真実は勝利した瞬間より敗れた瞬間に描き出される。とりわけサッカーはそうした性格を持つスポーツだ。Jリーグにしても、高校選手権にしても、W杯にしても、現在行われているU-23アジア選手権にしても、勝者はわずか1チーム。優勝チームを除くすべてのチームは、敗者として舞台を後にすることになる。

 惜しかった。よくやった。何やってるんだ……。優勝した瞬間より、敗退が決まった瞬間の方が抱く感想の種類は豊富だ。褒める人もいれば、怒る人もいる。惜しい負けなのか。まさかの敗退なのか。拍手を送りたくなる敗戦か。それともブーイングを送りたくなる腹の立つ敗戦か。先行きは暗いのか、明るいのか。

 相手との力関係にも左右される。格上に敗れたのか、格下に敗れたのか。

 監督の采配にも目を向けたくなる。あらゆる手段を講じたにもかかわらず敗れたのか。手をこまねいたまま敗れたのか。

 敗戦の内訳は実に様々だ。ヨハン・クライフがこちらに語った名言「勝つときは少々汚くてもいいが、負けるときには美しく」には、思わず納得させられる。サッカーは勝ち方より、負け方が問われている競技といっても過言ではない。U-23アジア選手権の敗れ方は、そうした意味において最悪だった。3試合ともまさかの結果だった。多くの人が森保監督解任を叫ぶのは当然だろう。

 擁護する人は言う。
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