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先日、(一社)静岡木の家ネットワーク主催の木構造教室【講師:岐阜県立森林文化アカデミー 准教授】に参加してきました。木造の耐震に関わる知識のスキルアップが目的です。


第1回は『木造建築の地震被害から学ぶ~構造性能設計のすすめ~』ということで耐震設計の基本や阪神淡路大震災や東日本大震災、直近では熊本地震の被災状況からどんな家が倒壊・崩壊しているのかを学びました。

熊本地震での被災概要は阪神淡路大震災以降2000年に改正された新耐震基準以降に建てられた新築(全319棟)のうち7棟が倒壊(2.2%)、12棟が大破(3.8%)104棟が半壊から一部損壊(32.6%)、196棟が無被害(61.4%)だったそうです。

倒壊・大破の棟数が多いと思うか、少ないと思うかは人によってそれぞれだと思いますが、いつまでも家族が「安心して暮らせる家」を造りたいと思うのが造り手の想い。

どんな地震が来るかはわかりません。想定を遥かに超えた地震が来るかもしれません。その為には、やはり必要以上の耐震設計は必須になってくるのかなと、改めて感じました。

その講義の中で、弊社でも導入している制震ダンパーについての言及もありました。
ある制震ダンパーの開発に携わり実大実験をする中で、制震ダンパーが大規模の地震に対してかなり有効であるとおっしゃっていました。


~イメージとして~
『耐震』は地震のエネルギーを建物全体で直接受け止めます。(実験では3回目の地震で壊れました)
『制震』は地震のエネルギーをダンパーが吸収して建物が受けるエネルギーを半減させます。(実験では7回の地震でも壊れませんでした)

大きな地震は1度だけではありません。本震・余震を含めて何度もやってきます。1度の地震に耐えても2度、3度目の地震で倒壊してしまった家も多数あります。

これから来るであろう東海地震に備えて安心して住める家を造るためにもさらに勉強が必要だと感じました。