先週、北信州を一人でドライブして来ました。

1日目は朝から雲一つない晴天。小布施でインターを下り、アップルラインという一般道を飯山方面へゆっくり進みました。

中野市に入ると、千曲川を挟んで(どこから信濃川になるかは知りませんが)対岸の遠くに上越方面の連山が、まだたくさんの雪をたたえて美しい姿を広げています。
もちろん、視界一面、桜と菜の花が、塗り込められたように景色を彩っています。
思わず、何度も車を降りて、その風景に見とれました。

昼食を飯山市の駅前の蕎麦屋で取ったのですが、女将さんに「近くの飯山城址の桜が見事だよ」といわれたので、寄ることに。
桜の咲き誇る石垣をたどりながら上へ登ります。3世代の家族が連れ立って花見に来ているのを目にすると、気持ちが休まります。

頂上から眺めた桜並木と菜の花と千曲川と雪の山々。
言葉は要りません。なんともいえない日本の原風景です。

菜の花公園

北信州2017


それから飯山市の菜の花公園に行きました。
城址公園の対岸の山腹になるので、今度は信越方面の黒姫山、斑尾山、妙高山といった山々が眺められます。菜の花はまだこれからです。


さらに山の奥へ進んで、飯山市瑞穂地区福島を訪れました。
山峡の小さな集落です。
今は、車のナビがあるので、こんな山道でも迷うことはありません。

大銀杏の木を見た後、2kmほど先で車を置き、山道を登りながら棚田を見て回りました。
ここの棚田は石組みで土留めされている珍しいものです。
かつては数百枚もあったそうですが、現在は地区の人たちが数十枚を文化的に保存しているのだそうです。

棚田を上り詰めたあたりに、小さな「阿弥陀堂」があります。
映画「阿弥陀堂だより」を撮影するためにつくられたお堂なのですが、これも地域の人たちが保存しています。

   雪解水 避(よ)けて到れり 阿弥陀堂

そこからは信越方面の山々が、棚田をずうと下って平野の先に立ち上がるようにして眺められます。
今夜宿泊する斑尾山が正面に見えます。

スケッチをする人が2人いました。
実は、「阿弥陀堂だより」を観たときに、ここの風景に魅せられ、いつかここを訪れたいと思っていたのです。

1時間ほどの散策になりましたが、車に戻ってホテルまでドライブです。

あの花と桜のトンネルをいくつも貫いて飯山に下ります。
前田夕暮の歌にこんなのがありました。

自然が ずんずん体のなかを通過する ――山、山、山

斑尾高原の手前から残雪が見え始め、やがて2m以上もある壁になっていきます。
車の運転をマニュアルモードに切り替えてヘアピンカーブをこなします。
下りでギアを低回転にしたときの振るえるエンジン音が車体から体感として伝わってきます。
これがたまりません。

30分ほど堪能してスキー場のある温泉に到着。


2日目。今日も文句のつけようのない快晴。

昨夜のうちに、どうしてももう一度、瑞穂区福島の集落周辺を訪れたいと思い、9時に出発、逆光でない棚田からの風景をスケッチに収めました。

飯山のスケッチ

その後は「故郷(ふるさと)」や「朧月夜」で知られる中野市の高野辰之記念館、谷厳寺の千本桜を巡り、2時頃小布施に出て、遅い昼食を取りました。


一人旅は、連れのことを気にせず好きなときに好きなところに好きなだけいられて、いいものです。
たまには一人で旅に出かけてみませんか。

今回は、お酒に関する話題はありませんでしたが、夜の食事に合わせて飲んだ飯山の地酒「水尾」と信濃町の「松尾」は、ともに心に残る酒でした。
土産には「水尾」の大吟醸を奮発しました。