2013年12月20日

藻谷浩介講演>10年ぶりにお会いして

絵画館ライトアップ
私(すこや)は藻谷浩介の追っかけである。
元銀行マン、開銀調査役。現日本総研主席研究員として
健筆を揮っている。

「デフレの招待」で洞察力が、日本経済の分析として
第一人者となった。近著「里山資本主義」は画期的な論調
と感じる。
そして先月の雑誌「新潮75」に書いた「「年金・介護・医療」危機脱出への処方箋」が最も喫緊の政策を提案している。
落葉した銀杏を踏みしめて歩く10年前に3回会い、同じパネル討論
に出席して感動した。以来追っかけ
て、今回お会いするのは10年ぶり。
雨の中、神宮外苑のイチョウの葉を
踏みしめて会場(外延キャンパス)に
向かった。
(上写真=神宮外苑絵画館)
1時間の熱烈なレクチャーだった。

テーマは、「超高齢社会への対策はどうあるべきか」

1985年から2012年までの30年のデータを、すべて1画面に表示
して、国民消費額、個人所得、輸出、就業者数を示す。

(1)「失われた20年」だったのかを冷徹に検証する。
  ⇒そうではなく30年で、「個人所得は倍増」「輸出も倍増」して
   いるのに、売上高が1992年から20年間全く横ばいの現象。
   これは、高齢者が急増している中で、現役(15−64歳)
   人口の就業率が70%という、日本の特殊現象による。
  ⇒これを規制緩和で、15%も改善すれば経済はよくなる。
   「女性の就労」「中高年の働き方」が総論。

(2)現役人口減少は抗えない。その中での対策は。
  2010年8300万人が、2015年まで220万人減少。
  2030年に6800万人に減る。
  ⇒ここまでは、女性1000万人が5人に1人づつ就労で対応。
  2060年に4400万人になる。
  ⇒この社会をどう作るか。特に東京がひどいことになる。
   企業の国際競争力は弱くない。石油石炭の輸入を対策
   すれば、そしてスイス型の高賃金&高消費社会にする。
   (アベノミクスは、このことに気づいていないから良くない)

(3)中国、韓国、台湾、シンガポールは日本よりひどい減少。
  僻地の長野県下条村は人口減少が無くなり高齢者の増加
  もなく安定している。これが日本の理想。ここまでをどう
  経過させるか、を日本は先行して経験できる。
  そのノウハウを輸出できれば先行者利益になる。

(4)人口減少の次に、40年後に日本は人口安定の国になる。
   山村の長野県下條村が日本の目標の姿である。
   2060年までの人口減少時代をどう乗り切って安定につな
   いでゆくか政策が問われる。これが行えるチャンスにある。
   このチャンスが今、高齢者の元気にかかっている。ダメな
   国とデータを見間違えずに見て、わが国を前向きにやって
   ゆく必要がある。成熟した大人にとってエキサイティングな
   状況である。

(5)里山資本主義については、「簿外資産の消費という限界」
   に挑戦するもので、グローバルマネー資本主義を代替す
   るものではなく、当面はせいぜい経済全体の3%程度に
   しかならない。しかし災害などいざというときの保険になる。
   もし2割が里山資本主義になるようなことがあれば世界最
   大の安全な経済国になろう。そういう認識でこの考えが受
   け取られる事がいい。
   また、過疎の林業地帯で無いと実現しない。しかし、考え
   方を都市の居住者が実践する意味も大きい。

(7)より長期的にわが国の利点を見る。暖流に囲まれ山が風
   向に対立して造山されている。そのため、多量で適度の
   雨量がある。雨で山が削られるがその分の造山活動が
   ある。これが砂漠化を防いでいる最適農林業国である。
   人口の大半が沿岸低地に居住するが、歴史的には最近
   のことであり数十年かけて4キロほど標高の高い森林地
   帯にセットバックする政策もテーマである。

(8)こうしたチャンスの中で、中国が十数年後に危機的な状況
   を迎える。彼らのソフトランディングを期待するが、暴発の
   方向をとっているのが、わが国には最大のリスク。暴発に
   ならないような対応法を慎重にしなければならない。

これら、沢山のことに触れられた。好齢ビジネスの背景を整理
していただいた感があった。今後も氏の論調に注目して行く。

sukoya2008 at 06:45コメント(0)トラックバック(0) 
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