歯周病専門医サイトブログ

歯周病専門分野のブログです。 横浜市 大船駅徒歩3分、大船駅北口歯科

口腔内細菌の話:その3

2016年 9月26日(月曜日)です。

始めに休診案内です。

10月7日(金)
10月8日(土)
は、日本歯周病学会参加のため休診となります。

私自身多くの学会に参加していますが、
私の基礎となるのがこの日本歯周病学会です。

学会でざまざまなことを吸収してくるよう頑張ってきます。

また20年以上 この学会に参加していることもあり、
同じ歯周病専門医との関わりも強く、
学会で会う先生と話をすることも毎回とでも楽しみなことです。

患者様にはご不自由をおかけします。




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今日のテーマは、『口腔内細菌の話:その3』になります。


さて このリーズも3回目になりました。


今回のシリーズはかなり難しい話になっていますが、
本日もご覧下さい。



虫歯は夜間作られる

前回のブログでは、虫歯細菌(好気性菌)の一部は、多くの糖(ショ糖)から(乳酸)という歯を溶かす成分をつくることを解説しました。

飲食物として糖が供給されなくなると 
糖(ショ糖)から合成され細菌内に貯蔵した
水溶性の粘液性多糖体(グルカン および フルクタン)を利用し、
持続して(乳酸)などを産生するため、虫歯(脱灰)が起きてしまいます。

虫歯が夜間作られるというのは、
食物がなくなった後でも 細菌内に蓄えられた粘液性多糖体をエネルギー源として利用しながら
酸(乳酸)を産生し続けるためなのです。


好気性菌 から 嫌気性菌への変貌 ー 嫌気性菌はどんどんと増殖していく ー


今までの2回のブログでも説明しましたように口腔内細菌には、
好気性菌酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌) と
嫌気性菌(酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌)
が存在します。

歯周病細菌として問題なのは、嫌気性菌です。

今までのブログの内容をまとめると

細菌の増殖の成り立ちとして
歯の表面(歯根面)に付着したペリクル表面に好気性菌が増殖します。

そして、食物のショ糖を利用して
粘液性多糖体が作られたり、
細菌の繊毛 等により
細菌が凝集してきます。

そしてバイオフィルムが形成されます。

すると バイオフィルム中では、
どんどんと嫌気性菌の増殖が多くなってきます。

好気性菌から嫌気性菌への変化です。

また、歯肉のにプラークが沈着してくると
歯肉に炎症(腫れる)が起こります。

歯肉が腫れると歯周ポケット内部から歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)が大量に分泌されるようになってきます。

嫌気性菌にとって歯肉溝滲出液(アミノ酸)は、
栄養源ですから
栄養源を得た嫌気性菌はどんどんと増えていきます。

歯周ポケット内部のアミノ酸は、唾液中のアミノ酸より20〜25倍多く、
歯周病細菌にとっては食事に困らない快適な環境と言えます。
                   *Fine D H:Periodontol 2000,1995

また、嫌気性菌により歯周組織は破壊され、歯周ポケットがどんどんと深くなりますので、
酸素の嫌いな嫌気性菌にとっては絶好の環境になってくるのです。

細菌の増殖は、十分な栄養があれば、1時間もたたないうちに2倍となります。


歯周病の原因となる代表的な嫌気性菌
慢性歯周炎の原因となる代表的な嫌気性菌には以下の3種類があります。

P g 菌:ポリフィロモナス ジンジバリス菌(Porphyromonas gingivalis)
T f菌:タネレーラ フォーサイシア菌(Tannerella forsythia)
T d菌:トレポネーマ デンティコーラ菌(Treponema denticola)
         *細菌の名称は良く変わります 上記は2011年時点での名称です
これらの嫌気性菌の病原性は毒素によって決まります。

この毒素には
外毒素
内毒素 があります。

外毒素は、細菌の内部から分泌されます。

タンパク質を分解する酵素を産生し、
歯周組織を構成するコラーゲン組織を破壊します。

コラーゲン組織が破壊されると歯肉は出血しやすくなります。

外毒素として有名なのが 赤痢菌 や 破傷風菌 の神経毒、
コレラ菌 や 大腸菌 の腸管毒です。

また 内毒素は、細菌の構成成分である外膜です。

以下のような多彩な生理活性があり、さまざまな病原性に関わっています。
・ 発熱性
血液を凝固させ血管障害を起こす
細胞障害作用 
骨吸収を起こす
・ 血液を介して内毒素が侵入くるとShwartzman反応という強い炎症反応がみられる
・ 一度に大量の内毒素が入り込むと内毒性のショック死を起こすことがある


上記以外にも まだまだ さまざまな病原性にかかわっています。

かなり難しい話になってしまいました。


次回も続きをご覧下さい。







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口腔内細菌:その2

2016年 9月12日(月曜日)です。


9月15日(木曜日)まで休診となります。

ご不自由をおかけします。

緊急の際には当医院HPよりメールでご相談下さい。
休診中のメール連絡先

また休診中の予約は以下のオンライン予約をご利用下さい。
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今日のテーマは、
『口腔内細菌』になります。

今日も難しい話しになります。

このシリーズを始めて見られた方は、前回をご覧になって下さい。


細菌の成り立ち
口腔内細菌は、単独で悪さをするというよりは、集団で悪さをします。

この細菌の集団をバイオフィルムと言います。

それではバイオフィルムの成り立ちについて解説します。

歯の表面(歯根面)には、
ペリクル(唾液の糖タンパク質)という薄い膜が存在します。
               *Marsh P D,et al:J Ind Microbiol,1995

これは、細菌(好気性菌)が出す(乳酸)から歯を守る重要な働きをしているのです。

虫歯細菌(好気性菌)は、
(乳酸)という歯を溶かす成分を出します。

(乳酸)より歯が溶けていくのです。

ペリクルは、
虫歯細菌による酸から歯を守るバリアーと思って下さい。

しかし、バリアーである反面 細菌が付着しやすくなっているのも事実です。

また、歯肉縁プラーク細菌(好気性菌)の中には 食物中のショ糖から粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものが多くあります。

口腔内細菌の中には、細菌自体が歯面に付着しやすい構造(線毛 等)を持っているものもありますが、歯面に付着しにくい細菌は粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を介して凝集していきます。

また、細菌同士が情報伝達を行い、細菌が凝集するのです。

細菌同士が手に手をとって集まる状態を共凝集と言います。

かなり難しい話になりました。

まとめると以下のようになります。

歯の表面(歯根面)には、
ペリクル(唾液の糖タンパク質)という薄い膜が形成されます。

このペリクルに付着しやすい細菌(好気性菌 Streptococcus、 Actinomyces)が住みつきます。

この時の細菌(好気性菌)は、歯周病にとって悪性度の低い菌と思って下さい。

さらに この細菌(好気性菌)に
嫌気性菌( Fusobacterium nucleatum )が付着します。
              *Kolenbrander P E:J Applied Bacteriol,1993

この細菌( 嫌気性菌:Fusobacterium nucleatum )に
歯周病に悪性度の高い細菌
P g菌:Porphyromonas gingivalis 
T f菌: Tannerella forsythia
T d菌 : Treponema denticola
が付着していきます。
            *Socransky S S,et al:J Clin Periodontol,1998

善玉菌、仲介菌、悪玉菌の順番に共凝集していくのです。

こうして細菌の塊ができていくのです。

細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
         *細菌の名称は良く変わります 上記は2011年時点での名称です


バイオフィルムは細菌の集合体
先に説明しましたように
多くの細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
                 * Donlan R M,et al:Clin Microbiol Rev,2002

バイオフィルムを他の例えで表現すると
台所のシンクをきれいに洗っていないと
「ヌルヌル ヌメヌメ」としてきます。

この「ヌルヌル ヌメヌメ」
バイオフィルムなのです。

バイオフィルムは細菌の住処です。

バリアーと言ってもいいでしょう。

このバイオフィルムがあると外来からの影響を受けにくくなります

通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり
唾液の抗菌作用により
細菌が繁殖するのが抑えられます。

しかし、バイオフィルムの中に生息する細菌は、
唾液の影響を受けにくくなるため
バイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。

飲食後(食物を摂取後) 虫歯細菌(好気性菌)の一部は、
多くの糖(ショ糖)から(乳酸)という歯を溶かす成分をつくります。

バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、
産生した酸(乳酸)の拡散を防ぎ
唾液に流されないため局所に留まります(停滞する)

そのため、虫歯予防をするためには、
バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。

簡単に言えば歯磨きを行うことです。

今日も少し難しかったですね。


次回も本日の続きです。





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口腔内細菌

2016年9月 5日(月曜日)です。

始めに9月の長期休診案内です。

9月10日(土曜日)〜9月15日(木曜日)まで休診となります。

長い期間の休診のためご不自由をおかけします。





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今日のテーマは、
『口腔内細菌』になります。

虫歯 や 歯周病 は、細菌がいなければ起こらない病気であり、
この細菌をコントロールすることが予防につながるのです。

この話はだいぶ前にもしたことがあったのですが、
口腔内細菌を学ぶことは
歯周病 や 虫歯の予防を知るために非常に重要なことです。

それでは 今回から数回に分けて解説します


1.私達の身体は細菌だらけ!
人間は一生の中で無菌の状態でいられるのは胎内で過ごす期間だけです。

出生するとすぐに細菌感染を起こし、生体の各所で菌の増殖が始まります。

一度細菌感染した部位は一生排除されずに定着するものも少なくないのです。

つまり 私達の生体は細菌と共存している状態なのです。



2.歯周病は感染症!
歯周病細菌はどこから感染すると思いますか?

例えば、侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)の原因菌とされる
Aa菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)は、
大人から大人へと感染することはなく、
まだ 永久歯が生えそろわない
10歳頃に大人から子供へ感染することが研究により分かっています。
                             * Slos J:Scand J Dent Res,1976

これは子供の口腔内は まだ細菌のグループが安定していないため、
外来から感染を起こします。

また、抗生剤を長期服用していた場合などは、
口腔内の健康な細菌グループがいったんいなくなるため、
新たに細菌の環境がそろう前に細菌に感染する可能性があります。

 * 細菌の名称はよく変わります 上記は2011年時点での名称です。
   旧名は、Actinobacillus actinomycetemcomitansです。
 * 1999年以前に思春期前歯肉炎、若年性歯周炎、急速進行性歯周と
  呼ばれていたものを まとめて侵襲性歯周炎と分類しています。

その他の歯周病細菌についても夫婦間 や 親子間 で感染していることが
多くの研究で明らかにされています。
                       * Greenstein G, et al:J Periodontol,1997
                       * Petit M D A,et al:J Periodont Res,1993

唾液を介した感染が主なルートであれば、
歯周病治療後の再感染を防止したり
、歯周病細菌を持っている人が そうでない人に移さないようにすることは重要です。

歯周病治療を行う場合には、ご本人の治療を行うだけでなく、
生活を共にしている家族全ての人の治療が必要ということになります。



3.口腔内には細菌がいっぱい!
人間の身体にはさまざまな部位で細菌が生息しています。

口腔内に生存する細菌の種類
500〜700種類と言われています。

口腔内に存在するデンタルプラーク中の細菌はものすごい数です。

デンタルプラーク1mg当たりの細菌の数は
1億個も存在します。

デンタルプラークは細菌の塊なのです。

「えーそんなに細菌がいるの?」
と思われるかと思います。

しかし、口腔内に生息する細菌が全て問題なのではありません。

正常細菌叢(せいじょう さいきんそう)と言われる細菌は、
健康な身体に住み着く細菌です。

これらの正常細菌叢は、
外部からの絶えまなく侵入してくる病原微生物からの攻撃を防御しているのです。

細菌が存在することは決して悪いことではないのです。

外出から帰ってきたり、食事の前に手を洗うことは非常に有効です。

しかし、これにより細菌がいなくなるわけではありません。

その理由について解説します。
例えば、皮膚に存在する常在細菌は、1 cm2当 たり10.000個存在しています。

これらの常在細菌は、適切な手洗い(水、石けん等の使用)で90%以上 除去されます。

しかし、除去される細菌は表層のみであり、
毛嚢(もうのう)や汗腺(かんせん)の深部に定着している細菌は容易に除去できないため、
数時間経つとこれらの細菌が増殖し元の状態に戻ってしまいます。

ただし、これが悪いわけではありません。

常在細菌は常にバランスを保っており、
特定の細菌が増えないようにコントロールされているのです。

しかし、衛生面を極度に意識し、
過剰な消毒を繰り返すことによりそのバランスが崩れて悪影響を及ぼすこともあります。

口腔内の細菌もそうです。

先程説明したように 口腔内の歯垢(しこう)には、
1mg当たりの細菌の数は1億個も存在します。

唾液には、
1ml当たり1.000.000〜10.000.000.000個 存在しています。

これは正常な状態なのです。

問題となるのは、細菌のバランス種類 なのです。


4.好気性菌 と 嫌気性菌とは?
口腔内の細菌を理解するためには、
好気性菌
嫌気性菌 という2つの細菌を知ることが必要です。

口腔内には大きく分けて
好気性菌(こうきせいきん) と
嫌気性菌(けんきせいきん)
が存在します。

好気性菌は、
酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌です。
嫌気性菌は、
酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌です。

先程デンタルプラークには 多くの細菌が生息していると説明しましたが、
歯周病で問題となる 歯肉の中の歯周ポケット内部に存在する
デンタルプラークの中に生息する細菌のほとんどは、嫌気性菌なのです。

嫌気性菌が歯周病の原因となるのです。

reation2


つまり歯周ポケット の内部には 酸素が嫌いな嫌気性菌 が生息しているのです。

「歯周ポケットの中は酸素がないの?」
ということですが、
歯周ポケット内部の酸素濃度1%以下です。
(ちなみに私達が生活する空気中の酸素濃度は21%です)

歯周ポケットは、酸素が嫌いな嫌気性菌(歯周病にとって悪い菌)にとっては
とても住み心地が良い場所なのです。


喫煙者は、非喫煙者と比較して、
歯周病の進行は 6倍以上も早い という論文データがあります。

この理由(原因)の一つとして 喫煙者の歯周ポケット内部の酸素濃度は正常状態(非喫煙者)の半分程度というデータからも 喫煙者は嫌気性菌が繁殖しやすい環境であることが分かります。


5.細菌の栄養源
口腔内の細菌はなにを栄養源として生きているのでしょうか?
口腔内細菌が必要とする栄養源は、細菌の種類により非常に複雑なものがあります。

私達が口腔内に見える汚れを「歯肉縁プラーク」と言います。

それに対し歯周ポケット内部に存在する汚れを「歯肉縁プラーク」と言います。

口腔内に見える汚れの中に生息する細菌(歯肉縁プラーク細菌)
の主な栄養源は唾液中のアミノ酸です。

歯肉縁上プラーク細菌とは、
好気性菌のことです。

酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌ですね。
また、好気性菌は、
唾液以外にも 食物と共に取り込む ショ糖 や ブドウ糖、果糖 を利用する細菌も多く存在します。

決して細菌(好気性菌の多くは)は、食物を栄養源としているのではないのです。
主な栄養源は唾液なのです。

しかし、唾液中には抗菌性物質が存在しており、
唾液は細菌を殺す働きもあるのです。

唾液は細菌を退治する非常に重要な面(抗菌性)を持っていると共に
唾液中のアミノ酸は、細菌の栄養源ともなっているのです。

それに対して 歯周ポケット 内部に生息する細菌(歯肉縁プラーク細菌:嫌気性菌)の主な栄養源は歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)のアミノ酸です。
                           *Goodson J M:Periodontol 2000,1994
歯肉溝滲出液とは、
歯周ポケット内部からでる液体のことです。

正常状態では、歯周ポケット内部を1分で満たす程度の割合で分泌されています。

歯肉溝滲出液は、単に嫌気性菌の栄養源になっているだけではありません。
歯肉溝滲出液は、
歯周ポケット内部に侵入してきた細菌を洗い流す働きがあります。

また、この歯肉溝滲出液には、
細菌を撃退する成分(抗菌成分)も含まれています。

例えて言うと、
鼻の穴の中に外来から侵入してきた物に対して、鼻汁が出て洗い流したり、
目にゴミが入った場合には、涙が出て洗い流すのと同じようなことです。

生体の防御反応といってもいいでしょう。

しかし、この防御としての歯肉溝滲出液は、細菌の栄養源ともなるのです。

また、細菌の中には、他の細菌が出す代謝産物である乳酸を利用するものもあります。

もちろん歯周ポケット内部の細菌とは、酸素が嫌いな嫌気性菌(歯周病にとって悪い菌)のことです。


この続きはまた次回のブログで解説します。



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最新歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー)

2016年 8月29日(月曜日)です。


今日から明日にかけて台風が接近します。

当医院は、
明日(8月30日:火曜日)も朝から予約でいっぱいですが、
来院される方も大変なことと思いますので、
無理をなさらないで下さい。

本日(8月29日:月曜日)は、休診ですので、
キャンセルがございましたら
メールで承ります。

以下からキャンセルメールをお願い致します。
予約キャンセルメール


よろしくお願い致します。



また9月には長期的に休診期間があります。
9月10日(土曜日)〜9月15日(木曜日)まで休診となります。

長い期間の休診のためご不自由をおかけします。




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今日のテーマは、
『最新歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー)』になります。

PDTとは、
Photo Dynamic Therapy(フォトダイナミックセラピー)の略で、
日本語では光線力学療法と言います。

それではこのPDTは、
今までの歯周病治療となにが違うのでしょうか?

まず歯周病とはなにか?(どのような病気か?)
という話しからしたいと思います。

歯周病は、歯周病細菌による感染症です。

歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に汚れ(食べかす)等が入り込み感染を起こします。
kensa_05


そのため、歯周病の基本的な治療として、
歯周ポケット内部に溜まっている汚れ(歯石 等)を取り除く治療を行います。

この治療をスケーリング ルートプレーニング(SRP)と言います。

このルートプレーニングが分かると
この後のPDTがが理解しやすくなりやすくなりますので
ご存知ない方はご覧になって下さい。
pmtc3

ルートプレーニングの図


模型で歯周ポケット検査を行っている動画


模型を使用してルートプレーニングを行っている動画

このルートプレーニングは、歯周病の基本中の基本です。

歯周ポケットが6ミリ程度であれば、ほとんどがこのルートプレーニングで治ることが多いです。

ルートプレーニングという治療法を大雑把に説明すれば、
耳かき と同じような行為です。

つまり、耳の中に溜まっている 汚れ(耳垢)を機械的に取り除くのが耳かきです。

ルートプレーニングも歯周ポケットという歯と歯肉の隙間に入ってしまった 汚れ(歯石 等)を機械的に取り除く治療法です。

現在の歯周病治療では、これ以上確実な治療法はありません。

このルートプレーニングという治療法は、長い年月行われている治療であり、
歯周病を治す最も確実的な治療法であることは間違いのないことです。

また、ルートプレーニングで治らないような重度歯周病の場合には、
『歯周外科処置(フラップ オペレーション)』 という治療法も行われます。

しかし、これらの治療法には欠点もあります。
ルートプレーニングや 『歯周外科処置(フラップ オペレーション)』により
歯周ポケット内部の歯石を取り除くことは可能ですが、
歯石 等の感染物質を取り除く際に
歯周病細菌が
歯周ポケット内部に散らばって残ってしまうことがあります。

もちろん始めの細菌の数によってもこうしたことには差があります。

大量の細菌が残ると それが元になり、歯周病が再発することがあります。

実際に 侵襲性(急速破壊性)歯周炎 と言われる重度歯周病の場合には、
感染している細菌の数が多く、ルートプレーニング だけで全ての歯周病細菌を取り除くことは難しいのです。

PDT(フォトダイナミックセラピー)は、今までの歯周病治療とはまったく考え方が違う治療法です。

PDTは、光によって活性化する薬品(光活性剤)を
歯周病ポケット内部に注入し
光を照射することによって、
この薬品を活性化して除菌する方法です。

PDT単独で行う場合には、
麻酔を行う必要性がありませんし、
1歯 約1分で終了(除菌)可能です。
(後で記載しますが、基本的にPDTは単独で行う治療法ではなく、ルートプレーニングと併用することで効果がある補助的治療法です)

ちなみに 重度歯周病の場合、先程のルートプレーニングを行うと
約1時間(当医院では、通常 1回の処置で 約7歯分を行います)かかります。
もちろん麻酔が必要です。

前回までの内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療と違い、
抗生剤を服用しないため、耐性菌のリスクが少ないため、生体に優しい治療法と言えます。


それでは 実際の使用方法について解説します。


まず、歯周ポケット内部にバイオジェル(光活性剤)を入れます。

次に歯周ポケット内部に光エネルギーを約1分間照射します。

大まかな流れはこれで終了です。

非常に簡単な治療です。

図で見てみましょう!
スライド1


痛みはありませんし、非常に短時間で行えます。

それでは、詳細の話しになります。

ちょっと難しい話しになりますが…

まず、使用するバイオジェルですが、0.01%のメチレン-ブルー色素を含む中性リン酸緩衝液で、
この色素は、歯周病細菌(グラム陰性菌 および グラム陽性菌 の細胞壁を構成するリポポリサッカライド、糖脂質の脂質)に得意的に結合します。

簡単に言えば、歯周ポケット内部にバイオジェルを入れると歯周病細菌と結合(くっつく)ということです。

このバイオジェルは光感受性物質と言い、
光を吸着すると 化学反応が起こり活性酸素を発生させることができます。

この時に使用する光エネルギーは、「Periowave」という装置を使用します。

「Periowave」は、670nmの波長で 220mWの低出力光エネルギーです。

発熱を起こすこともないため、痛みを感じることはありません。

光エネルギー(Periowave)を照射することにより、色素(バイオジェル)が結合した歯周病細菌は破壊されます。
このバイオジェル(色素)は、人間の身体の細胞には結合しません。

また、光が照射される1〜2ミリが有効範囲であるため、その効果は限局的です。

そのため、ピンポイントでバイオジェル(色素)を塗布し、光を照射することが必要です。

以下は、「Periowave」という光エネルギーを照射する装置です。

非常に小さいものです。
スライド2



これでだいぶPDTについて分かってきたと思います。

次回はさらにこの続きの解説です。






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歯周病の方は糖尿病が悪化する

2016年 8月22日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病の方は糖尿病が悪化する』になります。


歯周病 と 糖尿病 には非常に深い関連性があります。

糖尿病の方が歯周病になる確立は、
糖尿病ではない方と比較すると 2倍以上 歯周病になる
ことが多くの研究により分かってきています。

また、糖尿病の方が歯周病になると重症化しやすいことも分かっています。

別の言い方をすれば
歯周病が進行している方は、
糖尿病が悪化しやすい(血糖値がコントロールしにくい)ことも分かっています。

また、歯周病治療を行なうことで 
糖尿病(HbA1c)が改善してくることも分かっています。

日本の成人の人口は約9534万人です。

このうち約1067万人が糖尿病人口とされています。

日本の成人の糖尿病有病率は11.2%
されています。

もちろん予備軍も入れるともっともっと多いでしょう。

年齢層別に見ると
40〜59歳では約355万人
60〜79歳では約648万人
となっています。

これは歯周病に罹患する年齢と同じ傾向となっています。

それでは なぜ糖尿病の方は 歯周病になりやすいのでしょうか?

これにはいくつもの理由があります。

まず生体の防御機構があります。

人は外部からの 細菌 や ウイルス の感染よる防御を行なっています。

歯周病は、歯周病細菌による感染症ですので、
風邪等と同じような感染症と言えます。

歯周病細菌による感染が起こった時に
それを防御するための生体の抵抗力が十分にある場合には
歯周病は広がりにくいです。

しかし、糖尿病が進行した方の場合、
生体の防御機構が弱まっていることがあり、
歯周病細菌が繁殖しやすい傾向にあります。


また糖尿病と言えば
高カロリー等の食生活習慣に問題があることは
みなさんご存知のことと思います。

糖尿病となる原因として
食生活以外にも
睡眠、運動、ストレス、喫煙…
さまざまな歯周病を悪化させる要因があります。

実は歯周病も同じです。
歯周病が悪化する原因は、
糖尿病と同じで、
さまざまな生活習慣が関連してきます。

そのため、糖尿病が悪化した方の場合、
歯周病も悪化する傾向があります。

糖尿病になると
歯周病が悪化する原因には以下のようなことがあります。

高血糖が続くと浸透圧の関係で尿がたくさん出ます。

その結果、体内の水分が減少します。

口渇が起こるのは高血糖の特徴とも言えます。

これにより唾液の分泌量も減ります。

唾液は抗菌性が非常に高く、
唾液が分泌されることで口腔内の細菌が増えるのをコントロールしています。

血糖値が高くなることで
唾液が減少し、
結果的に口腔内細菌が増えていくのです。

また、歯周病になると
歯周ポケットという深い溝中で細菌が増殖していきます。

歯周病細菌の出す 毒素により 
歯周組織は破壊されていきます。

もちろん生体はこの破壊された組織の修復を行なうわけです。

指等を切った時に傷口が治るのと同じようなことです。

この際に血糖値が高い方では、
組織の修復力が低く、悪化しやすい傾向にあります。

また血糖値が高い状態が長く続くと
血管にも影響ができてきます。

糖尿病の合併症として
足の壊死 や 失明があります。

特に末梢の血管に影響が起こることが多いため、
上記のような部位に問題が起こりやすいのです。

歯周病の末梢の血管があつまる部位ですから
組織の修復を妨げるため、
高血糖の方は、歯周病が悪化しやすいのです。

さてこれで 糖尿病の方が歯周病になりやすいことが少し分かったかと思います。

次に
歯周病の方が血糖値が高くなる原因について解説します。

歯周病は歯周病細菌による感染症です。

歯周病細菌は、歯周ポケット内部や口腔内のさまざまなところに存在しています。

特に問題となるのが、深い歯周ポケットです。

歯周ポケット内部で繁殖した歯周病細菌は、
毛細血管を通して全身にまわっていきます。

こうした状態を菌血症と言います。

先にも書きましたように人間は、
生体内に侵入した細菌やウイルスに対して
抵抗性をもちます。

この抵抗性を示すのがサイトカインというものです。

この さまざまなサイトカインは、
細菌の増殖を抑えるか働きもあるのですが、
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きも阻害してしまいます。

こうした状態を インスリン抵抗性 といいます。

インスリンの抵抗性が高くなることで
血糖値の安定が得られにくくなります。






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     院長履歴

1993年 神奈川歯科
      大学卒業
1993年 同大学歯周
      病学講座
      入局
1999年 日本歯周病
      学会
      専門医取得
1999年 東京都にて
      杉山歯科
      医院開業
2003年 I.T.Iメンバー
      認定
2005年 国際口腔
      インプラント
      学会認定医
      取得
2006年 大船駅北口
      歯科
      インプラント
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