前回の更新が8月12日でしたから、ずいぶん間が開いてしまいました。
気分的には夏休みというところでしたが、いっぱい楽しいことをしてましたので、こちらを怠けてしまったということでしょうか。
どうもほかのことにかかり出すと、ブログに手がかかりにくくなる癖があります。

さて、「イチローズモルト」
どこかで聞いたことがありませんか。

この2,3年評判の高いウイスキーのブランド名です。
このウイスキーを製造しているのは、埼玉県秩父市の(株)ベンチャーウイスキーという会社です。
代表取締役は肥土(あくと)伊知郎(いちろう)氏、だから「イチローズモルト」。

私はイチローズモルトの『ダブルディスティラリーズ』を愛飲しています。
イチロウズモルト2

ウイスキーとしてはちょっと高いのですが、とにかく一度飲んだら忘れられない美味しさです。

ウイスキーというと、燻製のような匂いがして、強烈な苦さを思い浮かべる人が多いかもしれません。
でも、それは昔の話です。
今のウイスキーは値段さえ合えば、品のよい大人の味を楽しめるものが手に入ります。
イチローズモルト・ダブルディスティラリーズもそのひとつかもしれません。

アルコール度数は46%とちょっと高いのですが、グラスを傾けたときに鼻先に来る香りが甘いのです。ひと口含んだときには、ちょっとドロッとした、濃い舌触りがします。しかし口に含むとやわらかな甘さがフワッと広がって喉を潤します。ブランデーのような、ブランデーとは違う甘さです。
抽象的ですが、ほかのウイスキーにはない豊かな味わいです。
女性も十分楽しめます。

イチローズモルトは10種類くらいあったかと思いますが、私が飲んだことのあるのはこのほかに『モルト&グレーホワイトラベル』の2種類だけです。
この上のクラスに「ワインウッドリザーブ、」「ミズナラウッドリザーブ」やプレミアムボトルなどがありますが、ウイスキーにそこまで出さなくてもという値段になってしまいます。
最近は、ネット市場でも人気が高く、かなりのプレミアムが付いているそうです。

イチローズモルトが埼玉県の酒なのに、最初に教えてもらったのは東京の友人からでした。
その方から、「埼玉のウイスキーです」と『ダブルディスティラリーズ』を贈られたのが最初の出会いだったのです。
「ヘーェ、地元なのに知らなかった。」

そのあと、あまり間を置かず、これもまた東京の知人から、同じものの200mlサイズをいただきました。
2回とも、偶然ですが、『ダブルディスティラリーズ』だったのです。
この美味しさを失うのが惜しくて、今も『ダブルディスティラリーズ』を飲んでいる次第です。

私が愛する理由のひとつには、イチローズモルトのオリジンがわが熊谷市の隣りの羽生市にあったということに親しみを覚えるからです。イチローズモルトはここで生まれました。
羽生には私の好きな日本酒、南陽酒蔵の『花陽浴』(「はなあび」と読みます)もあります。

肥土伊知郎氏の実家は酒蔵を営んでいましたが、2000年頃、経営不振から他のメーカーに売却することになったのです。売却先から、当時つくっていたウイスキーの原酒を廃棄するようにという条件が出されました。
家業を継ぐために戻っていた伊知郎氏は、これを捨てることができず、2004年にこのウイスキーを売り出すために(株)ベンチャーウイスキーを創立し、2007年には自前の蒸留所を秩父につくり、本格的な製造に乗り出しました。
それから10年、(株)ベンチャーウイスキーはあっという間に世界的ブランドになってしまったのです。

ダブルディスティラリーズは羽生で残されたシングルモルトの原酒と秩父でつくったモルト原酒をブレンドしてつくったピュアモルトで、2009年にWorld Whisky Award の Best Japaese Blended Molt に選ばれています。
簡単に紹介するとこのような次第です。

さて、余談ですが、ウイスキーをどんなときに飲むか、ですね。
一番多いのは、夕食が早く済み3-4時間立った頃、寝るにはまだ勿体ないなと、やや心の空間が開きかけたとき、きつい酒をグッと流し込んでみたくなります。

夕食の時にウイスキーを飲むということは、若い頃にはありましたが、今はほとんどないですね。ハイボールは、外飲みのときにはよくありますが、自宅ではつくりません。
夕食では、まずビールを一杯、それから日本酒を90-100ml くらいが普通です。
気が向けば、これに芋焼酎のロックをグラスで1杯というところでしょうか。

二番目に多いのは、夕方、突然にすべてのことから解放されて、食事までにはまだちょっとあるが、少しゆっくりしたい気分のときに、ここはコーヒーよりも軽くウイスキーかなという具合に一杯。
まずはショットグラスで一杯、物足りないと感じたら、次はロックです。

三番目に多いのは、食事の後テレビをダラダラと観続けてしまっているときです。
こんな時は軽いつまみがほしくなります。ナッツとか、チーズとか、チョコレートとか。

ウイスキーを日常的に飲むという習慣はありません。
なぜか毎日が忙しく終わってしまい、ゆっくり飲んでいる時間というのもほとんどありません。

忙しさの中でほっとしたとき、気が向いたときに飲めるお酒を一本置いておくというのはわるくありません。
こうして考えてみると、わたしはウイスキーに心の安らぎを求めているのでしょう。
イチローズモルト を飲むときはいつも独り、静かな時間です。

かぼちゃ