4/11(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『Full Mouth Disinfection:歯周病細菌除去療法 その1』になります。


前回の歯周病ブログでは、『歯周病治療と菌血症』というテーマで解説しました。
前回のブログを見られていない方のために 簡単に説明しますと
歯周病は歯周病細菌による感染症 です。
歯周ポケット という 歯 と 歯肉の隙間から汚れが入り込み、歯肉を腫れさせたり、歯を支えている骨を吸収させる病気です。
つまり、歯周病の患者様は、歯肉の内部(歯周ポケット )に汚れ(歯周病細菌)がいっぱい存在しているということです。
こうした汚れ(細菌)が歯周病治療(抜歯 等の他の歯科治療でも起こります)を行うことにより、身体の中(血管内)に侵入することを菌血症と言います。
このような話しを聞くと怖い感じがあるかもしれませんが、心配はいりません。
健康な方であれば身体の中に入った細菌は、1時間もしないうちにいなくなるため、問題となることはありません。

本日から解説するFull Mouth Disinfection(歯周病細菌除去療法)という治療は、この菌血症と関係ある内容です。

Full Mouth Disinfection(歯周病細菌除去療法)の話しの前に 歯周病の一般的な治療法(ルートプレーニング )について解説します。
このルートプレーニング が分からないと先には進めないからです。

歯周病の原因は、『歯』と『歯肉の境目』に付着した汚れ(食べかす)がその境目の内部に侵入することから始まります。
この『歯』と『歯肉の境目』のことを専門用語で
『歯周ポケット』と言います。

測定方法は、『プローブ』(写真1)と言われる細い器具を 歯周ポケットに入れて計測します。(図1、写真2)
inspection1

歯周病ポケットについてもっと分かりやすくするために、
以下の動画をご覧になって下さい。
最初の動画は、『プローブ』を実際にみていただきます。(16秒)

次の 動画は、模型を使用し、下顎前歯部の『歯周ポケット検査』を行っているところです。(22秒)

プローブが歯肉の中に入っていくことが分かるかと思います。
動画では、3〜5ミリ程度『プローブ』が歯肉の中に入っています。
痛そうに見えますが、『プローブ』は非常に細いものですし、
無理矢理 押し込んでいるのではありませんので、痛みはほとんどありません。

次に、実際の口腔内で『歯周ポケット検査』を行っているところを見てみましょう!
この動画の方は、歯周ポケットは、1〜2ミリ程度しかありません。
(19秒)

これで、歯周ポケットがお分かりになったと思います。

歯磨きがきちんとできないと この歯周ポケットの周囲に汚れ(食べかす)が付着します。
次第にその汚れが歯周ポケット内部に入り込んでしまうのです。
歯周ポケットに入り込んだ汚れは 歯ブラシでは取ることができません。
そのため、汚れは どんどんと歯周ポケット内部に侵入していきます。
歯周ポケットが3ミリ程度になると『歯肉炎』と言われる状態になります。
歯肉が炎症を起こしており、歯ブラシにて出血することがあります。
しかし、歯を支えている骨は溶けておらず、歯肉のみの炎症です。
歯ブラシをしっかり行うことと、歯石を除去することで治ります。

歯周ポケットの内部に侵入した汚れは、歯の根の中に べったり とへばりつきます。
この汚れのことを『歯石』と言います。
聞いたことがありますよね。

歯石の除去 は歯科医院で経験されたことがある方も多いかと思います。
しかし、そうした場合に行う『歯石の除去』とは、歯肉の上に見える部分を取り除いているだけで、
歯周ポケットの内部に侵入した『歯石の除去』とは違うのです。
『歯周ポケットの内部に侵入した歯石の除去』は、歯肉に麻酔をして行うことが必要です。
この『歯周ポケットの内部に侵入した歯石の除去』を専門用語で
ルートプレーニングと言います。
または、『SRP(scaling root planing:スケーリング・ルートプレーニング)』とも言います。
ここでようやくルートプレーニングがでてきました。

『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』は、1回の治療で1歯ずつ行うのではなく、4〜7歯程度を一度に行います。
この時の治療時間は約30〜60分になります。

口腔内全体が歯周病の場合、全ての歯の『SRP』が終了するのに約4〜6回の治療回数がかかります。(上下顎合計で28歯全て存在する場合です)
患者様自身も 1回に口を開けていられる限界時間は 1時間程度ですので、
約4〜6回の治療回数に分けて行うことは一般的です。
これが、通常の『SRP』の進め方 と覚えておいて下さい。
この通常の『SRP』のことを『コンベンショナルSRP』とも言います。
『コンベンショナル』とは『ふつうの、古くからある、ありきたりの』という意味です。

このへんから本題に近い話しになります。
この『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』にも欠点があるのです。

歯周病は、細菌感染(歯周病細菌)によって起る疾患です。
先程説明しました汚れ(食べかす)が『歯周ポケット』内部へと侵入することです。
その治療として先程『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』について説明しました。

そして治療の進め方として 1回の治療で4〜7歯程度を行うため、
口腔内全体が歯周病の場合には 治療回数は4〜6回になります。
通常、『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』は、1週間に1〜2回程度行うペースが最適です。
もし、これが、1ヶ月に1回というようなペースで行った場合には、問題が生じる可能性があります。

つまり、『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』によって歯肉の内部がきれいになった(除菌)されたとしても、
他の部位がまだ汚れていれば、『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』した部位にも 再度新たな感染が生じてしまう可能性があります。
ある程度短期間で行う必要性があることが『SRP:スケーリング・ルートプレーニング』にとって重要なのです。
これが欠点でもあります。

その欠点を回避するための方法が今回のテーマとなる治療法なのです。
この治療法については、次回解説します。
そして、この治療法が菌血症と関係があるのです。

全ての治療には利点もあれば、欠点もあります。
それぞれの特徴と患者様にどのような治療法が適しているのか?
をきちんと見極めることが大切なのです。

次回の歯周病ブログは、4月18日(月)になります。



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