15年ほど前になりますが、大学時代の同窓会が新宿であって、18時頃に始まり、何軒もハシゴして、気がついたら夜が明けていたということがありました。まだそういうバカなことができる歳だったからよかったけれど、今ではとてもできません。その時、新宿のような盛り場には朝まで営業している居酒屋がたくさんあるのに驚きました。

24時間営業というところはないかもしれませんが、東京ではどこかの店が開いてないという時間帯はないように思います。当然のように、新宿だけでなく、渋谷、銀座などには明け方までやっている居酒屋があります。逆に、赤羽にある「いこい」のように、早朝7時に開店するところもあります。

鉄道関係に勤務する知人から聞いた話ですが、夜勤明けなどには、やはり飲みたくなるそうで、朝から飲める行きつけの居酒屋がいくつかあるそうです。確かにそう人たちが朝に行ける酒場だってなくてはならないでしょう。

昼頃からやっているホルモン屋もけっこうみかけます。蕎麦屋も昼から酒を飲んでもおかしくない空気があるから不思議です。神田の「やぶそば」だって、赤坂の「砂場」だって、昼時に飲んでいる人を見かけるのは珍しくありません。もうなくなってしまいましたが、半蔵門にあった「三城」という蕎麦屋は― なかなか美味しくて高級でしたが―昼時しか営業しなくて、必ず片口に入れられた酒が2合と新香の盛合せがセットで出されました。蕎麦を口にする頃にはほろ酔い加減です。昼酒もなかなかいいものです。

いったい居酒屋というのは何時頃から開店しているのでしょうか。手元にある『東京居酒屋名店三昧』で調べてみました。

そこには東京23区の居酒屋70店が掲載されていますが、一番朝早くから店を開いているのは、前出の赤羽の「いこい」です。「いこい」の営業時間は7時~22時までと、実に15時間です。二番目はこれも赤羽の「まるます家」で、9時の開店(21時半の閉店)です。どうやら赤羽という場所には、朝から酒好きの人たちが集まってくるらしい。三番目は三軒茶屋の「味とめ」で、なぜか中途半端な10時です。

12時の開店率は11.4%(70店中8店)と、けっこう高い割合いです。これは東京だからこその数字だと思います。
その後も五月雨のようにダラダラと開店していくところがあり、16時になると一気に増えます(門前仲町の人気店「魚三酒場」は夕方16時に開店しますが、15時半頃から店の前に行列ができます)。16時の開店率は31.4%(22店)です。
16時半開店は10店。17時には開店のピークを迎えます。開店率は87.1%(61店)という状況です。さらに18時頃には95.7%と、ほとんどの居酒屋が開店します。
遅いのは、阿佐ヶ谷の「善知鳥」で18時半、日暮里の「麻音酒場」と中野の「石松」が19時などです。常連さんが中心だからでしょう。

さて、今度は閉店時間を見ることにしましょう。
早いのは青物横丁の「丸富」で19時半、次いで立石の宇ち多"の20時です。どちらも昼間の営業をしているから早仕舞いなのでしょう。遅いところは26時が2店(2.9%)、25時が2店ありました。
閉店時間の一番多い時間は23時で、22.9%(16/70店)が閉めます。次いで22時半の18.6%(13/70店)です。23時までに閉店する割合は 71.6%と、4店に3店が閉めます。22時が12.9%(閉店率30.0%)、23時半が11.4%(閉店率71.6%)となっています。

これにより居酒屋のスタンダードな時間帯というのは17時から23時ということになります。19時における開店率は100%です。20時における開店率は97.1%、21時では91.4%ですので、居酒屋のゴールデンタイムというのは、19時から21時の2時間ということになるでしょうか。

ついでながら、朝からやっている居酒屋を紹介した書籍があると聞いています。『東京朝呑み散歩』というムックですが、まだ入手できていません。