2018年10月17日

星野君の二塁打

今日は小学校の教科書に載っているお話を紹介します。

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(打てる、きっと打てるぞ!)

星野君は、強くバットをにぎり直した。

(監督の指示は、バントだけれど、今は打てそうな気がするんだ。どうしよう……。)

ピッチャーが第一球を投げ込んできた。星野君は反射的に、思いきりバットを振った。

バットの真ん中に当たったボールは、ぐうんとのびて、セカンドとショートの間をあざやかに抜いた。

ヒット! ヒット! 二塁打だ。

ヒットを打った星野君は、二塁の上に直立して、思わずガッツポーズをとった。

この一打が星野君の所属するチームを勝利に導き、市内野球選手権大会出場を決めたのだ。

その翌日も、チームのメンバーは、練習を休まなかった。決められた午後一時に、町のグラウンドに集まって、焼けつくような太陽の下で、かた慣らしのキャッチボールを始めた。

そこへ、監督の別府さんが姿を現した。

そして、「みんな、今日は少し話があるんだ。こっちへ来てくれないか。」と言って、大きなかしの木かげであぐらをかいた。

選手たちは、別府さんの周りに集まり、半円をえがいて座った。

「みんな、昨日はよくやってくれたね。おかげで、ぼくらのチームは待望の選手権大会に出場できることになった。

本当なら心から、『おめでとう。』と言いたいところだが、ぼくにはどうも、それができないんだ。」

別府さんの重々しい口調に、選手たちは、ただごとではなさそうなふんいきを感じた。

別府さんは、ひざの上に横たえたバットを両手でゆっくり回していたが、それを止めて、静かに言葉を続けた。

「ぼくが、このチームのかんとくになる時、君たちは、喜んでぼくをむかえてくれると言った。

そこでぼくは、君たちと相談して、チームの約束を決めたんだ。

一旦決めた以上は、それを守るのは当然だと思う。

そして、試合のときなどに、チームの作戦として決めたことは、絶対に守ってほしいという話もした。

君たちは、これにも気持ちよく賛成してくれた。

そうしたことを君たちがしっかり守って練習を続けてきたおかげで、ぼくらのチームも、かなり力が付いてきたと思っている。

だが、昨日ぼくは、どうしても納得できない経験をしたんだ。」

ここまで聞いた時、星野君はなんとなく(これは自分のことかな。)と思った。

けれども自分がしかられるわけはないと思い返した。

(確かにぼくは昨日、バントを命じられたのに、バットをふった。それはチームの約束を破ったことになるかもしれない。しかしその結果、ぼくらのチームが勝ったじゃないか。)

その時別府さんは、ひざの上のバットをコツンと地面に置いた。

そしてななめ右前にすわっている星野君の顔を、正面から見た。

「はっきり言おう。ぼくは、昨日の星野君の二塁打が納得できないんだ。バントで岩田君を二塁へ送る。これがあの時チームで決めた作戦だった。星野君は不服らしかったが、とにかくそれを承知した。いったん承知しておきながら、勝手に打って出た。小さく言えば、ぼくとの約束を破り、大きく言えば、チームの輪を乱したことになるんだ。」

「だけど、二塁打を打って、このチームを救ったんですから。」

と、星野君のヒットでホームをふんだ岩田君が、助け船を出した。

「いや、いくら結果がよかったからといって、約束を破ったことに変わりはないんだ。いいか、みんな、野球はただ勝てばいいんじゃないんだよ。

健康な体を作ると同時に、団体競技として、協同の精神を養うためのものなんだ。ぎせいの精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会をよくすることなんか、とてもできないんだよ。」

別府さんの口調に熱がこもる。そのほおが赤くなるにつれ、星野君の顔からは、血の気が引いていった。選手たちは、みんな、頭を深く垂れてしまった。

「星野君はいい選手だ。おしいと思う。しかし、だからといって、ぼくはチームの約束を破り、輪を乱した者を、そのままにしておくわけにはいかない。」

そこまで聞くと、思わずみんなは顔を上げて、別府さんを見た。星野君だけが、じっとうつむいたまま、石のように動かなかった。

「ぼくは、今度の大会で星野君の出場を禁じたいと思う。そして、しっかりと反省してほしいんだ。そのために、ぼくらは大会で負けるかもしれない。

しかし、それはしかたのないことと、思ってもらうよりしようがない。」

星野君はじっと、なみだをこらえていた。

別府さんを中心とした少年選手たちの半円は、しばらく、そのまま動かなかった。


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皆さんは、この文章を読んでどう思うでしょうか?

いろいろな意見があると思いますが、もしこれがプロ野球だったらこれは当然の処分だと思います。

しかし、私たちの職場ではプロであるのに監督の指示に従わない人がいると思うのです。

私が以前働いていた警察では、拝命するとすぐに地方公務員法の「上司の命令に従う義務」を教えられます。

もちろん法律に違反するような指示に従う必要はありませんが、言われたことに従ってもらえなければ給料を払うことはできないと思うのです。

皆さんの会社には、小学校の教科書に載っている程度のことができない人がいないでしょうか?


今日のひとこと
「どんな仕事をしてもらうかを決めるのは、上司の仕事です!」


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2018年10月16日

ビニールハウスが飛んだ!

20181014_130646昨日は京丸園さんのCL(建設的な生き方)を学ぶ会でした。

京丸園さんが「GAP普及大賞2018」を受賞したことは昨日のブログで紹介しましたが、来月には服部農園さんからうれしい報告がありそうです。

こうしてみんなで良い刺激をしあって成長していけたらと思っています。

さて、昨日の京丸園のCL楽習会では、先日あった台風の話題が多く出ました。

その中で、台風によってビニールハウスを飛ばされた方から次のような質問が出ました。

「私の農園では、先日の台風によっていくつかのビニールハウスのビニールが飛ばされました。

台風が過ぎた翌朝、すべての畑の被害の状況を見回ったところ、数か所の畑では骨組みまで飛ばされていました。

しかし、その骨組みによって隣接する家を傷つけた様子がなかったので、収穫間近のビニールハウスに行って作業をしていました。

20181014_130706すると一週間くらいたったころに隣家から連絡があり、「お宅のハウスの骨組みがあたって家の壁に傷がついているのに、どうして謝りに来ないんだ」と電話がありました。

すぐに行ってみると、確かに傷がついていて、その近くに骨組みが置いてありました。

その方によると、通るのに邪魔になるので、飛んできた骨組みをどかしておいてくれたそうです。

そこで、その場で気づかなかったことを謝り、すぐに保険会社に問い合わせをしたところ「私の入っている保険では、この事故は保険の対象にはならない」と言われてしまいました。

そこで、二度ほど「申し訳ないのですが、そちらのお宅の火災保険をつかってもらえませんか?」とお願いに行ったのですが、二度とも不在で会えていません。

こうした場合、こうしたお願いをしてもよいものでしょうか?

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もし皆さんが当事者なら、どのようにするでしょうか?

20181014_130656私は保険会社の人間ではないので、保険のことはわかりません。

ただ私が気になったことは、訪問して会えなかった時に置手紙やメモを残してきたかどうかです!

今回の場合、台風が過ぎた後も、先方から連絡がくるまで気づかずに放置していたわけです。

そのため、先方からは「とぼけている」と見られてもしかたがない状況です。

こうした場合は、特に注意して連絡をとり、こまめに状況を伝える必要があると思うのです。

そうしないと話しがこじれる恐れが十分にあると思うのです。

こちらに問題があった場合は、単に謝ることが目的ではなく、こちらの誠意や謝意を伝えることが目的です。

それなのに、もしメモを残しておかなかったら、それきり放置していると思われても仕方がないと思うのです。

人に謝罪する場合、早い時点で相手に信頼してもらうことが重要です。

20181015_205537そのためには、「すぐに謝罪に駆けつけること」や、訪問したのに不在だった場合は「メモを残す」といった先方に対する気遣いがとても重要になると思うのです。

皆さんは、そうしたポイントをしっかり意識しているでしょうか?

繰り返しますが、ただ謝ることが謝罪ではなく、こちらの誠意と謝意を伝えることが謝罪なのです!

今日のひとこと
「謝罪とは、謝ることではなく、こちらの謝意や誠意を伝えることです!」


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2018年10月15日

59歳の挑戦

DSCF1198昨日は、「静岡経営塾 in 富山」を主宰してくださった石川自動車の石川社長の案内で富山の町の観光をしました。

その中でも高岡市の国宝「瑞龍寺」は、圧巻でした!

市内観光の後、新しく事務所を移転した石川自動車さんで、新しい事務所にかける石川社長の思いを話してもらいました。

石川社長は私と同じ59歳です。

その年齢で大きなお金をかけて事務所を移転するのです。

DSCF1200私などは「少しずつ仕事を減らしていこう」と考える年齢なのに、本当にすごい方だと思うのです。

静岡経営塾に毎月参加するために、840㎞の距離を往復して8年間通い続けてくれています。

今日は富山県の景色と石川社長の会社に対する思いを紹介します。

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DSCF2333私は、28年間お世話になった自動車会社を退職して、45歳で自動車の整備工場を創業しました。

だから、社員さんの目線で、どんな会社がいい会社かを考えてきたつもりです。

まして私は整備士ではないので車を壊すことはできるのですが、車の修理ができません。

DSCF2337社員さんに助けてもらうしかないのです。

そんな私を信じて小さなプレハブの事務所や整備工場へ働きに来てくれた整備士さんや事務員さんに幸せになってほしいと願いながら15年近く歩んできたつもりです。

創業の時から、お客様や相手の方々に喜んでいただける様に小回りの利く対応と安心する利便性を大事にして取り組んで来ました。

DSCF1180そのおかげで応援してくださる方たちに恵まれて、創立から2年で法人成りをしました。

そして社員さんも一人から二人、二人から三人に増えていきました。

そして今から2年前の11月に、近くの不動産屋の会長さんが「石川さん、整備工場に向いた建物と土地がありますから、良かったら見て見ませんか?」と言って会社に来たのです。

DSCF1185「そんなに言われるなら」と、そこから話が始まり、翌年には無事、この土地を取得をすることが出来ました。

私が静岡経営塾に入るきっかけは、杉井さんと厚志さんのCDの中で、厚志さんが「あなたは、何の為にこの仕事、事業をしているのですか?」そして「これからこの仕事や事業をどのようにしていきたいのですか?」「どのような仲間と働いていきたいのですか?」という話をしていました。

DSCF1172その問いに答えることが大事だと思い、静岡経営塾に入ることにしました。

こうして私は、自分で出来ない仕事は多くの方々の力を借りて歩んできました。

会社を始めたころには、私ができない板金塗装の仕事や事故車の修理を、初めてお願い行ったクボタ自動車の会長さんが「わかったちゃ」の一言で面識のない私の仕事を受けて下さりました。

自分の力で出来ない事は、周りの方々のご指導や支えを頂いて乗り越えてきて、何とか昨年の12月から新しい社屋に移設することができました。

DSCF1170振り返ると、多くの方々に応援をして頂いてここまで歩んでくることが出来たと思います。

これからは、さらに夢を描いて社員さんたちと力を合わせて笑顔で元気になり、喜びが広がる様に行動していきたいと思います。

本当にありがとうございました。

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その後、「GAP普及大賞2018」を受賞して東京大学でのシンポジュウムに参加してきた京丸園の鈴木社長から、GAPについての説明と報告がありました。

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DSCF1152これまでの農業では、人に用事を頼むときに「ちょっと水をかけといて」というような頼み方をしていました。

しかしそれでは人によってやり方が異なり、同じ作業を頼んでいても結果に違いが出てしまいます。

DSCF1157そこで「何時何分に、どの位置に、どのくらいの量の水をかけるのか?」を明確にしていくことによって品質の管理をしていく取り組みをGAPと言います。

決して、言っていることとやっていることの違いが大きい人がもらう賞ではありません!(笑)

DSCF1168この賞がもらえたのは、杉井さんと法政大学で行われた日本産業カウンセリング学会でCL(建設的な生き方)を使った取り組みで、「ナビゲーションマップ」などの取り組みを発表したおかげです。

「ナビゲーションマップ」というのは、その人がどの仕事をどのレベルでできるかを表にしたものですが、そうしたこれまでの取り組みが認められて今回の受賞になったのです。

DSCF1121私の会社には障害を持った方が多いので、この仕事はできてもこの仕事はできないということがあるので、次は何をやってもらうかを判断するうえでとても役に立つのです。

そのときに蒔いておいた種が、こうやって、今、花咲いたのです。

産業カウンセリング学会の壁は高かったですが、挑戦しておいて本当によかったと思っています。

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DSC_1283

どうせ一度の人生なら、皆さんも挑戦してみませんか?

今日のひとこと
「出来るかどうかではなく、人生は夢を見て、本気で挑戦したほうがおもしろくなります!」


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sugiiyasuyuki at 10:30|PermalinkComments(113)