杉山茂樹のBLOGマガジン

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[プロフィール]
  • 静岡県出身。東京都在住。AB型
  • スポーツライター
  • 得意分野はサッカーでヨーロッパが厚め
  • W杯は82年のスペイン大会以降、11大会連続現地取材
  • 五輪も夏冬併せ9度取材
  • テーマは「サッカーらしさ」「サッカーっぽさ」の追求
  • 愛称はスギッチ。サッカー番長。スタジアム評論家
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    【有料記事】サッカー日本代表は砂上の楼閣。遠藤航について「まったく心配していない」という森保監督が心配になる

     2026年W杯アジア3次予選グループCを独走する日本代表。27人のメンバーは毎度9割方変わらない。怪我人が入れ替わる程度である。予選落ちする可能性は限りなくゼロに近づく一方で、メンバーの固定化は進むばかりだ。W杯本大会に向け不安は募る。

     メンバーが固定化されることはなぜ問題なのか。1年半後に迫ったW杯本大会が心配になるのか。ここから整理したい。

     代表選手を選ぶ際、基準となる要素は何か。当落を分ける決め手は何なのか。実力、調子、体調、監督の好み、戦術、所属クラブでの出場機会、さらには選手としての格だ。

    「好み」が代表監督の独自色が反映される一番の要素であるのに対し、「所属クラブでの出場機会」と「選手としての格」では、監督は受け身の立場になる。

     前者は言い換えれば所属クラブでの実績で、後者は所属クラブの格になる。欧州クラブランクの上位リーグ及び上位チームでコンスタントに出場している選手は、監督の好みから多少外れても選ばざるを得ない。国内組は逆に選びたくても選べない状況になっている。それでも選ばない手もあるが禍根を残す。選ばなければならない選手は、監督の力の及ばぬところで決まる場合が多々あるのだ。

     代表監督が選手と交わる期間は通常、試合の3日前からだ。W杯本大会やアジアカップなどの短期集中トーナメントを除けば、監督が選手と過ごす時間は短い。練習時間も限られている。27人の優劣は招集した時点であらかた決まっている。所属クラブでどれほど出場しているか。それはスタメンを決める上で大きな要素になる。

     現在のスタメン候補は、それなりのクラブで、それなりに活躍している選手たちだ。しかし半年後、1年後、その状況に変化が起きない保証はない。選手は高確率で怪我のリスクも抱えている。

     にもかかわらず、2022年カタールW杯以降、メンバーに大きな変動はない。ベストメンバーもソラで言えるほどだ。
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    プレミアリーグ 三笘薫に軍配が上がった日本人対決 その瞬間、菅原由勢は「忍者」の動きを察知できず

     プレミアリーグ第13節は日本人対決となった。三笘薫所属のブライトン対菅原由勢所属のサウサンプトン。5位対最下位の一戦である。

     4−2−3−1の左ウイング(三笘)対5−4−1の右ウイングバック(菅原)。ただの日本人対決ではない。両者はまさに対峙する関係にあった。

     欧州で初めてプレーした日本人選手は奥寺康彦さんだ。1977−78シーズン、ケルンでの話になるが、それから47年の時を経るなかで、日本人選手同士がここまできれいにマッチアップした例は何回あっただろうか。プレミアリーグという欧州一の舞台で直接対決する姿を見せられると、新たな感激を覚える。
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    【有料記事】クリスマスツリー化するサッカー日本代表と悪化するボールを奪われる場所の関係

     就任以来6年と数か月、森保一監督は目指そうとしているサッカーを具体的に語ろうとしなかった。

    「臨機応変」。「賢くしたたかに」。「よい守備からよい攻撃へ」が精一杯。抽象的な表現でその場をやり過ごしてきた。たとえば欧州なら、それは代表監督として許されない振る舞いになる。代表監督のスタンダードが浸透していない日本だからこそ許される、ぬるま湯体質を象徴する事象になる。

     だが、W杯アジア3次予選に入り「ボールを奪ったら素早く相手の最終ラインの背後を突く」という具体的な言葉が飛び出すようになった。よほど自信があるのだろう。特に聞かれてもいないのに、唐突に自ら口を開いた格好だ。

     アジア予選を戦う相手は強豪日本に対し、引いて構えるので最終ラインの位置もおのずと低くなる。背後にスペースはない。数メートルあればいい方だ。森保監督が日本の対戦相手の監督なら分かる。カウンターサッカー。速攻。弱者が強者に対しDFの並びが整う前に少人数で攻めきろうとするサッカーだろうとイメージは湧く。強者に挑む弱者の監督の言葉ならば、好き嫌いはともかく理解できる。

     だが日本は少なくともアジアにおいては圧倒的な強者だ。ボール支配率で相手を常に上回る。3-4-2-1という守備的サッカーの定番布陣を用いても、否応なく遅攻になる。「ボールを奪ったら素早く相手の最終ラインの背後を突く」サッカーがハマる瞬間は限られる。

     それでも最終ラインの背後を突こうとすれば、攻撃のルートは真ん中になる。ボールは3-4-2-1の布陣どおり、ピッチの中央部を迫り上がるように進む。この姿。よくないサッカーの典型だと筆者は閉口したくなる。
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    サッカー日本代表の最年少が久保建英のままでいいのか 若手登用なしで膨らむ将来への不安

    連載第16回

    杉山茂樹の「看過できない」

     2026年W杯アジア3次予選で、日本は10戦中6試合を消化して5勝1分。勝ち点16を挙げ、2位オーストラリアに勝ち点9差、3位(プレーオフ行き)インドネシアに10差をつけ、グループCで首位を独走する。

     得点は21で失点は2だ。W杯出場は7戦目に当たる次戦(バーレーン戦)に勝利を収めればその瞬間、決まる。ヒリヒリ感ゼロ。感動、感激の少ないこの好成績をどう見るか。
     楽勝になることはアジアの出場枠が4.5から8.5になった瞬間、読めていた。わかりきっていたと言うべきである。実力と出場枠の関係で、日本が世界で最も楽な立場にある国であることはハッキリしているのだ。史上まれに見る緩い環境である。
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    サッカー日本代表がアーセナルと戦えば...守田英正、「こう崩せ」と言わんばかりの攻撃に屈す

     2024−25シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)には12人の日本人選手に出場の可能性があると言われていた。しかし、伊藤洋輝(バイエルン)、冨安健洋(アーセナル)、川村拓磨(ザルツブルク)の3人はケガのためいまのところ出番なし。上田綺世(フェイエノールト)もケガで第4節からベンチ外となった。昨季、特進をはたし脚光を浴びた遠藤航(リバプール)は今季これまで、アディショナルタイムに1試合出場したのみだ。

     コンスタントに出場している選手はセルティックの3人(旗手怜央、前田大然、古橋亨梧)とチェイス・アンリ(シュツットガルト)、荻原拓也(ディナモ・ザグレブ)、南野拓実(モナコ)、守田英正(スポルティング)の7人で、森保ジャパンのスタメンクラスでは南野と守田のふたりに限られる。
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    【有料記事】八村塁不在の日本サッカー界。協会、監督に異を唱えるべきは誰なのか

     サッカーは様々な価値観がうごめく混沌とした世界。他の競技の比ではない。W杯予選への参加国は210。国連加盟数(196)をも上回る。地球の津々浦々まで浸透している果てしない世界。加えて決め手となるデータが決定的に少ないというサッカーの特殊性も輪を掛ける。

     選択肢はほぼ無限。おのずと作戦も多岐にわたる。異論反論を含む様々な意見が巷に溢れることになる。サッカーの本質はそこにある。それを学んだのは欧州取材を通してだが、それに従えばサッカーの進歩発展は意見の総量に比例する。

     だが一方で、ネットの普及と比例するように書き込みを怖がる人が急造。意見が述べにくい環境が急速に進行した。監督、選手は当たり障りのないコメントしか口にしなくなっている。

     欧州人に言わせれば、日本や韓国など東アジア圏の書き込みは欧州などに比べると陰湿だとのことだ。たかがサッカーの話である。人の生死が掛かる政治や経済の話をしているわけではない。極めてライトな趣味の話、好みの話をしているにもかかわらず、ネットというアンダーグラウンドな世界では重く暗く、時に攻撃的になる。

     そうならないためにはどうすればいいか。ヒントは依然、表の世界に立つ人間が自由に意見を述べ合う環境にある欧州にある。評論家、監督、指導者。メディアもその中に含まれる。その覚悟がない人。自らの意見を控えようとする人には職業的な適性がないと言いたくなる。それは鬱積する不満のガスを抜く役割をも果たすからだ。
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    三笘薫、忍者のごとき決勝弾 アタッカー陣中、唯一のフル出場でブライトンの勝利に貢献

     代表戦ウィーク明けのプレミアリーグ、三笘薫所属のブライトン(6位)はアウェーでボーンマス(12位)と対戦した。

     前回の代表戦ウィーク明けの試合(10月19日/ニューカッスル戦)では、今季初めてベンチスタートとなった三笘。しかし、この日は一転、フルタイム出場を果たした。4−2−3−1のアタッカー陣のなかで唯一、である。10月のW杯アジア3次予選(サウジアラビア戦、オーストラリア戦)では2試合連続先発出場だったのに対し、今回(インドネシア戦、中国戦)は1試合だったことと関係があるかもしれない。
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    サッカー日本代表が最速でW杯出場権を獲得しても素直に喜べない 「ぬるま湯」がもたらす大問題

    連載第15回

    
杉山茂樹の「看過できない」

     4−0で勝利したインドネシア戦後の会見で、地元の女性記者に「インドネシアにW杯本大会を戦う力はあるか」と尋ねられた森保一監督は、「イエス」と答えた。筆者はリップサービスと推測。その試合の原稿に「インドネシアにその力はない」と記している。

     だが、インドネシアは続くサウジアラビア戦に2−0で勝利を収め、勝ち点6でグループCの3位(プレーオフ圏内)に浮上。本大会を戦う力はともかく、出場する可能性は膨らんでいる。日本にホームで0−4のスコアで大敗したチームに、である。
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    サッカー日本代表の攻撃陣が機能しない理由 なぜ所属クラブと異なる起用法をするのか

     2026年W杯アジア3次予選。第5戦のインドネシア戦までで2位オーストラリアに勝ち点差7をつけ、独走状態に入っている日本の6戦目の相手は、初戦で7−0の勝利を収めている中国とのアウェー戦だった。

     ホームでの初戦を振り返れば、7−0とは言いながら、2点目を奪ったのは前半アディショナルタイム。そこまで日本は格下相手に攻めあぐねていた。圧倒的にボールを支配するも、ゴールに迫れずにいた。前半12分に挙げた遠藤航の得点もCKからのヘディング弾と、セットプレーからだった。決定的なチャンスはもちろん、惜しいチャンスが頻繁にあったわけではなかった。
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    サッカー日本代表が「カウンターを食らいやすい」理由 インドネシアに大勝も問題を露呈

     熱狂度の高いアウェー戦を4−0で勝利すれば、普通ならば万々歳だ。無条件に大喜びしたくなる快勝である。しかしこの試合は例外だった。

     2026年W杯アジア3次予選、インドネシア戦。世の中に数ある4−0のなかでも、悪いほうから数えて何番目かに入るような、まるで褒められない内容の一戦だった。

     インドネシアのシン・テヨン監督は試合後の会見で「最初の1点を我々が取っていたら結果は変わっていたかもしれない」と述べている。半分は同意したくなる分析である。「変わっていた」は引き分けか、日本の敗戦を指すが、それは言いすぎとしても、日本が苦戦を強いられたことは確かだろう。
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    サッカー日本代表に重大懸念 三笘薫がウイングバックに入れば「サイドバック」は消えゆく運命に

    連載第14回

    杉山茂樹の「看過できない」

     日本代表のストロングポイントをズバリ言えば、いいウインガーが数多く揃っている点にある。たとえば11月10日(現地時間)、バルセロナ戦で抜群のプレーを披露した久保建英だ。レアル・ソシエダの右ウイングとしてスタメン出場を果たすや、相手の逆を突く細かなステップでバルサDFを翻弄。「うまい選手はうまい選手に弱い」という格言どおり、久保のドリブル&フェイントは、今季これまで好調だったバルサの調子を狂わせるに十分な出来だった。

     その格言は、その前日の9日、マンチェスター・シティに逆転勝ちを収めたブライトンの左ウイング、三笘薫にも少なからずあてはまった。一昨季のチャンピオンズリーグ(CL)覇者でありプレミアリーグ4連覇中の王者を、持ち前のドリブルで大いに慌てさせた。
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