの3チームだが、岡崎慎司、香川真司、清武弘嗣ともに出場機会は一切、与えられなかった。

 中でもシーズン前、さんざん持ち上げられていたレスターの岡崎は、ベンチにも入れず、スタンド観戦となった。続くバーンリー戦でも、ベンチには入ったもののピッチには立てずじまい。昨季の状況とは一変。厳しい立場に追い込まれている。

 ある程度、予想されたことではあった。昨季、このコラムでも触れたことだが、チームはその相対的なポジションの上昇に伴い、選手を補強する。前シーズンのプレミア優勝クラブが、翌シーズンも同じメンバーで戦うことはない。チャンピオンズリーグに出場するチームらしい、顔ぶれで戦おうとするので、ライバルは増える。

 2部優勝を遂げたチームが、翌シーズンも同じメンバーで1部を戦うことがないのと同じ理屈。チームは昇格しても、選手まで全員揃って1部に昇格できるわけではない。それでも岡崎は移籍リストに名を連ねず、チームに残った。それが、めでたい話となるか否かは、今シーズンの出場機会に懸かっている。飼い殺し状態になれば、めでたい話ではなくなる。選手は試合に出場してなんぼなのだ。

 日本代表にとっても好ましい話ではない。代表監督にとっては頭痛の種になる。明らかに、コンディションの悪い選手を増やすことになるからだ。
 
 もしこのままの状態が続くなら、冬の移籍市場で別のチームに移籍して、出場機会を増やして欲しい。これが、ハリルホジッチの本音だろう。

 ドルトムントの香川は岡崎より深刻だ。チーム内の変化はレスターほど激しくない。チームの立ち位置にも大きな変化はないにもかかわらず、出場機会に恵まれない。原因は香川自身の地盤沈下と言われても仕方のない状況だ。これまで4戦して、出場したのは117分。少なくとも、日本代表選手としての「コンディション」は悪化する一方だ。

 セビージャの清武は、CL出場は逃したが、次戦のエイバル戦には、スタメンフル出場。1アシストと気を吐いた。出場機会は約50%。いわば1勝1敗の状態にある。少なくとも香川より、コンディションはいい。

 さらに言えば、香川とともに日本代表で不動のスタメンを張る本田圭佑をも上回る。本田の出場時間はリーグ戦4試合で、わずか11分。ウディネーゼ戦で交代出場したのみだ。ハリルホジッチが、それほどコンディションを重視したいのなら、優先すべきは清武。彼は現状、宇佐美貴史、武藤嘉紀と4−2−3−1の3の左を争う恰好だが、宇佐美(出場時間8分)、武藤(32分)に比べても、コンディションは遙かにいい。

 コンディションの悪い選手、つまり試合にまともに出ていない選手が多すぎるために清武は浮上するわけだが、にもかかわらず従来路線で戦えば、ハリルホジッチの言い分によれば、苦戦は必至と言えるのではないか。10月のイラク戦、豪州戦、11月のサウジアラビア戦を前に、香川、本田、岡崎が、バリバリ試合で活躍するとは思えないのだ。

 サウサンプトンの吉田麻也(5試合で90分)しかり。インテルの長友佑都(5試合で180分)も危うい状況。欧州組の代表選手の中で、ちゃんと出場しているのは酒井宏樹(マルセイユ)、酒井高徳(ハンブルガー)、長谷部誠(フランクフルト)、原口元気(ヘルタ)ぐらい。いま代表から外れているが大迫勇也(ケルン)もまずまず。南野拓実(ザルツブルク)、久保裕也(ヤングボーイズ)のヨーロッパリーグ出場組も、試合に出場しているので、コンディションはいい。

 このように、試合に出ている選手、出ていない選手は、あらかじめ分かっている。コンディションの善し悪しは、招集時に察しが付いているのだ。それでも、ハリルホジッチが試合後、コンディションの問題を口にするならば、本当の問題はコンディションではないことになる。人材不足。コンディションが悪い選手を使わざるを得ない選手層の薄さだ。話はもっと深刻なのだと思う。

「なぜこの選手を選んでしまったのか。自分自身を疑問に思うことがあった。しかし、それ以上の選手がいないんだ」とは、ハリルホジッチのUAE戦後の言葉だが、それを耳にした聴衆(記者たち)は、「この監督大丈夫か」と、ハリルホジッチを疑った。日本については疑おうとしなかった。その場の空気に、油断を感じた。欧州組に対する報道と同種の油断を。

 欧州組の数が増えたことを、隔世の感だと言って目を細める時代は完全に終わったのである。

ハリルホジッチは大丈夫か? コンディションと時間の言い訳は不幸へのカウントダウン

 ひな壇に座り、記者会見に臨む機会が多いサッカー監督。とりわけ代表監督は試合前と試合後、多くの記者とテレビカメラを向こうに回し10分、15分、質問に答えることが義務付けられている。試合に勝った場合はともかく、負けた場合、特に、勝てるはずの試合を落とした場合は、なかば戦犯。さらし者のような状態になる。こちら側の目線を遮りたい気分だろう。

 日本の記者は優しいので、W杯最終予選の第1戦でUAEに敗れても、辛辣な質問が飛び出すことはなかった。外国と日本の一番の違いになる。イビチャ・オシムはあるとき、「なんで、キミたちは私を批判しないんだ」と、逆に問いかけてきたほどだが、これぞ、日本にやってきた外国人監督が何より抱くカルチャーショックに違いない。

 だが、ハリルホジッチはUAEに敗れると、記者から詰め寄られ、苦境に陥ったわけでもないのに、自分が可哀想になってしまったのだろうか、言い訳と捉えられても仕方のない言葉を次々と発した。

 言い訳には2種類ある。代表監督として口にしても大丈夫な言い訳と、口にすべきでない言い訳と。後者を数多く口にする場合は、退任の時期が近づいている場合が多い。時間の足りなさと、コンディションの悪さについて、とうとうと繰り返し語る場合だ。

 代表監督は、時間との戦いが宿命付けられている。練習をほぼ毎日行える環境にあるクラブ監督に対し、代表監督には試合前の数日のみしかその機会がない。日常的に指導を行えるのがクラブ監督。一方、年平均10回強、パッと選手を集めてパッと試合をしなければならないのが代表監督だ。選手をセレクトする目が、代表監督には何より求められる。同じサッカー監督でも、仕事の中身はずいぶん違う。

 選手を育てる力を求められているのがクラブの監督。一方、彼らが育てた選手を、自分の志向するサッカーに落とし込むのが代表監督の仕事だ。直接指導する時間は、後者にはほとんどない。選手は必ずしも、代表監督の思い描いた通りに成長していくわけではない。つい愚痴りたくなる気持ちは分かる。だが毎度、臆面もなく繰り返されると、こちらの心は離れていく。

 その昔、加茂周氏が、時間のなさをしきりに口にしたことがあった。違和感を感じたこちらは、調べてみることにした。各国代表チームの年間の合宿日数を、だ。すると、日本は何と世界で二番目に多い国だった。

 ハリルホジッチも試合後の記者会見で、時間とコンディションの問題を、幾度となく口にした。「最終的に選手全員が揃ったのは、試合の2日前だった」(UAE戦後)。「Jリーグでプレイしている選手はシーズン半ばということもあり、理想とするフィジカルコンディションには遠かった」(タイ戦後)。

 危なさを覚えずにはいられなかった。例えば、UAE。彼らが日本にやってきたのは、試合2日前の夕刻だった。日本を襲った台風のため、便に遅れが生じたのだという。つまり、日本で練習したのはわずか1日。時差も、UAEと日本の間には5時間ある。欧州と日本の時差は現在7時間なので、差は2時間のみ。日本代表の欧州組も大変だが、UAEの選手たちもかなり大変だったはずだ。

 日本で試合をすれば、10の力を8ぐらいしか発揮できないという中東勢のこれまでの戦いぶりを振り返れば、アジア予選を通して、彼らが時差の不利を潜在的に抱えている事実が浮かび上がる。彼らは日本に来るとき、地球の自転方向に進む。日本が中東に行って試合をする場合より、時差ボケは解消されにくい。西に行く方が時差ボケは起きにくいのだ。日本のグループに中東勢はUAEの他、サウジ、イラクの計3チームがいる。豪州も欧州でプレイしている選手が多いので、同じ問題を抱えている。移動の大変さについて、日本はこの組で、積極的に語れる立場にはないのだ。

 時間もコンディションも、日本だけの問題ではない。出場チームすべてに共通する話。問題の程度は、相手国との比較を通して初めて浮かび上がる。それぐらい、少し考えれば分かること。ハリルホジッチだって理解しているはず。にもかかわらず、不利を主張する。焦っているのか。あるいは、その点を突っ込まない日本人のメディアに安心しきっているのか。

 対戦する2か国のコンディションの状態を比べることは、そもそも不可能。不毛の議論だ。中立の立場でジャッジできる人は、ほぼ存在しないのだ。言い訳にはしにくいのだ。さらに言えば、その日、その場所で、試合があることはずいぶん前から分かっていることだ。コンディションを整えられなかったとの言い訳は、プロ監督として見苦しい。恥ずかしいとは思わないのだろうか。

 2006年ドイツW杯に出場したジーコジャパンの敗因は何かという話になったとき、ある人が「コンディションの問題ですよ」と、あっけらかんと言ったことを思い出す。「ピークをその何日か前に行われたドイツとの親善試合に持って行ったため、下降線を辿る中で初戦の豪州戦を迎えてしまった」のだ、と。開いた口が塞がらない状態とは、このことを指す。

 もしそれが事実だとすれば、サッカーの中身で負けることより遙かに大問題。恥ずかしい話でもあるので、口にしない方が身のためだと思うが、それをこちらに向けて発した人は、1人や2人ではなかった。コンディションのせいにすることで一件落着したがっているかのようだった。

 次戦の相手イラクは、時差に問題を抱える中東勢であり、戦争当事国。言い訳の材料はどう考えても日本より断然多い相手だ。勝っても大喜びは禁物(2次予選を戦ったアフガニスタン、シリアもそうした相手だったが)。もし万が一、引き分けたり、敗れたりしたならば、素直に頭を下げるしかない相手なのである。

 ハリルホジッチはそこで、どんな振る舞いをするのだろうか。再び、コンディションや時間の問題を口にし、メディアも同意し、素通しにすれば、いよいよ日本は危機に陥る。不幸へのカウントダウンに突入する。敗戦をコンディションのせいにする代表監督に欺される愚を、これ以上犯してはならないのだ。

【メルマガ】鮮明になるにつれて不安になる、ハリルホジッチとアギーレの一番の違い

 2018年ロシアW杯アジア最終予選。2戦して1勝1敗(勝ち点3)の日本は、
2戦2勝(勝ち点6)の豪州、サウジに続き、UAEを得失差で抑え3位につけ
ている。次戦(来月6日)の対戦相手は豪州、サウジに惜敗し、連敗スタートと
なったイラク(5位・勝ち点0)。

 イラクとは2015年1月、アジアカップ(グループリーグ第2戦)以来の対戦だ。
その時の結果は1−0の勝利。ひとつ間違えると勝ちを逃しそうな危なっかしい
スコアだが、このイチゼロに限っては、辛勝ではなかった。事件が起きそうな臭
いはしなかった。あらゆる1−0の中で最良のイチゼロ。当時、そう記した記憶
がある。

 それから1年数か月が経過。今回は、日本のいまの力を占う機会になる。ホー
ム戦なので、中立地で行われた前回より地の利がある。そのあたりを考慮しつつ、
前回と比較することで、ハリルジャパンの今後が見えてくる。その時から日本は
よくなっているのか、悪くなっているのか。

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脈々と息づく日本サッカーの悪い癖。なぜ本田圭佑は中に入り込むのか。

 タイに2−0で勝利し、最悪の事態だけは免れたハリルジャパン。これまでの経緯から見ても、本田圭佑が真ん中に入り込んでしまう弊害こそが触れるべき一番のポイントになる。前回、ザックジャパンでは、香川真司がそれと全く同じ症状を露呈させ、ブラジルW杯対コートジボワール戦の敗因につながった。

 さらに、その前の岡田ジャパンで、その症状に陥ったのは中村俊輔だった。南アW杯本大会直前までの話だが、当時、その代役として活躍した本田が現在、それを繰り返す姿を見せられると、もはや完全に日本サッカー界全体の問題として捉えるべき事象になる。
 
 何より指摘する人がいないことに驚かされる。真ん中に突っ込むサッカー、左右非対称なサッカーを、悪い症状だと思っている人が少ない。これは特定の選手に限った問題ではないのだ。監督、指導者、そしてその予備軍である解説者、評論家の責任は大きい。もちろん、日本人の悪癖に手をこまねいている時の外国人監督の責任も重いが、それだけの問題ではない。
 
 しかし例外は存在した。2010年南アW杯に臨んだ岡田監督だ。彼は、最後の最後になって手を打った。
 
 中村を外し、それまでサブ扱いだった本田をセンターフォワードとして起用。グアルディオラのバルセロナ等、欧州のいくつかのチームで採用されていた「0トップ」を岡田サンは、時の日本代表に取り入れ、現状打開を図った。自国開催の2002年大会を除けば、初の快挙となるそのベスト16入りを語る時、それは一番の要因に挙げられる。

 成果を正確に言えば、0トップそのものと言うより、0トップがもたらした副産物だ。0トップは、同時に、その両サイドで構える選手を高い位置に置く作戦でもある。大久保嘉人(左)と松井大輔(右)は、現在の本田、14年の香川、そして中村のように長時間、内に入り込むようなことはなかった。多くの時間、ポジションに従っていた。攻撃が真ん中に偏ることも、相手のサイドバックの攻撃参加に注意を怠ることもなかった。左右対称は一試合通して崩れなかった。それが強みになっていた。

 日本の悪癖に、最も正面から向き合ったサッカー。いま振り返れば、岡田ジャパンは、評価すべきサッカーを展開した。その時、0トップで主役を張った本田が、まさかその数年後、悪癖を演出する当事者になろうとは予想だにしなかった。

 攻撃が真ん中に偏るサッカーに異を唱えることなく、肯定し続けている日本。それは、日本で流行している布陣とも深く関係している。

 3−4−1−2、3−4−2−1など、サイドアタッカーを1人しか置かない布陣を採用するチームが目立つことだ。ピッチに描かれる集団のデザインは、自ずと二等辺三角形(クリスマスツリー型)になる。守備的サッカーの典型と言われるものだが、これまでにも再三、述べているが、欧州でこうしたサッカーが流行している国はない。ユーロ2016本大会に出場した国を見ても、サイドアタッカー1人の布陣を採用していた国は24か国中、イタリアとウェールズのみ。3バックを採用していたわけだが、その両国にしても、Jリーグで見かける3バックより守備的ではなかった。つまり、二等辺三角形の度合いは緩やかだった。

 いわゆる3バックが流行し始めたのは、加茂ジャパン時代(95年1月〜97年10月)の後半。とはいえ、それは3−2−2−2的で、3−4−1−2や、3−4−2−1に比べると、二等辺三角形の度合いは緩やかだった。

 第1次岡田ジャパン(97年10月〜98年6月)になると、二等辺三角形はシャープになり、3−4−1−2をほぼ4年間通して採用したトルシエジャパン時代(98年9月〜02年6月)になると、決定的になる。

 そしてそれは、ジーコジャパン時代(02年9月〜06年6月)にも受け継がれた。当初、4−2−2−2を採用していたジーコだったが、途中から3−4−1−2に変更した理由は「Jリーグで一番流行している布陣だから」(ジーコ)。

 4−2−2−2は二等辺三角形と言うより「逆Tの字型」だ。大まかに言えば、中央からせり出すようにボールを運び、真ん中が詰まったら、長躯駆け上がってきたサイドバックにボールを預けるというサッカー。3−4−1−2の前はこれが日本の主流だった。

 80年代後半、その流行を後押ししていたのは読売クラブだった。ラモス等を中心とする高い個人技を生かしたその中央突破は、新鮮かつ華麗で、そのうえ強かった。このサッカーのイメージは、僕らの年代のサッカーファンには依然、根強く残っている。いま、指導者に就いている人も同様だと思う。影響を受けなかった人はいないはずだ。

 ブラジルの流れを汲むサッカーである。ブラジルとの交流も深かったことから、日本はその影響を大いに受けることになった。日本代表監督ジーコの誕生は、その延長線上の出来事だと言える。

 根はけっこう深いのだ。多くの人が共有するこのイメージを払拭するためには、それとは真逆のサッカーをするスーパーチームが出現する必要がある。

 2010年南アW杯でベスト16入りした岡田ジャパンでもダメだった。日本のサッカーは変わらなかった。それ以上の内容と成績で、後世に名を残すような代表チームが誕生しない限り、脈々と息づく悪い癖を、根底から断ち切ることはできない。

 やはり望まれるのは、優れた代表監督だ。現状を打開するためには、2002年日韓共催W杯で韓国をベスト4に押し上げたヒディンクのような人物だ。はたして協会にその認識はあるのか。日本サッカーに迎合するようなハリルジャパンの、とりわけこの2試合の戦いぶりを見ていると、暗澹たる気持ちに誘われるのである。

長谷部誠と本田圭佑。タイ戦で ハッキリ見えた日本の「修正ポイント」

 1−0で迎えた後半26分、タイの10番、ティーラシル・ダンダのシュートをGK西川周作がファインセーブで止めていなければ、まさかの大事件に発展していたかもしれない。ひと言でいえば、西川に救われた試合。よいか悪いかを問えば、悪い試合だったにもかかわらず、監督の機嫌は上々だった。
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【メルマガ】ハリルJ、4−2−3−1の3の左ではなく右に問題がある理由

 1−2で敗れたUAE戦(9月1日)。さすがだなと思ったのは、後半17分、
ベンチに下がった清武だった。

ハリルホジッチは「コンディションを考えると50〜60分が限界だと思っていた」
と、交代は予定通りの采配だとする一方で、そのプレイに対して不満も口にした。

「前に出るFW的なプレイを期待したが、ゴールに背を向けてプレイする時間が
長かった」と。

 FW系とサイドハーフ系。4−2−3−1の3には2タイプがある。FW系ならば
4−2−1−3、サイドハーフ系なら4−4−1−1に近づく。アタッカーと言うより、
MF系である清武のキャラに従えば、布陣は4−4−1−1に近い4−2−3−1の方
が適しているが、ハリルホジッチは4−2−1−3的な4−2−3−1に清武を落とし
込もうとした。

 その割には、よくやっていたと言うのが、率直な感想だ。むしろ貢献度は高かっ
たと言うべきだろう。

 清武の逆サイドで構えているはずの本田と比較すれば、それは一目瞭然だった。
ポジションを無視するように、ほぼ常時、内に入り込んでしまった本田とは違った。
清武は4−2−1−3の3の左としては低い位置でプレイしたが、4−2−3−1の3の
枠内にはしっかり収まっていた。

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CB、GK、本田圭佑…。UAE戦の日本は「ピッチ上の問題」が噴出。

 浅野拓磨のシュートが入ったか入らなかったか。入っていれば2−2。しかし、真っ先に目を向けるべき点はそこではない。内容の悪さだ。予選は始まったばかり。残りは9試合もある。挽回できるチャンスはいくらでもあるが、内容に目をこらせば、今後に向けた不安材料が溢れんばかりに存在する。
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いつまでもあると思うなW杯出場。 下降する日本「今そこにある危機」

ヤバイぞ、アジア最終予選〜杉山茂樹×浅田真樹(後編)
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W杯予選はいきなり山場。UAE、タイはこんなに恐ろしいのだ

 ヤバイぞ、アジア最終予選〜杉山茂樹×浅田真樹(前編)

 いよいよ始まるロシアW杯アジア最終予選。グループBの日本のライバルはオーストラリア、サウジアラビア、UAE、イラク、タイ。上位2カ国は出場権を獲得。3位同士はアジアプレーオフを戦い、勝者が大陸間プレーオフに回る。
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CL本大会出場を寸前で逃した南野、久保と、五輪サッカーの関係について考察する

 セビージャの清武弘嗣、レスターの岡崎慎司、ドルトムントの香川真司。16−17のチャンピオンズリーグ(CL)本大会には3人の日本人選手が出場する。

惜しかったのは、南野拓実が所属するザルツブルグと、久保裕也が所属するヤングボーイズだ。日本期待の若手2人は、本選出場を懸けた予備予選最後のプレイオフでそれぞれ、ディナモ・ザグレブとボルシアMGに敗退。ヨーロッパリーグ(EL)に回ることになった。
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