キー・イニスを講師に迎え、ボーンデジタルを会場に行っているドローイングの会
「Ki Creative Studio」では、その会のテーマを設けて短いレクチャ―も行っています。
その内容をブログ上でご紹介します。

ワークショップ(ドローイングの会、デッサン会)の最新スケジュールはこちら


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300_Force_Cover-obi


生き生きとした、魅力あるドローイングの秘訣は、
対象のリズムとフォースを意識すること

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの
推薦図書の1冊です。







今回のテーマは
人物ドローイングをダイナミックに」

spiderman


ある程度、人物を描けるようになったとしましょう。
アナトミーやパースについても理解しました。
それなのに、人物ドローイングが生き生きとして見えないのはなぜ?
何が足りないのでしょう?



ダイナミックな人物画の最高の巨匠と言われる、
伝説のコミックアーティスト、ジャック・カービー
正式な教育を受けていないにもかかわらず、カービーの描く人物は、
ページからこちらに向かって飛び出してくるようです。

カービーは自らを漫画家と称していましたが、
コミック業界は彼を「印象派」と呼び、「天才」とまで呼ぶ人もいました。
彼の人物の描き方は、現代のアメリカのコミック、アニメーション、
映画、広告にも息づいています。

Black Panther

上のイラストは、マーベルコミックの「ブラック・パンサー」(ジャック・カービー作)です。

少々雑なことは否めませんが、躍動感は伝わってきます。
「単にパースを強調しただけだ」という人もいるでしょう。それは間違っていません。
でも、カービーはこのキャラクターのドラマと力強さを高めるために、
パースというツールをうまく利用したのです。


この流れは、ジョン・ビュセマをはじめとする、
教育を受けた商業アーティストたちに引き継がれました。
事実、ビュセマは、マーベルから「アベンジャーズ」や「ファンタスティック・フォー」の
仕事を依頼されたときに、ダイナミックなインパクトを作品に取り入れようと、
カービーの作品から構図と感性を盗んだと述べています。


カービーのツールとビュセマの画力が組み合わさると、
このような素晴らしい絵になります。

Buscema_Black_Panther

こちらもそうです!
John_Buscema_MarvelWay_Captain_America


コミック業界のプロフェッショナルたちは、カービーが描く人物は、
まるで腕と脚が別々のタイムゾーンに存在しているようだと言いました。
そしてビュセマは、カービーの手法を彼独自の方法で使いました。


カービーとビュセマの素晴らしさは、お分かりいただけたでしょう。彼らは偉大です。
では、どうすれば我々もダイナミックなドローイングが描けるのでしょうか?


ダイナミックなドローイングの秘訣を教えましょう。

  • 奥行き
  • オーバーラップ
  • サイズ
  • ダイナミックなリズム



今月のモデルを務めていただくのは、素敵なUTAGEGURUMAさんです。
彼女のボディコントロールと動きは、まるでスパイダーのようです。
今月のレッスンポイントにもぴったりマッチしています。

写真をご覧ください。
utageguruma

 
素晴らしいポーズですね。ひねり、角度、リズムも申し分ありません。
普通のアーティストなら、おそらく、下のようなジェスチャードローイングを描くでしょう。
utageguruma_drawing1


何がいけないかって?
単純にジェスチャーを描きたいだけなら、何も悪いところはありません。
どこをとっても均一に描かれています。どの部位も同じ平面上に存在しています。
これがダメなわけではありません。

ただし、ダイナミックな人物を描きたいのなら、
これでは「可もなく不可もなく」といったところでしょう。



utageguruma_drawing2

では、こちらはどうでしょうか。この方がずっとドラマチックです。

コントラストがはっきりしています。ドンと踏み出した脚が印象的です。
大小のコントラストを付けたことで、奥行きも生まれました。
そして、視線を誘導するリズムもあります。



このようなテクニックは、あくまで作品に情報を与えてくれるツールに過ぎません。
どの程度、何に使うかは、描き手が決めることです。




「リズムとフォース」の著者、マイケル・マテジ
空間に枠を置く「スペイシャル・バウンディング・ボックス」という
練習方法を教えてくれました。
これを使えば人物ドローイングを見る力、デザインする力がアップし、奥行き感も増します! 


先ほどのビュセマの絵に、バウンディングボックスを置くとこうなります。
Buscema_Black_Panther2
人物の重要な要素を大きいボックスと小さいボックスで囲むと、
ドローイングの奥行きがぐっと広がります



最近見た「スパイダーマン: スパイダーバース」は私のお気に入りになりました。
映画としても素晴らしいうえに、ダイナミックで印象的なポーズがたくさん!
これらのポーズにも、このトピックで説明した秘訣が使われています。
試しに、マイケル・マテジのバウンディングボックスを置いてみましょう。
spiderman1
spiderman2
spiderman3

文句なし! 大胆で、ダイナミックです!




◆宿題◆

さあ、宿題ですよ!
今回解説したツールを使って、実際にダイナミックなドローイングを描いてみてください。
このページで紹介したイラストでも、
UTAGEGURUMAさんのYoutubeやインスタグラムからポーズを拾っても構いません。
いくつかドローイングを描いて僕に見せてください。SNSで共有してもいいですよ。
次回のKi Creative Drawing Workshopは4月15日です。
お待ちしています。楽しいですよ!!




ダイナミックなドローイングの例をもういくつか載せておきましょう。
ぜひ参考にしてください!



ジャック・カービー
Artwork1
Artwork2



ジョン・ビュセマ

Artwork3
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Artwork5
Artwork6
Artwork7


ブルース・ティム
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「スパイダーマン:スパイダーバース」
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※本記事は、ブログ「Ki Creative studio」の「How to Do DYNAMIC FIGURE Drawing」(2019年3月26日)を転載し、翻訳したものです。



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