高山陣屋 (41)
所在地:岐阜県高山市八軒町
縄  張:陣屋
城  主:徳川氏(天領)
遺  構:役所、門、塀、蔵
文化財:国史跡
探訪日:平成23年(2011年)10月8日

概要
江戸時代に幕府によって置かれた郡代(代官)陣屋。飛騨国は元々金森氏が高山城を築いて治めていたが、豊富な木材や鉱物資源が採取できることから、幕府直轄領(天領)となった。この際に現在の陣屋が築かれ、以後江戸時代を通して郡代が派遣されて、役所及び邸宅として機能した。
維新後は郡代は廃され、筑摩県高山支所(後に岐阜県高山出張所)として利用されたが、建物はそのまま利用され続け、ほぼ江戸時代のまま残った。このため、昭和中期には国の史跡に登録され、失われた建物も復元されている。


この陣屋、江戸時代まで数多くあった陣屋の中で唯一ほぼ完存している非常に貴重な陣屋です。
陣屋って城郭と違って、あまり注目されることもなく取り壊されているのがほとんどですからね。

陣屋配置図
高山陣屋 (16)
陣屋なので、基本的に防衛的な縄張りではなく方形単郭式ですが、北東部は「鬼門避」として隅を欠いています。
これは、この陣屋に限らず、他の城や陣屋でも観られる構造。

表門・門番所(現存)
高山陣屋 (3)
さすが天領の陣屋だけあって立派な門。
門の横に付随しているのは所謂見張り所で、ある程度の防御性を有していました。

蔵番長屋(木造復元)
高山陣屋 (2)
門番所のさらに横に連なっている長屋。
門番の待機場所、宿泊場所として機能していたと思われます。
現在は、管理棟。

御役所(現存)
高山陣屋 (36)
これまた大規模な平屋建ての建物。
この御役所をはじめ、陣屋の建物は全て熨斗葺や杮葺等の板葺の屋根となっています。
理由は、瓦だと寒さに耐えられず、消耗が激しいため。

御三階・邸宅(木造復元)
高山陣屋 (21)
御役所の西隣にある建物群。
このあたりは大部分が復元ですが、陣屋としては珍しい御三階といった洒落た建物があるのが特徴。

ちなみに、御役所や邸宅の内部はこんな感じ。
高山陣屋 (23)高山陣屋 (26)
役場や居間、台所等が現存、もしくは忠実に復元されています。
城でいう御殿建築に近いものですが、そもそもそのような御殿建築の現存例が極めて少ないため貴重な遺構。

庭園
高山陣屋 (24)
これも当時のままかと。

御蔵(現存(一部復元))
高山陣屋 (35)高山陣屋 (33)
米や木材、鉱物等を保存していた蔵。
大部分が現存ですが、一部復元ヶ所もあるとのこと。(パッと見違いがよくわかりませんが。)

なお、全ての建物が現存、もしくは復元されているわけではなく、跡地を整備した場所もあります。
高山陣屋 (30)高山陣屋 (17)
これはこれで、遺跡っぽくて個人的には好き。


ホント、これだけ当時の形のままの陣屋が見られる場所は珍しいですね。
高山は、この他に城下町や寺町があり散策するにも良い場所です。



マップ

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