2019年01月19日

行動による自由創造>という人づくりの自由学園

190118自由学園ランチボルシチ

三鷹駅北口から出るひばりヶ丘行きの西武バス【鷹22】は
1時間に2本ある。乗るとほぼ北へ7キロ走り30カ所ほどの
停留所を経て35分で終点。

駅から道を1回曲がり徒歩8分。突き当りに自由学園がある。
学園の門周辺にお昼をするところがないか守衛さんに聞くと
教えてくれた。

学生が作った食事を食べさせるカフェであるらしい。中は
カジュアルなカフェだった。

190118自由学園しののめ茶寮内部説明書きを読むと「一日
学生運営カフェ」だそうで
ある。

授業の一環で「生活経営研
究実習」というグループ
活動の「食」グループが主
体で運営しているらしい。

ランチと珈琲を注文した(トップ写真)。
ウクライナ風豚のボルシチで、小松菜のミモザサラダ、お米
パン2個が付いている。どれも美味しい。パンは暖めて1個づ
つ出してくれた。

味以外に説明書を読んで驚く。ほとんどの素材が学生により
学校施設内で作られたもの。カッコ内が児童生徒の所属。
豚肉、ニンジン(男子部)
ピーツ、小松菜(女子部)
にんにく、米(最高学部)
ウコッケイの卵(初等部)

ただならぬものを感じて食べ終え、正門(写真)に集合した。

このあと、学校法人自由学園の学び舎の構内・武蔵野の森の
小径と畑を散策した感触を、以下レポートする。

190118自由学園正門この日は多摩CBネットワ
ークシンポジウム(2月24
日)の会場下見だった。

それと事務局と世話人で
学園と詳細打合せに行った
のだ。


以下、見学ツアーの下見をしたのでレポートする。

3万坪の構内に、100年近くを経た学園の歴史的な建造物が多
数あるのを見てゆく。
190118自由学園未来館2階
まず初めに正門の前にある「未来館」を見た。グッドデザイだ
ン賞を得た最も新しい建造物。アフタースクールや学童など
放課後に地域の子どもを育てる目的の施設。

190118自由学園未来館子ども用引き出し完全な手作りの木造で、
50年前に学園が三重県で
植林を始めた林地で学生が
伐採した47年物のヒノキ
材を集成材にして作られ
た建造物。

植林から家具の制作までという「一貫性」が目指すもののよ
うだ。ここで遊ぶ子供は楽しいだろうなあ。



190118自由学園森の径門内に入ると、森の小径を
歩く。






190118自由学園広い構内 (8)
各校舎の間が広く空が大きい。重機の入った立派な道路という
ものがない。自然の小川を渡り、野菜や花卉の畑を通る。自然
のアンギュレーションが心地よい、武蔵野の昔がある。

190118自由学園初等部食堂
まず、初等部食堂。写真正面の端正な瓦屋根の建物。
昭和6年の歴史的建造物で東京都の指定文化財になっている。

この学園では初等部、女子部、男子部、最高学部に大食堂が
それぞれあり、その材料は畑で自分たちで収穫、調理は女子
学生とPTAのボランティアが毎日作るという。

毎日300人分の食事を準備するという学生は得難い経験をす
るだろう。「食の一貫性」を身体で学ばせている。

もう一つは、建物の管理である。初等部生が写生をしている
脇で、中高校生が自分たちの食堂や礼拝堂、池の掃除、落ち
葉掃きをしている風景が見られた。
190118自由学園写生する初等科生190118自由学園初等部縮瞳の清掃

190118自由学園池の清掃芝管理

190118自由学園礼拝堂窓ふき190118自由学園構内清掃する中学生

「労作」という授業と課外活動を兼ねた自主活動が行われて
いる。教員の指示ではなく学生の交代制委員による管理だそ
うだ。

2,3人のチーム活動を全生徒が行っている驚きの光景だ。
反発する子どももいるだろうし、大変なことを実行している。

「自由はそうした行動をして初めて得られる」
という自由と規律の両立を目指す。それは家庭や生活を大事
にとらえれば両立せざるを得ない。

「生活の一貫性」、ゆえに「自由」学園であるらしい。

190118自由学園チャイム放送で始業ベルを鳴らさ
ず、各校舎で生徒たちがハ
ンドベル、金管、木鐸を叩
き静かな音を鳴らしてリズ
ムが作られる。

現代っ子が社会の課題に挑
戦している感すら覚える。







女子生徒はニンジンを収穫していた。その脇には東久留米市
の湧水群から来る自然の小川が流れている。堆肥作りしてい
る生徒に聞くと、堆肥の中はカブトムシの幼虫で一杯とのこ
と。落ち葉や木の枝は様々に分けられて利用される。
190118自由学園ニンジン収穫190118自由学園堆肥つくり2

190118自由学園小川のせせらぎ
190118自由学園森の恵みを確認する表示 (1)

190118自由学園集められた樹の枝伸びた木の枝がたくさん集
められている。
薪や、様々な木工工作の材
料に使われるのだろう。

自然と接し、考えながら手
を入れる。身体とともに、
粘り強い精神が育成される
のではないだろうか。

自由学園の構内は、歴史的建造物や風景が美しいのだが、そ
れだけでなく、人づくりへの挑戦が美しいと思う。

以上、この構内での見学ツアーは、こうした「教育の一貫性」
「食の一貫性」「生活の一貫性」「自然の一貫性」を見るこ
とになるのかもしれない。

見学を終えてから、学園のWEBサイトで次に文章を読んだ。
自由学園 100問100答
実に深い内容である。

また、自由学園の「食事作り」に関する詳しいインタビュー
記事のサイトがあったので参考に紹介する。
第一回 【自由の意味と食事作りの歩み】
     http://riceball.network/archives/566
第二回 【食糧部の成り立ちと、食事作りからの学び】 
     http://riceball.network/archives/724
第三回 【食事作りが育くむ親子愛、食の学びとは】
     http://riceball.network/archives/918

2月24日のシンポジウムでの学園ツアーの時には学生児童が
いないので、この風景が見れない。残念だが学園の先生が説
明してくれるはず。

楽しみな集まりに多摩CBシンポジウムはなりそうである。

sukoya2008 at 06:02コメント(0) 
シニアの地域プレーヤー指南! | すこや工作所つれづれ

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