さよならの前に…④

〝さよなら、三角。又、来て四角…〟




堆い、土の積もった墓の上。



〝あれが、父の墓ですか?〟


私は、傍らの背の高く色の黒い女性に訊ねた。


陽射しも無く、曇り空だと云うのに、日傘を射した、その女性は、冬の冷たい空気の中で、薄地の和装だった。


外気は、既に氷点下に近い、寒い朝だった。





私の父親は、売れない舞台役者だった。

否、実入りの少ない、ドサまわりの何でも屋と云った風情だった。


幼い頃、度々、私は舞台にも立たされた。


幼い赤ん坊を、客寄せで使うと、客受けが良いからだが、幸か不幸か、私には明確な記憶が無い。


父親は、舞いと唄では、正に玄人であり、右に出る者がなかったと云う。


多少、人間的に曖昧で、性格的に難があろうと、七難隠す程の芸が在ったのである。

私の家の、古いアルバムには、幼子の私が、信じられない程有名、高名な役者や、文化人の腕に抱かれて、写し収められた写真が沢山在る。

あの、亡き国民的歌手だったHM氏には、特に可愛がられたらしい。

然しながら、私の父親が、それだけ付き合いを広くしていた為ではなく、叔父や、叔母の血筋が、須く高名だったに過ぎない。

今は無くなってしまった、父方の生家は、父方の祖母の名家であり、古く、巨大な物だったのだ。


私の曾祖父の墓は、とある寺院の奥の院の隣地に在り、恐ろしく大きい。


まるで、陵墓の様である。


特に、曾祖父の墓は、市井の規模を遥かに凌駕していて、彼の寺院自体、何でも、曾祖父の先祖達の霊を弔う為に建立された程なのである。



私の父親は、その強大な墓には弔われてはいない。


母親に遺した約束が、別地に弔う事だったからである。


奇異な事だが、今では、私には理解出来るのである。

父親は。


母親と一緒になる為に、家名を捨てた。


勿論、それは、半面だけなのか、生来の面倒臭さからの逃避、責任逃れなのか、私には本当の事は解らないし、別段、どうでも良い事なのだが、多分。


父親は。


とても、自分自身に正直な男だったのだと思う。



冒頭部分の私の独白は、私が繰り返し見る、夢の物だ。


私は、父の弔いに参加していたし、今や、仲良く弔われている母親と、一緒に、葬儀を出したのだから、父の墓を知らない訳では無いのに、必ず、夢の中で、私は傍らに居る、得体の知れない、顕かに〝物の怪〟の女性に、土饅頭の型をした墳墓を見せられるのである。


時代は、多分、遥か前の事であり、恐らくは、明治時代の頃の風俗なのだが、しきりに、その物の怪は、私に念を捺す様に云うのだ。



〝未だ、契約を果たしてはいない…だから…〟


…思い出せ、と云うのか、語尾が、必ず、記憶に残らないのだが、私は、恐ろしくて目が覚めるのである。



〝さよなら、三角。又来て、四角…〟


冒頭部分の唄は、童唄であり、確か、地域性により、歌詞は違っているが、私の夢の中では。


〝四角は豆腐 豆腐は白い
白いはウサギ ウサギは跳ねる
跳ねるはカエル カエルは青い
青いは柳
柳はゆれる
ゆれるは幽霊 幽霊は消える…〟


等と続いて行く。


幾度も見るので、恐らく、猥雑に為ってしまっているが、和装の女性と、私が交わす会話の間に、私の耳に入ってくる周囲の音なのである。



肝心の、女性との会話は、目覚める度に、全く覚えていないのだが、数え歌は、明確に覚えているのである。



この。

自分自身の謎解きも遺したまま。

私は、逝く事は能わず。


父親の妄念を解明せぬまま、逝きたくは、無いのである。




さて。


皆々様。


を沢山、戴き、恐悦至極。


個別に応えるに能わず、申し訳なく思っています。



本日を以て、RE BONE GATE WAYの記述は、出来なくなると云う沙汰であります故、暫時。
RE-BONE GATE-WAYⅡに記述させて戴く事になりますが、この場所で、出会い、知己となり、別れて行く方々もおりましょう。

縁有って、知り会えた事に、深く感謝致し、闘病を励まされた事に、明確に御礼を申し上げます。


本来ならば。


個別に伺うか、返信をするのが義でありますが、何卒、ご勘弁願います。


不躾ながら、この場にて、最期の挨拶とさせて戴きます。



本当に有難う御座いました。


皆々様には、来年が、善い年であられます様に、此処に祈念させて戴く所存です。


皆々様。


おさらば、であります。



さよならの前に…③

空は、蒼く。



澄み渡り、限りない。



私は、半身を起こし、久しぶりに空を眺める。



靄が立つ様に、私の頭に霞んでいた、此岸の霧が、消え去る様に、内縛し、大指、頭指、中指を並べ、中指のみを合わし、両頭指を中指の背に掛け、掠れた声だが、然し、明確に唱える。


〝オン・キリク・ギャク・ウン・ソワカ…〟


大聖歓喜天、ナンディケシュヴァラ、即ち、ガネーシャの真言である。


成就せぬ筈が無い、と云われる聖天様の心中呪だ。



効験の強大さは、折り紙付きだが、その強大さ故に、代償も大きいのである。



シヴァ神の妃、パールヴァティの子、シヴァ神の軍勢を率い、荒々しく障魔を蹴散らす、ガネーシャは、障害を悉く打ち倒すと云う。




私は、今や、百万遍、唱えるつもりなのである。



それが。


仮令。


闇の光だとしても。



〝オン・ギャク・ギャク・ウン・ソワカ…〟



我念必至。


心中心呪よ、祈願成就し給え。




さよならの前に…②

錦野旦氏の誕生日だそうだ。


スター、にしきの!



1972年に、在日韓国人だったと、吐露し、帰化した報告をしたんだよなあ。


もう、62になるんだねぇ。



私がね、17歳まで、一緒に暮らした義姉さんがね、にしきのあきらの大ファンでね、知らなくて良い情報まで、耳に入ったもんです。


そうそう、セブンティーンとか、別マとか、読み漁ったのは、義姉の影響です。

津雲むつみの、緋の闇、風の季節、遥かなる海へ、は、嵌って読みました。



前にも記述したけれどね、女性漫画家、特に好きなんです。



高橋留美子は、結構、インパクトありましたね。


犬夜叉とか、うる星やつら、とか代表作なんでしょうけど、漫画的には、
らんま1/2とか、めぞん一刻とかに、惹かれます。

まあ、大好きなのは〝人魚の森〟の、人魚シリーズですけどね。


高橋留美子さんて、私よりニコ上なんですよね。

下世話な話ですけど、儲かってるんだろうなあ(笑)



漫画家って、或る意味、一番凄いクリエィターかも知れないと思っています。


勿論、良い編集者との出会いも大事なんでしょうけどね。



ああ、雑誌を読みたいなあ(笑)


起きていられる時間が、3時間程度になってまして、1日が早く過ぎて行きます。


したいんですけど、今、書く事を優先していますので、赦して下さいね。


なんだか、取り留めが無くなって来ましたけど(笑)


又、明日。


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