2008年03月

2008年03月08日

すごいです  part2

ひち、はち、きゅウーっ、じゅう、じゅういち、じゅウにィーっ!、じゅウさンーっ!

 さて、元気はないけどさっきの続きです。鎮静系の薬剤の話ね。その前に患者さんたちにありがちなもう一つの誤解。“眠くならない薬は弱いクスリで、眠くなる薬は強いクスリ”だっ!これは一概に大間違いとは言わないけれども、基本的に眠くなるか眠くならないかはその薬が中枢移行(頭の中に入ること  くわしく言うと血液脳関門を突破すること)するかどうかの問題で、ヒスタミン受容体との親和性とは関係ないのです。

ヒスタミンは花粉に関作された肥満細胞から分泌されておる。そのヒスタミンていう体内物質が細胞のヒスタミン受容体ってところにくっつくと鼻やらのどやらの粘膜が超過敏になっちゃって水をどばーって分泌するようになり、少し遅れて粘膜がどかーんと腫れてくる、ってのがだいたい花粉症の流れだな。

抗ヒスタミン薬って薬はこのヒスタミンの受容体にヒスタミンの代わりにくっついて、ヒスタミンの作用を抑制することでアレルギーの流れを止めているのです。さて、さっき“親和性”って言葉が出てきましたが、この受容体のくっつきやすさを“ヒスタミン受容体に対する親和性”というふうに呼ぶのです。そしてこの親和性は個体個体によって少しづつ違うようなんですね。つまり、花粉症の患者さんが100人いたとする。“80人に効きました”って薬と“10人にしか効きませんでした”って薬があったとする。すると“おー、80人に効いたほうをくれーっ”ってなるでしょ。でもここで考えてみましょう。あなたの受容体は効かなかった20人の方に近かったとしたら?もしくは10人にしか効かなかった薬の方により近い親和性を持っていたとしたら?“あなたにとっては”80人に効いた薬はなんの役にも立たず、10人にしか効かなかった薬こそがあなたにぴったりな薬ということになります。おわかりでしょうか?花粉症治療に用いられる抗ヒスタミン薬に関して言えば、統計はほとんど意味がなく、患者さん一人一人にパーソナルな治療薬が行き届かないと意味がないのです。

さあ、ここでもう一つ考えてみましょうか。あなたの受容体にぴったりの薬は見つかりました。でもこの薬は中枢移行が多く眠くなります。もう一つの薬はまったく眠くなりませんがあなたの受容体にほとんど親和性がなく効きません。どっちを飲みますか?当然答えは前者、ということになります。何が言いたいのか。鎮静系か非鎮静系かは花粉症治療の本質から離れてしまっているということです。効かないと意味がない。当然であります。つまり、たとえ非鎮静系の薬剤であっても患者さん一人一人に効く薬を探すためのバリエーションとして存在意義は重要なのです。おわかりいただけましたかね?

花粉症治療に寄せられる患者さんたちの質問は、ほんとにたくさんあります。“市販の薬って効きますか?”“点鼻って効くんですか?”“毎日飲まないといけないんですか?”などなどなど。文字にするとすごい長さになっちゃうから、あとは診察室でお話ししますね。平日の午前中だとゆっくりお話しできるんだけどなー。

ほんじゃ、また。






sugiura_ent_clinic at 15:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

……すごいですね…

 いち、に、さァんっ!、よん、ご、ろォくっ!(世界のナベアツ)

すごいね、八王子の花粉。予想はしていましたが、大したもんです。かくいうおいらも花粉症なのですっかりやられていてえらい目にあってる。でもがんばって点鼻してるおかげで診療には差し支えありません。予報では今日は“非常に多い”。皆様、ご自愛くださいませ。治療のご用命は…ってこういうのを病院は法律上してはいけないんですよ。知ってました?

ところで、予報の明日以降ずらっと並んでいる“猛烈に多い”って… やっぱ“非常に多い”より多いのかな?たまらんねー。

時々“いやぁー、きたねーシーズンがっ!”ってちょっとうれしそうに言っちゃう不謹慎な先生がいるけど、おいらは患者さんたちとお話しできる時間が短くなっちゃうし、何より自分が花粉症なので“花粉なんてなきゃいいのになぁ”と本気で思います。治療法はいろいろ研究の進む花粉症ですが、一番大事な“なぜ花粉症になってしまうのか”的な研究はあまりなされていません。何が原因でアレルギーが賦活化されるのか?研究が進まない理由は、どの病気もそうなのですが原因を調べるのは難しいということなんです。いま起きている状態はいくらでも再現が可能ですが、変化の過程は再現が難しい。花粉症が発症する原因を知るにはまだ何年もあるいは何十年もかかるかも知れません。

花粉症の患者さんたちが受診しておいらと交わす会話で最も多いのが“この薬、眠くなりますか?”だっ!この質問、簡単なようで実は大変難しい。花粉症に最も多く用いられている治療薬は“抗ヒスタミン薬”といわれる内服薬(一部点鼻、点眼薬にも使われている)ですが、こいつが眠くなる素です。脳内におけるヒスタミン作用の抑制が眠気につながるってことなんですが、どの薬も理論上は飲まないよりは眠くなるはず(中には脳内移行が0かもしくは極めて0に近くまったく眠くないを謳っている薬剤も存在する)。これらの薬はそれぞれに臨床試験を行い(平たく言うと人体実験ね)ある程度どのくらい眠いかを測っています。それで現在のところ“ほとんど眠くならない”という結果を得た薬剤が“非鎮静系”と呼ばれ、それ以外が“鎮静系”という風に分類されています。アメリカでは“鎮静系”と知りつつ服用し車を運転した場合、罰せられる法律がある州が存在するとか。大変です。

“おーい、非鎮静系のクスリをくれーっ!”って声が聞こえてきそうですが、ちょっと待った。ここらはすごく難しい。“鎮静系”の薬剤が大事な理由を説明するので、もうちょっと待ってて。開院時間になっちゃったから。今日診療終わって元気があったらがんばりまーす。ほんじゃ、また。

sugiura_ent_clinic at 09:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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