2015年、香港のゲーム総売上は世界第6位となりました。総人口が他の国と比べることができない情況下でも香港がランキング第6位となったことは、香港市場に巨大な潜在力が秘められていることの現れでしょう。しかし、香港のゲームユーザーを調査すると、総数は少ない割に課金ユーザーが比較的多く、その中でも重課金ユーザーが多いことが分かりました。これこそが、香港ゲーム市場の総売上が高い理由となっています。 

国と地区 総売上(百万) 
アメリカ10734.4USD 
日本3776.5USD 
イギリス2628.2USD 
韓国2555.9USD 
香港252.3USD 

香港の各ゲームジャンルにおけるユーザーの増長率
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2015年、香港のゲームユーザー数は200万人に達しており、総人口数の約28%を占めています。そして5年後には420万人を超える見込みです。全体から見ると、香港ゲーム市場は将来的に拡大の一途を辿るでしょう。また、これまでのデータから、全ゲームユーザーの中でもモバイルゲームユーザーが占める割合が高いことが見てとれます。 

関係するデータによると、香港地区のモバイルゲーム売上は世界ランキングでも上位に位置しており、GooglePlay売上ランキング第7位、iOS売上ランキング15位となっている。これらのデータから、香港ではモバイルゲームが非常に人気だということが分かります。

2015年度香港のゲームユーザー年齢層分布図
 
2015年度香港のゲームユーザー男女比による年齢層分布図

多くの国と同じく、香港のゲーム人口の年齢層は主に、25歳-34歳及びに35歳-44歳となっています。しかし多くの国と違う点として、香港のゲームユーザーの男女比にほとんど差がありません。この理由として、香港出身の女性人口は男性よりも多いこと、香港女性はゲームへの関心度が高いことが挙げられます。彼女たちはモバイルゲームとPCゲームを好み、課金率も非常的に高いのです。 

また、香港では女性をターゲットにしたゲームが少ないため、香港女性ゲーム市場にはまだまだ大きな力が秘められています。 

香港のゲームユーザーが好むゲームジャンル

無料ランキング,有料ランキングに関わらず、セールスランキングTop10の中で人気が高いジャンルは、策略やRPGです。香港に向けてリリースした中国ゲームも、この2つに偏る傾向があります。しかし、香港のランキングに入っているゲームの多くは欧米のゲームであり、中国のゲームがランクインすることはまずありません。 

香港では大部分の市場を欧米と日本,韓国のゲーム会社が占めており、中国のゲームが香港市場に進出するには、香港のゲームユーザーが何を好んでいるのかを研究する必要があります。香港人は長期間西洋文化の影響を受けており、考え方や行為特徴などが西洋に偏っているためです。 

西洋的な思想の影響を受けていることで、香港人はとても個性を重視しています。この特徴はゲーム中にも現れており、例えば《Minecraft–Pocket Edition》,《Prison Life RPG》,《Goat Simulator》などといった個性的なゲームの人気が自ずと高くなっています。 


香港の主なパブリッシャー 
香港では、現地でゲームを開発する人材、及びに開発資金の不足により、香港でリリースされるゲームは非常に少ない状態です。香港にリリースするゲーム数と比べても、香港で作られるゲームは非常に注目されています。以下は、香港でも有名なパブリッシャーとなります; 

1.「Animoca」(またの名を「Outblaze」) 
「Animoca」は香港のソーシャルゲームやモバイルゲームの開発&パブリッシング会社です。《PrettyPet》シリーズ――《Pretty Pet Salon》,《Pretty Pet Tycoon》などのゲームタイトルを保有しています。2011年の設立以来、「Animoca」はiOSとAndroidにて合計150個のアプリをリリースしています。 

2.「Teeeplay」 
「Teeplay」は2010年に設立され、中国のゲームを海外へリリースする際にソフトウェアでもハードウェアでも長けており、リソースが最も広い新しい企業です。世界にいる3,000万人のアクティブユーザーへ良質なゲームサービスを提供し、携帯のソーシャルゲーム,ウェブゲーム(weibo),アプリゲームを、アメリカ,台湾,マレーシア,ベトナム,ロシア,インドネシア,トルコ、ブラジル等30カ国以上にリリースしています。 

3.「香港绿洲游戏(oasis games)」 
「香港绿洲游戏网络科技有限公司(oasis games)」は2011年11月に設立され、今のところ中国最大のオンラインゲーム海外パブリッシャーの1つとなっています。ゲームは世界40カ国及び地区にリリースされ、ユーザー数は8,500万人を超えています。また、トルコやブラジルなどに子会社をもっています。 


香港での主な支払い方法 
香港ゲームユーザーの課金意欲は高いため、香港の支払い方法を重点的に見る必要があります。香港でのオンライン決済はまだまだ発展途上であり、多くの国と同じようにクレジットカード決済が盛んです。しかしここ最近では、香港本土のオンライン決済が積極的に開発されている。 

1.PPS 
PPSとは、「易办事有限公司EPS」とHKTが共同で開発したもので、2012年にリリースされて以来、随分と香港人の生活に役に立っています。PPSは今のところ、毎月約数百万枚の取引伝票を処理しており、各業界をカバーしています。その他にも、香港では約150万人がPPSのアカウントをもっており、半数のユーザーがオンライン決済の機能を使ったことがあるとされています。 

今のところ香港には数百台のPPS端末装置があり、サークルK,HKT専門店,AEON,一部の主要銀行などに設置されています。香港に住んでいる人は、PPS端末装置でアカウントの開設やパスワードの設定及び変更を行うことができます。 

その他にも、インターネット電子取引の発展により、PPSはオンライン決済の機能を新しく取り入れ、PPSアカウントを持っているユーザーであればPPSを支持するウェブサイトで簡単にオンライン決済を行うことができるようになりました。PPSは元々電話決済しかできませんでしたが、ここ数年、時代の流れとともにオンライン決済の分野に足を伸ばしているといえるでしょう。 

2.八達通カード 
香港で使える八達通カードには、“香港の旅行者向けカード”と“香港人が日常的に使うカード”の2種類があり、この記事では後者についてお話します。八達通カードとは香港で使える電子料金徴収システムのことです。クレジットカードサイズのプラスチックカードにICチップが埋め込まれており、カードにお金をチャージした後に受信機にかざすだけで支払いが可能となります。八達通カードは1997年9月1日より使用が開始され、始めの頃はバス,電車などといった公共交通機関のみで使えるものでしたが、その後、他の業界――ショップ,レストラン,駐車場などの業務や、学校,事務所,家の通行証としても使えるようになりました。香港では、八達通カードを持っていれば、八達通カードに対応している場所ならいつでも使うことができ、非常に便利なものとなっています。 

チャージ方法として、最初はチャージ機械を通さなければなりませんが、その後はショップでチャージしたり、クレジットカードや銀行口座から現金振替を行うこともできます。“八達通カードさえあれば、香港のどこに行っても困らない”と言っても過言ではありません。八達通カードが出始めたばかりの頃はオフライン決済がメインでしたが、ここ数年のオンライン電子取引の発展にともなって、八達通カードもオンライン取引に足を踏み入れており、昨年には八達通は阿里巴巴(アリババ)と戦略提携を結ぶことでオンライン決済の機能を開始しました。八達通は、“阿里巴巴(アリババ)との提携がうまくいけば、他の分野でのオンライン決済を開拓することも考慮する”と話しています。 

3.コンビニでプリペイドカードを購入 
香港ではコンビニが普及しており、ゲームのプリペイドカードが販売されています。これらのコンビニは住宅地区に多く展開されており、多くのゲームユーザーにとって、プリペイドカードを買って課金することは非常に簡単なものとなっています。

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(情報源:http://www.gamelook.com.cn/2016/03/245296