前回に引き続いて「茶室の窓」の紹介をしますが、前回まで、『7、「透窓」』まで紹介しましたので、『8、「大下地窓」』から以降の紹介をします。

8、「大下地窓」

「大下地窓」は、通常の下地窓よりも大きな下地窓のことで、定まった寸法はないが、通常の「下地窓」は三尺角以下のものが多く、これより大きなものを指している。 「大下地窓」は、裏千家の十一世玄々斎好み八畳本勝手四畳半切上座床「咄々斎」の床脇の正面壁に、高さ四尺六寸五分、幅二尺七寸三分の長方形の「下地窓」があります。

大下地窓(咄々斎)

その他に、縦長と横長にしたものには、桂離宮の「賞花亭」の「下地窓」があります。

大下地窓(賞花亭)

9、「割窓」

「 割窓」は、窓の開口部の中央あるいは左寄りか右寄りのところに柱を入れた窓のことです。「 割窓」は、一つの窓が柱によって二つ割りにされているように見えるところからこの名があります。「 割窓」の形式は、「下地窓」や「連子窓」の意匠に見られます。

割窓


10、「有楽窓」

「有楽窓」は、窓の外側に細い丸竹を間隔なしに並べて打付けた窓のことです。「 有楽窓」は、「連子窓」の一種で、連子子を詰打と称して隙間なしに並べて打付けた「盲連子」、「目無竹連子」ともいいます。

有楽窓


「有楽窓」は、「織田有楽」が晩年「建仁寺」の「正伝院」内に建てた二畳半台目本勝手向切下座床「如庵」の勝手付の「竹連子窓」に見られるところからこの名があります。

11、「光琳窓」

「 光琳窓」は、下地窓の組子を葭に替えて竹を用いた窓のことです。 「光琳窓」は、「遼廓亭」の「如庵」写二畳半台目の茶室の入口の土間庇の袖壁に開けられた方形の「下地窓」には細い丸竹が用いられています。

光琳窓(遼廓亭)

「 光琳窓」は、「遼廓亭」の控の間に開けられた格狭間形の「下地窓」には細い割竹が用いられています。 この他に、「茶室の窓」には、開閉の仕方による窓があります。それは、「片引窓」、「両引窓」、「引違窓」、「開窓」などですが、現在の一般の窓の開閉と同じなので紹介はしないので、今回で「茶室の窓」の紹介は終了とします。

今回は、「茶室の窓」他を参考に紹介しました。

☆参考

 ○擁翠亭       ○茶室を感じる    ○茶室とインテリア